ライジン 1921年 愛知県 農夫が田に水を引くときに雷が落ちた。雷は童子の姿となり、農夫の子供に生まれて恩を返すと命乞いをした。農夫には頭に蛇を二回り巻いた子が生まれた。これが道場法師である。
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カミナリ 1975年 愛知県 敏達天皇の御時。尾張の農夫が夏の頃、田に水を引いていると、空が曇り雷雨になった。農夫が木陰にいると雷が落ちた。その形は小児のようであった。農夫が打ち殺そうとすると雷は命を乞い、汝のために異なる子を産ませようといった。ほどなく農夫の妻が懐妊した。生まれた子は怪力で、元興寺の鬼を殺した。小児は僧になり、道場法師と名乗ったという。
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イヌガミ,サルガミ,スイカズラ 1936年 徳島県 頭は猿、胴は犬、尾は蛇という怪獣、鵺(ぬえ)が武人によって退治された時、頭・胴・尾が分裂して、頭は讃岐国へ行って猿神となり、胴は阿波国へ行って犬神となり、尾は備前国へ行ってスイカヅラとなって、人々に禍をもたらす様になったと伝えられる。
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ヘビ 1959年 福井県 700年ほど昔、海山の寺を建てるときに、大工と女中とが懇ろになり、子ができた。女はお産の後を見てくれるなと言ったのに大工が覗くと、女は大蛇で、大工は逃げた。女は大工の朋輩に子供を託し、自分の両眼球を乳代わりに与えた。寺大工と一緒になって成仏しようと思ったが叶わなかった。しかし自分の前世の罪が滅びたとき、寺の椎の木に実がつくので、見届けて欲しい、と言い残した。その椎の木は花は咲いても実がならなかったが、昭和30年ごろ実がついた。蛇女が成仏したのだろう。
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ミズウミノヌシ,ダイジャ 1928年 東京都 昔のある日、漁夫は船に一杯の魚と引き換えに、湖の主の大蛇に三女を嫁にやることになった。蛇が迎えに来たとき、娘は鳩になって富士山の山頂に逃げた。そこにいた事代主命は娘を連れて大島から三宅島に逃げた。そこにわなを仕掛けて大蛇を酔わせ、火之迦土に作らせた霊剣で、差出命が大蛇を斬り殺した。蛇は3つに斬られ、尾は大島に、頭は八丈島に飛んでいった。だからそれらの島では蛇が多いのだという。
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ヘビ,タタリ 1959年 岡山県 道通様の信者から嫁を貰う事を昔は敬遠した。これは道通様のオツカイシメが執念をもつとかんがえられたからである。実家に帰りたい嫁を帰さないとその嫁の主人の枕の下に蛇がウジャウジャと出てきて夫を悩ませた。その翌晩には嫁の体が蛇の体に変わった。そのためぞっとして離縁したという話がある。
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ヌエ,サルガミ,ヘビガミ,イヌガミ 1931年 愛媛県 源頼政の母の病が重かった頃、頭は猿、尾は蛇に似た鵺という怪獣が京都の紫宸殿に現れ、頼政が退治を命じられた。仁平3年4月7日、頼政は母から贈られた矢で鵺を射落とした。その夜、母は他界したが、鵺は現れなくなったという。退治された鵺は斬られて摂津の川尻へ流されたが、四国に流れ着いて祟りをなしたとか、頭は讃岐に着き猿神に、尾は伊予で蛇神に、手足は土佐、阿波に着いて犬神になったともいわれる。
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リュウジャ 1987年 和歌山県 娘のもとを男が毎晩訪ねて来ていた。母親は怪しみ、ある晩男の裾に糸をつけておいた。翌朝たどってみると滝の岸にある洞穴に至った。滝に住む龍蛇が男に化けていたのだった。やがて、娘は男の子を産んだ。生まれてから32日目の6月6日、風が吹いたかと思うと、男の子は霊雲に乗って飛んでいった。この男の子を祀ったのが川津明神である。
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ヘビ 1996年 山梨県 古谷城にきれいな娘がいて、梅ヶ島の男が毎夜通ってきた。娘の母が不審に思って男の着物の裾に糸をつけて辿ると、牛淵についた。その後、娘が腰湯につかると、蛇の子を産んだ。
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ヤマノテラドウウンジ,ダイジャ,シロキツネ 1956年 宮城県 女とその懸想した男が大蛇となってから500年経た暦応元年(1338)、加州金沢の大乗寺三世明峯素哲禅師が陸奥に弘教し、岩沼竹駒神社の初午に参詣した時、老翁からこの話を聞き、その案内で大菅谷保の藤左衛門の家に泊った。翌未明山ノ寺の南の丘に登って大蛇の棲む寺跡の湖水を見、7日の間祈祷したのち一喝して杖を投ずると2頭の大蛇が現れて逃げ去る。そのとき白狐が飛び出して禅師に感謝し、永く寺の守護を約する。禅師が祈祷した地に寺を建て実相寺という。
