カマイタチ 1980年 突然の烈風に当たると即死することがある。これを越前ではカマイタチとよんでいる(佐渡にも多く、奥州にもある)。越後では古暦紙の灰を服すと治るという。これは烈寒の地だけに陰陽の気が定まらず、毒気が凝結したものが生じ、それに当たるから死んでしまうのだという。
類似事例 |
|
カマイタチ 1974年 伊勢、美濃、駿河では一目連という。相模国ではかま風という。家の内にいても手足などが切れる事がある。古い暦を焼いて付ければ傷は治る。
類似事例 |
|
カマイタチ 1957年 新潟県 山仕事で風が吹いた後、三日月ような切り傷ができることがある。決して痛くなく、血も出ない。鎌いたちにあった、と言う。
類似事例 |
|
ナマクビ 1981年 東京都 昔、滝山城が落ちた時、欅の下で打ち落とされた武将の生首が、来た武士の首を食いちぎった。それ以来欅に生首の幽霊や宿り、人に食いつくようになった。ある人の足に生首が食いついた。歯の跡が残り、食いちぎられており、治らなかった。物知りのおじいさんに人面瘡だと言われ、言われる通りに毎日おにぎりを傷に入れていたら、2ヶ月したら治った。
類似事例 |
|
コレキノクロヤキ,カマイタチ 1975年 茨城県 下総国大鹿村の弘教寺の小僧が、かまいたちの風に当たり痛みに苦しんだ。そこで古い暦を黒焼きにしてつけたところ治ったという。
類似事例 |
|
カマイタチ,コレキノクロヤキ 1975年 新潟県 越後国では鎌鼬ということがある。老いも若きも男も女も、顔面や手足などに太刀で切られたような傷がつく。それには古い暦を黒焼きにして、白湯で飲むと数日の間に癒えるという。
類似事例 |
|
バイ,(ソウダケン),(ソウケンヘキ) 1980年 理由がなく、ある時急に気分が悪くなり、肩にさし込み来て頓死する事がある。これを北国ではバイ、伊勢路では早打肩や早肩癖ともいう。このときに肩や唇に鍼を刺して、黒い血を採れば即時に治るが、これは都会にはない現象で、田舎だけにあるものだ。
類似事例 |
|
シチニンミサキ 1943年 高知県 七人みさきには海や、川、山道、四辻などで逢う。夏に多く、冬には少ない。正面からぶつかると即死する。急に悪寒がして、熱が下がらなくなる。山や川で熱が出たら、坊さんや太夫さんに祈ってもらい、お札をもらい貼る。それでも治らなければ呪文を唱えたりして送ってもらう。
類似事例 |
|
カマカゼ,カマイタチ 1957年 愛知県 悪い風が吹いて、血が出ずに皮膚が切れることを、鎌風が切るという。
類似事例 |
|
ヒダルガミ,ヒダルボウ,ガキ 1936年 兵庫県 空腹の状態で六甲山を歩いていると、餓鬼にとり憑かれて両手を震わせながら座り込まされてしまう。ひだる神、ひだるぼうともいわれ、冬に雪の上で汗をたらたらかいて動けなくなった人もいる。生卵を飲ませるとすぐ気がつく。山では米を1粒放るか、ご飯を1粒でも食べて「あーうまかった」と言へばすぐに治るという。
類似事例 |
|
カゼフケ,フウジャ 1942年 高知県 幡多郡富山村常六では、野山で寒気がして熱病に冒されるのをカゼフケやフウジャと呼び、中ヶ市のある人が山道を歩いていると、風が起こりリチーンと鋤先に当ったものがあり、鋤先は破れてしまったが、本人は病気にならずに済んだそうだ。
類似事例 |
|
チゴイシ 1989年 長野県 小田沢川に稚児石と呼ばれる石がある。この石に雨の降る日に大根を擦りつけると、血がしみ出てくるという。
類似事例 |
|
ムチ 1942年 高知県 田の上を鞭を振り回すような強い勢いで風が吹いていくもの。これに当たると悪い病気になると言われる。
類似事例 |
|
ハカゼ 1964年 高知県 ハカゼは生暖かい風で、あたると病んだり死んだりする。冬に山や川で凍え死んだ霊がなる。あたったら家に入る前に箕を逆さにして「ハカゼ落し」と三回言う。治ったときもまじないを唱える。
類似事例 |
|
(ゾクシン) 1975年 愛媛県 しびれが切れたら、眉につばをつけるという。しゃっくりが止まらないときは茶碗に箸を十字に置いて四隅から茶を飲むと治るという。のどに骨が刺さったときは、その人の頭に魚を置くと治るという。土用の丑の日に薬草を採るとよく効くといわれ、ヨモギ(血止め)・ゲンノショウコ(腹薬)・ドクダミ(コシケとデキモノ)などがよく効くという、など。医療に関する俗信。
類似事例 |
|
カメ 1976年 青森県 明和6年8月、奥州津軽の浜辺を百姓が歩いていると、亀が鳥に襲われ殺されそうになっていた。百姓は鳥を追い散らし亀を助け海に戻した。その夜、夢に童子が現れ、恩を報じたいので、卜檀という薬木を奉りたい、浜に来て欲しいという。眼が覚め浜に行くと、亀が現れ木の枝のような黄色い物をくわえてきた。津軽の領主がそれを聞き付け、医者に見せたところ、本草にはあるが、いまだ見たことがある人がいないといった。
類似事例 |
|
カミノケ 1980年 宮崎県 日向国中村の近辺で、右頬に腫れ物が出来て、その傷口を破ったところ、猪脂膏のようなものが出てきて、その200本の髪の毛が出てきたという。その後傷は癒えたという。
類似事例 |
|
キシツ 1976年 鹿児島県 薩州屋久島の八重岳の山中で、木を切っていた人が全身赤くなる病気になった。医者が血を採ると治った。
類似事例 |
|
ノガマ 1985年 愛媛県 ノガマは四国一円に伝承される妖怪で、刃物で切ったような大怪我をすると「ノガマに切られた」などと言う。松山地方では、石垣や大石の影にノガマがいるので近寄るなと言う。ノガマにやられると、冷気を帯びた風が吹き冷たいと感じ、足元が急に痛くなり鋭利な刃物で切られ、血が吹き出す。
類似事例 |
|
ヤマノカミ 1984年 愛媛県 山の神の木を伐って罰があたると顔面蒼白になり、目まいをおこす。そんな時は北向きに座らせて箕で三回煽ぐと治る。
類似事例 |
|