ニソクノヘビ 1975年 和歌山県 宝暦5年夏、紀州在田郡湯浅で怪しい蛇が捕らえられた。形は蛇に似て色が黒く、身は肥えていた。長さ6尺3寸、胴回り7寸で、針鼠の毛のような指がついた足が2本生えていた。舌は獣のようであり、尾の先は角のように尖っていた。
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(ジュウチョウ) 1981年 正徳4年4月12日、奥州しゆ原山に大きさ10間余り、亀甲で腹は蛇形、首は鳥で耳の長さ4尺8寸、尾の長さ2間2尺、翼があり、足の長さ2間で太さ3尺の獣が現れた。息は火炎のようで鳴き声は雷鳴のようであった。鉄砲10挺で撃ち止めた。見物の男女で毒気にあたり病死するものも出た。この件は江戸へ注進した。
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イジュウ 1974年 京都府 延宝年間のこと、京の南にある吉祥寺村で、吉祥天女のご開帳があるというので、近隣の村々から六斎念仏を行う者が多く集まった。その彼らが打つ鐘や太鼓の音を恐れたのか、怪獣が出てきて、ある百姓の家の縁の下にかけ入った。それを生け捕りにすると、顔は狸に似て、鼻から額まで黒く、うなじは白い。さらに背は黒く、腹は白く、徳利のような丸い尻をしており、尾はなくて前足はモグラのようで、後ろ足は長く犬のような獣だった。餌は串柿だけ食べたという。
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ヒヒ 1976年 新潟県 延宝か天和のはじめ、ある山家の老人が山から帰ってこなかったので、その妻がいぶかしがり、人に頼んで山を捜索してもらった。すると山奥に老人の笠とわらじが落ちていたので、それを怪しみ、村で山狩りをした。ところがなにもなかったので下山しようとすると、風が藪を吹くような音がしたので振り返ったところ、赤熊を被って目が星のように光る獣が襲ってきた。大力の若者が鎌で眉間に切りかかったが、若者を谷へ投げ落とした。残った者は逃げ帰り、越後公へ訴えた。そこで江戸より軍師を呼び、山狩りを行わせた。獣が現われたので、それを鉄砲で仕留めた。
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キツネ 1974年 寛政八年二月、大きな狐を見た。高さは大きな犬ぐらいで、背のなかさは五尺ほどあり、谷にのぼるのはとぶように速い。けれども色や動作は普通の狐と同じだった。
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イジュウ,マミ,コアミ 1974年 三重県 寛政9年のこと、伊勢国櫛田において民家の井戸のなかに落ちていた異獣が捕まった。形は牝犬のようで、4足の爪は鋭く鷲の爪のようだった。その後ある下総から来た旅人は、自国のマミというものであろうと言う。また伊勢の山中にはコアミという獣もいて、狸の大きいものに似ている。しかし井戸の中に落ちたのはそれではない。
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シイ 1976年 中国 大明の成化12年に京師で獣が現れ人を傷つけた。形は狸のようでまた犬のようでもある。風のように飛ぶ。一夜に数十匹黒気と共に現れる。
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オオカミ 1936年 秋田県 ある年、人だかりの中に狼が現われて逃げた。石きり山の上で鋭い目を放って舌なめずりをしていたという。
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イジュウ 1977年 北海道 壬寅の年の5月15日に蝦夷で大きな地震があり、大きな山が二つに崩れた。そこから異獣が多く出てきた中に、二面八足の異獣が風の様に飛んでいったという。蝦夷の人間はこれを捕らえようとしたができなかった。
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ケモノ,ライジュウ 1978年 長野県 信濃の更科山で、ある年の暴雨の時、山から獣の死体が2つ流出した。目の大きさは犬くらい、灰色で頭は長く、くちばしは半黒く、尾は狐のようで、爪は鷲に似ていた。落雷のとき、木の根に爪の跡のようなものがあるのはこの獣の仕業か。明和7年閏7月伊奈郡駅科村で捕えられた雷獣も、近江国かがみ村で落雷の際に捕えられた獣も同じ姿をしていた。