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ベンザイテン,ヘビ 1935年 昔、ある弁才天の神官の家にひとりの娘がいた。近所の百姓が多忙の時期には娘の手を借りることもあった。ある時百姓が養蚕のために手が不足したのでその娘を頼みにいくと、神官の家に出産があり手がいるので娘を借りることができなかった。しかし百姓が家に帰るとその娘が来ており、都合がついたという。それから娘は毎日その百姓の手伝いをした。仕事に区切りがついたので、娘を返すため神官の家まで送ると、娘はお参りをさせてくださいと言って神社に入ったきり帰ってこない。神官の家を訪れると娘はちゃんといて、手伝いには行っていないという。そこで百姓と神官が弁才天の前まで行くとその娘そっくりの頭を持った蛇がいた。神官が礼を述べると蛇は姿を消した。
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リュウコツ 1970年 長野県 寺の住職の許に毎夜美女が通ってきた。ある夜、女の裾に針をつけ、翌朝糸をたどって行くと、岩穴の中で大蛇が子を生んでおり、大蛇は針の毒で死んでいた。大蛇の骨は洪水で流され、下流に散らばり蛇骨石になった。生まれた子は成長して小泉小太郎になった。
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シロウナギ,ヘビ,ムスメ 1929年 長崎県 雨宿りしていた娘と医者が結婚して子供ができた。ある時、昼寝をする母子を見ると、蛇が子供を抱いていた。妻は普賢岳の池に棲む蛇であり、昔医者に助けられた恩返しに来たという。子供が泣くので池に行くと、蛇は片目をくり抜いて差し出した。それを武士に取られたので、再度もらいに行くと、もう片方の目を渡した。しかし、またとられてしまい、怒った蛇は大地震を引き起こした。
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ヘビ 1927年 岐阜県 諏訪神社を遷して城を築こうとしたときに、霊蛇が出現した。道にいて動かなかったので、梅の枝で打つと、目を傷つけて去った。それ以来氏子は梅の木を栽えない。
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ヘビ,キヨヒメノタタリ 1979年 愛媛県 土佐の長曽我部氏に攻められた勧修寺本詮の娘清姫が山中に隠れていた。欲深い猟師が恩賞に目がくらんで、長曽我部の兵に姫の居場所を教え、追いつめられた姫は自害した。猟師が家に帰ると、何度捨てても殺しても白い蛇が来た。子供が生まれても死ぬか体が不自由だったので法師に見てもらったら、清姫の祟りだった。
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カニ,ダイジャ 1990年 石川県 旱魃の際、田に水を入れてきれたモノに娘をやると言った。すると一人の若者がきて、一夜のうちに水を入れた。若者は輪島川の淵に住む大蛇で、娘を連れて行こうとした。娘の家を7巻巻いて戸口から入ろうとしたが、中に大きな蟹がいて、蛇を九つにはさみ切った。その骸が落ちたところは池になった。頭が落ちたところは親池と呼ばれ、笠原の家に祟りをなした。これを聞いた泰澄大師が法力をで退散させた。
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ダイジャ 1931年 長野県 独鈷山で修行をする若僧のもとに通う美しい婦人がいた。若僧はある時怪しみ、あとをつけると鞍ケ淵の大蛇だった。大蛇は男の子を生み、死んだ。男の子は婆さんに拾われ、小泉小太郎と命名された。小泉小太郎は立派な武士になった。
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ヘビ 1966年 山形県 尾形家では、先祖は蛇であったので庭にいる蛇を殺してはいけない、と伝えている。倉に綺麗な娘がおり、そこへ蛇が若者の姿で通ってきた。そこで若者の袴の裾に糸をつけてやったら、山中の岩屋の中で大きな蛇が苦しんでいたと言う。
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キツネ 1977年 東京都 宝暦の頃、江戸四ッ谷新宿に住んでいたある剣術指南が籠に乗ったところ、袂に入れていた狐の尻尾が籠からはみ出し、それを見た籠かきが驚いたので狐のふりをして料金を全額払わなかった。すると翌日から怒った狐に取り憑かれ、祈祷の甲斐も無く親族にも見放され死んだ。
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コヘビ 1976年 京都府 某家で伯母が同居してかいがいしく働き、家が栄えていた。しかし妻を迎えたところ、妻が伯母に従順しなかったので、伯母を別居させ、食事を持っていくように主が命じたが、妻は主に偽って、持って行く事は無かった。そのうち伯母は病気になったのだが、その頃から妻も心地が悪いと屏風の内にこもるようになった。2,3日もこのようなことが続くので怪しんで屏風の内に入って見たところ、妻の首に小蛇が巻きついていた。修験に祈ってもらったら、小蛇を退治すると妻は死ぬといわれたが、苦しみを見かねて祈祷を頼んだところ、小蛇は首を離れ妻の口に入り、妻は死んだ。その頃伯母も死んだという。
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