シセキ,リュウノミヤコ,スズリ 1980年 寛政8年(1796)の春に、ある人が紫色の石を持ってきて、これは昔から龍の都の石として伝わってきたもので、触れると痘患を治すという。翌年それを買い取って硯にしたところ、擦った墨は漆のように密であり、水は数日たっても一向に減らないという。
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スズリイシ 1980年 福島県 この地には「すずり石」と呼ばれる、硯の形をした石があり、その窪みの部分にたまった水は日照りのの際も涸れることがないという。武蔵坊がこの水で墨をすって、著到を書いたという。
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(ゾウジョウジノチョウズバチ) 1974年 東京都 増上寺にある手水鉢は名石で、数年経ても水は朽ちなかった。干ばつや梅雨の時にも水は増減しなかったという。
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スズリイシ 1982年 石川県 弘法大師または家持卿の硯石、という石がある。中央の窪みに溜まる水は、天候に関わらず一切増減がない。この水を掻きだしたりすると、たちまち大時化になるという。
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スズリイシ 1982年 奈良県 硯石に溜まっている潮水は、伊勢湾の干満に連動して増減する。弘法大師がこの硯石の穴を穿ったという。
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コウボウダイシ 1997年 山梨県 昔、弘法大師が内野村水のみ(水のもと)を訪れた時に硯の水に困り、筆の先で土をかくと清水が湧いてきた。それからここを弘法大師の硯の水といい、地名を水のもとと名付けた。その後は農作業や林業に従事する人達にとってなくてはならないものであったが、ある時1人の農夫が、この湧き水でだら(人糞の肥料)桶を洗い、湧き水は止まってしまったという。
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コウボウダイシ 1997年 山梨県 昔、弘法大師が内野村水のみ(水のもと)を訪れた時に硯の水に困り、筆の先で土をかくと清水が湧いてきた。それからここを弘法大師の硯の水といい、地名を水のもとと名付けた。
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(カッパ),トウ 1982年 神奈川県 相州大川道西久保という所に小さい川があり、その川で河童が馬を引き込もうとしたところ、大勢で河童を打ち殺そうとした。その時にある百姓が河童を貰い助けたところ、夜に河童が礼にやってきて、陶器に酒を入れ、鱸を2匹持ってきた。鎌倉時代のことだという。この河童は雌雄いて、一匹は鎌倉に住み、一匹はこの角村に住んで文通をしているという。この陶の酒を呑む時、少しだけ酒を残しておくとまた酒が増えて、万年も絶える事がないと河童は言った。ある時酒を飲み干したので、それからは一滴も出なくなった。
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ホウギョク 1955年 愛知県 大旱魃の時、大智院の法印が硯の墨汁を雨乞いの宝玉にかけて祈願すると、たちまち大雨が降ったという。
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レイム,レイセン 1976年 愛知県 宝暦元年の頃、大師は夢のお告げで、ある男の信心深さに感慨を覚えこの硯石状の霊泉を教えた。後に硯水といわれるようになる。
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タツ 1980年 愛知県 尾張国にある、ふさの浦という所に行った際、貝のような石を拾った。とても美しかったので床の間においていたら、石の周囲が湿った。よく見ると、石に針先ほどの穴が開いていたので、ここから水が出たものと思い、石を煮たら湿らなかった。そこで石を割ってみると、中には小さな蛇に足が生えたような虫が死んでいた。これはたつ(龍か)だろう。
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フウボク 1980年 和歌山県 紀州藩の御蔵に楓木という枯木がある。干ばつの際、この木に一点の泥を塗って長櫃に納め、干ばつしている所に持っていくと、忽ち雲が起こり、大雨が降るという。寛政8年(1796)に紀州で干ばつがあった時も楓木が出されると、忽ち大雨が降ったという。
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ウワバミ 1953年 千葉県 お婆さんが淋しい堰で、松の木に足を乗せて水を飲もうとしたらフラフラした。よく見ると松の木だと思ったのは大きなうわばみだった。息をかけられて、一月寝込んだ。
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イッポンマツ 1985年 愛媛県 一本松を切って船にしようとしたら、松の下の川が血になったのでとりやめた。
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ヨウジ 1926年 福井県 船橋から長崎道場に行く路傍の畑の中に柘植がある。親鸞が後家長者の家に逗留した折、樫に添えられた楊枝を挿したところ、一夜のうちに柘植になった。
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カワウソ 1976年 新潟県 材木を筏に組んで津川まで運んでいき、酒を飲んで帰る途中、竿に土産のニシンを結んでいたが、帰ってみたら無くなっていた。藪の中で、魚の好きなカワウソにとられたらしい。
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フジノカイイ,(ヤナギダルノハナシ) 1944年 山梨県 振舞い酒に呼んだ旅人が飲みすぎで死んでしまう。そこで酒と一緒に埋め、しるしに柳の木を植えておいた。その後息子が訪れ、墓を掘ってみると、死んだはずの父親が虫の息で生きていた。父を連れ帰り、孝養を尽くした。それで婚礼の酒入れには朱塗りの柳樽を用いる。
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ヨリトモ,ハシ,クスノキ 1930年 長崎県 頼朝が使った箸を地に立てたところ、それが大きな樟樹となっている。
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レイボク 1975年 山形県 聖天宮の杉の大木を伐りだそうとすると斧の切り口から血が噴出した。続けると真中からぽっきり折れたので根元のほうで大きな船を作って川を下した。すると船は突然向きを変え川を上り始め、やがて静かに沈んだ。旱魃の時はこの舟を棹でつつくと雨が降る。
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オンガフチ 1938年 京都府 恩ヶ淵は太古以来、枯れたことの無い淵で、旱魃の年には必ずここで雨乞いをする。
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