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イジュウ 1977年 静岡県 正徳4年夏、豆州豊川村である人の妻が毎夜何者かに襲われるようになり、ついに殺され顔の皮を剥がれた。15日後何かが家に入ってきたので斬りかかったが逃げ去った。血の跡を辿ると栗山村の奥山の穴に続いていた。鉄砲で撃ち、出てきたところを槍で仕留めた。形は熊のようで人面だった。足と爪は鷲のようで、頭毛は赤、身毛は黄だった。
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キツネ 1987年 長野県 昔,長門町(現長和市)と丸子町の境,鳥羽山に尻尾の先が白い狐が棲んでおり,よく人を化かした。あるとき,仙石原の方から子供達が大勢やってくると,犬たちが揃って吠え始めた。するとその中の一人が今やってきた道をまっしぐらに駆け出し,四つんばいになって山の中へ走りこんでいった。村人が一晩中探したがその子は見つからず,翌朝,村から10数メートルも離れた隣村の山中で発見された。子供は疲れていたが元気で,着物には白と茶色の狐の毛がびっしりつき,地面には生物の血が転々と落ちていた。狐の毛も沢山散っていた。以後件の狐を見たものはいない。
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リュウ 1974年 高知県 土佐高知で元禄14年6月晦日に空が朱色に代わり、風が強く吹いた。それを見ていた黒田又市という者が空を見ると、長さ3丈ほどもあろうかという大竜が雲の中に泳いでいたという。それは姿は黒く、鱗は白銀のようで、目の色は金色に光っており、4つの足をのばしていたという。
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イジュウ,センネンモグラ 1995年 静岡県 1859年8月10日の日記記事。川尻村というところで異獣が捕まった。大きさ猫程度、顔は馬に似て胴はハエ毛、足は人間の赤子に似ているという。(後日の書入れ)これと同じような怪獣は蒲原宿でも1匹捕まった。そこでは千年もぐらだと言っている。
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ライジュウ 1974年 栃木県 下野国の烏山の辺に雷獣というものがいた。形は鼠に似てイタチより大きい。夏の頃はそのあたりの山に自然と穴が開き、その穴から雷獣が首を出し、夕立の雲の中から雷獣が乗るべき雲が来ると、それに乗って飛び去るという。またこの辺りでは春頃に雷獣狩りが行われるという。
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ヤマミミズ 1979年 福岡県 『頭陀物語』という書物によると、筑紫のほうに行脚していた人が日暮れに山に行くと、火炎のように赤く、長さ1丈あまり(約3メートル)のものが、地上3尺ばかり(約10センチ)浮き、風を起こし、動くとも飛ぶともなく飛来してきたという。宿主に聞くと山蜥蜴というもので、西国には多いという。
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オオネコ 1974年 和歌山県 紀州熊野の山陰の洞窟に、虎のような獣がいて、里の犬や狐などを補食していた。時々人間を追いかけるので、里人が鉄砲で撃つと素早く逃げた。ある者が仕掛けをして捕まえると、猪ほどもある大きな猫であったという。これは貞享2年5月のことであった。
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ヌエ 1975年 京都府 鵺は洛東などの深山に多くいて、大きさは鳩ぐらい、黄赤色で、鳶に似て昼は伏し、夜に活動するという。そのくちばしの上は黒く、下は黄色で、ひゅうひいと鳴き、脚は黄赤色だという。
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オオカミ,マモノ 1979年 岡山 鳥取県 備後や因幡、美作の山村では、昭和12年頃、狼の尾を山の放牧柵にかけておくと、牛が魔物に驚いて柵は越えることがないという話が聞かれた。
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タタリ,ヤマノカミ,クロウシノヨウナカイジュウ 1936年 兵庫県 1900年ごろの1月9日、某氏が山神祭の日であることを忘れて山へ猪猟をしに入ってしまった。猪の通る場所で一服していると、前から猪が1頭やってきたので、狙いをさだめて引き金を引こうとすると、猪の姿は消え、大きな黒牛のような怪獣が現れた。それだだんだんと大きくなっていったので、死に物狂いで逃げ帰ったという。
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