オジゾウサマ 1987年 山形県 稲沢集落のお地蔵様は、お供えの手拭を盗まれたときに錫杖を鳴らして追いかけたという。
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ネコ 2000年 神奈川県 「五郎兵衛の猫じゃ」と歌いながら踊り狂う若い娘が夜毎出没した。供養塔ができてからは、そのようなことはなくなった。
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テング 1922年 石川県 昔、天狗に捕えられた男が3年に1度、豆絞りの手拭を被って帰ってくるという話を聞いたことがある。
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テヌグイ 1933年 岐阜県 源次という信心厚い者が、手癖の悪い友人と立山に登った。少し後れて行った友人が路傍の割木を盗もうとしたら、頬冠りしていた手ぬぐいが落ちてそのままなくなったので、そのまま家に帰った。源次が立山の山頂に行くと、空から手ぬぐいが落ちてきた。それは友人の手ぬぐいだった。
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ネコノオドリバ 2000年 神奈川県 追剥ぎや辻斬りに殺された人の霊を慰めるために供養塔を建てた。そのあたりは、猫の踊り場という話が出るような寂しい場所。
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ネコ 2000年 神奈川県 猫のお化けが出るというので、猫の祟りではないかということで、念仏講の人たちがお金を集めて供養塔を建てた。そうしたら、猫のお化けは出なくなった。
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ユウレイ 1974年 東京都 築地にあった御救小屋が愛宕に移されたのは夜中に焼死者の幽霊が出るためだという。しかしその正体は人を驚かして物を盗ろうとした盗賊だった。
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ジョロウグモ,タキノヌシ 1989年 静岡県 天城湯ヶ島町の浄蓮の滝の主は女郎蜘蛛。農夫が滝の上で休んでいると、蜘蛛が足に糸を巻きつける。糸を桑の切り株に掛けたら、大地が震えて切り株は滝に呑み込まれた。
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ネコ 2000年 神奈川県 毎晩猫が出てきて、通る人を化かした。それで供養塔を建てたという。
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オゼンキサマ,(ゼンワンヲカシテクレルイワアナ) 1990年 長野県 ムラの上方に高原があり、そこに岩穴がある。これは戸石まで通じているといわれ、戸石の人たちはここのお善鬼様にお願いして膳椀を借りていたが、ある人が1つ壊して返して以来、貸してくれなくなったという。
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ケチ 1966年 新潟県 寒倉講でケチ(おとがめ)を受けた話は多い。1954年のこと、寒倉講の宿になっている家の手伝いの人が、行者(講員)たちが出て行ったあとで、オモリの人に断らずに注連縄の下の縁を拭いた。ところが、神が知らせたのか行者に震えが来た。「お願いします」と一声あげると、震えは止まった。
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クダモノ,(テガクサル),(ゾクシン) 1915年 熊本県 人吉地方では、果樹などを荒らされないように、板に手を書いたものにくぎを打ち、逆さに枝に吊るしておく。もし果物を盗めば、盗んだ者の手が腐るといわれている。
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(ワンカシブチ) 1987年 山梨県 中巨摩郡八田村野牛島の能蔵池では、人寄りがあって多数の膳椀が必要の時、淵か川に行って頼むと、翌朝それだけの数が岸の岩の上においてある。用済の器具はよく洗ってお礼を言って岩に置くといつのまにかしまわれる。しかし、心のよくない者が返すときにその数をごまかしたり、壊して返したのでそれからは頼んでも貸さなくなったという。
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ネコノオドリ 1977年 神奈川県 干しておいた手拭いが頻繁になくなるというので困っていた。安西六左衛門という人が寺の観音堂の前を夜に通ったところ、中で猫たちが手拭いを頬かむりして踊っていた。
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エンゾウノウラミ,ユメマクラ 1995年 山形県 1800年頃のこと、米沢藩の年貢が厳しいので役人の番所を焼打したが、役人は米沢に行っていて無事だった。円蔵という者が高さ1丈の石塔を建てて供養してもらう約束で自首して火焙りになった。しかし高さ1丈の石が見つからず、石塔が建たないでいたところ、村内に火事が多発した。円蔵の恨みと思い、5尺の地蔵を建てたがだめだった。すると円蔵が夢枕に立ってどこそこを掘れ、という。そのとおりにすると1丈の石が見つかり、おさまった。いまでも7人のお坊様を呼び、地区で供養している。
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ミツミネサン 1988年 群馬県 かつて星尾には三峰講があった。三峰サンは盗難除けの神様で、手拭いを落として拾おうとしただけでドロボウと間違われ、オオカミに喰われてしまうという。
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エンコウ 1955年 島根県 馬を洗っているとえんこうが取り憑いたので、引っ張り返して捕まえたという。君谷村の玉泉寺では、今後川で人をとらないと約束して証文を入れ、口羽村の宗林寺では、和尚が岩に文字を刻んで、その文字が見えなくなるまで人をとらないと誓わせた。えんこうは毎晩出ては岩の文字を消そうと撫で続けたという。
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テアライイシ 1930年 兵庫県 西国26番札所一乗寺のある法花山の登り口には大きな手洗石が置いてあり、参詣の善男善女はこの手洗石の中に手ぬぐいを投げ入れた。罪の重い者の手ぬぐいは下に沈み、手拭が沈んだものは先に進むことができなくなった。それでも無理に進もうとすると、目の前に大河が現れ、他の者は船に乗って渡っていくのに、自分だけは渡れず、下山するしかなかったという。今はその手洗石はなくなり、善悪関係なく参詣することができる。
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カシゼンワン 1936年 岐阜県 日和田に滝のように水の落ちるところがあり、一の滝という。昔は膳椀が必要なときはここで頼めば翌朝に必ず川岸の岩上に頼んだ数だけ膳椀が置いてあった。しかしある時傷をつけて返したものがいて以後借りることができなくなった。
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オセンガフチ,ダイジャ 1987年 長野県 昔,この村に何処からともなく三人の姉弟が移り住んできた。上からお仙,庄兵衛,金次郎といった。ところがその後,これまで平和だった村で毎晩のように家畜が盗まれるようになり,後には大蛇のものと思われるような蛇のうろこが落ちていた。三人兄弟が実は大蛇の化身で,盗みの犯人だとわかり,村人達は退治の相談をしたが,大蛇のたたりを恐れ,三人を神様として祀って封じ込めることにした。お仙はお仙ヶ淵,庄兵衛は築地原の菖蒲池,金次郎は金次郎池に祀られ,年に一回ずつお祭りを行った。するとその後,家畜が盗まれることはなくなったという。
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