シオノミチヒキダマ 1991年 愛媛県 昔、「潮の満ち干き玉」という宝物があって、満潮時には湿り、干潮時には乾くものであったという。
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ホウギョク 1955年 愛知県 大旱魃の時、大智院の法印が硯の墨汁を雨乞いの宝玉にかけて祈願すると、たちまち大雨が降ったという。
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コウザン 1976年 宮崎県 昔、高元泰の輩が霧島山に登り、逆鉾に至った時、急に山が鳴り雲が起こり、面前は真黒になった。長岡の祠官である青木主計頭が、いつの間にか用意していた粟粒の類を取り出し、疾風急雨に向かって投げたところ、風は止み雲は晴れた。
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〔キョアン〕,シンボク 1978年 千葉県 虚庵という人が総州銚子に行ったとき、その地の人々が旱魃を嘆いていたので、そこの神木に祈ったところ、神木から黒雲が出て雨が降った。幻術で人を惑わせたと、その地の役人が捕まえようとしたが、虚庵は捕り手の来る日を予測していなくなった。
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リュウノオトシホウギョク 1934年 香川県 百々淵という場所があり、旱魃の時はこの淵の水を代え干すと大雨が降るという。或る年、それを実行した村人は雨に恵まれたが、淵は以前に増して濁っており、重く珍しい玉が落ちていた。村人は、龍神の落し物として、寺に納めた。
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(チャガマノスス) 1979年 徳島県 鈴ヶ峰には茶釜があった。その茶釜には煤がたくさんついていた。煤をつつくと大雨が降ると言われていたので、誰もつついたことがない。他の人が来てつつくと、必ず雨が降ったという。
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セコ 1960年 大分県 干天が続くと川から木を流せなくなるので、材木商人が子供を川原に集めて相撲をとらせる。これを「カワズモウ」といい、カワズモウをするとセコが出てくるので雨が降るといわれている。
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マツ,カイブツ 1922年 岩手県 上閉伊郡栗橋村字古里に大きな松の木があり、日光を遮っていた。耕作物の邪魔になるので伐り倒そうとしたが、次の日になると元に戻っていて伐ることができなかった。ある日夢に一人の翁が現れ、木の伐屑を毎夕方に焼き棄てれば成就すると告げた。言うとおりにすると木は倒れ、それを用いて船を造った。しかし、不思議なことに船は一夜のうちに姿を消してしまった。あるとき、漁夫が橋野川の川上で得体の知れないものを見つけ、大权で突き刺した。一度帰り、次の日再び現場に行くと何もいなかった。探している内に漁夫は狂い、あたりは風雨となり大洪水が起こった。一夜たつと河口に突如として奇岩が現れた。人々は、漁夫の突き刺した怪物の化身だと言い囃した。
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オオガニ 1962年 石川県 山道に沿う小河の淵に久しく住む大蟹がおり、夜中に子供に化けて出てきて通行人を苦しめた。弘法大師と神明明神が協力して、烏帽子を蟹に与えて淵に埋めると、蟹は烏帽子と共に石となった。旱魃のときにこの蟹の甲石を掘り出せば、雨が降るという。
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ヒサメ,ホラガイ,カネ 1980年 文政の或る年の5月に、黒雲が館林の方から起こって南に向かった。ところが沢飯野という場所で法螺貝を吹き、鐘を大いに鳴らしていると、黒雲は忽ち東に逸れて行き、別のところで激しく雹を降らせたという。雹が降ったときは物を鳴らして追いやると早く無くなるといわれている。
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スイセイ 1979年 菅茶山の随筆『筆のすさび』によると、明和7年(1770)の大干ばつの際、小児が渡れるほど宇治川が干上がってしまった。その前に彗星が現れたので、占者は洪水が起こるだろうと言っていたのに、実際は干ばつとなった。嘉永6年の大干ばつの際にも彗星が現れた。
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ライコウボク 1974年 大阪府 ある年、安治川に雷が多く墜ちた時があった。その後、泥土の上に石に似て石ではなく、こぶし大のものが落ちていた。これは雷公墨と呼ばれるものである。
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エボシイワ 1956年 宮城県 坂上田村麻呂が流れの激しい斎川をわたるとき、鹿島の神を祈って河中に投じた烏帽子が岩となる。日照りのときにその渕を汲むとたちまちに雨が降るという。
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ミショウダイ,レイケン,アメ 1954年 青森県 地引村には揺さぶれば必ず雨の降る御堂があったが、かつてひどい干ばつの時に、験が現れないことがあった。その時近くのぶらくの雨乞い明神から祈れば必ず雨が降るという「空の破片」を借り御神酒につけると三日間土砂降りが続いた。
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スガワラノミチザネ,アマゴイ 1934年 香川県 菅原道真が讃岐の守であったとき、大旱魃で、自ら雨乞いをした。城山の天神の御託宣に従って、墨を含ませた筆を天に投げると、たちまち雨が降った。5月雨で傘が黒くかびるのは、その墨汁のせいともいう。
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アマゴイジゾウソン 1987年 長野県 昔,雨が降らないときには村の四辻に座っている大きな丸い黒石をがんじがらめに縛って千曲川に放り込み,雨を降らせてくれるよう祈った。するとその夜更けから大雨となったという。黒い石は引き上げられて丁重に祀られ,「お助け地蔵尊」とか「雨ごい地蔵尊」とか呼ばれた。今でも農家の人たちが「水神様」として祀っている。
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アメ,ウマ 1975年 岡山県 作州のある村に陰々とした所に小さな池がある。日照りが続いた時は村人が馬の頭骨や骨、また馬の屎や履などを池に入れ、大勢が水面を撃って雨降るか降らないかなどと様々な祝言をいう。すると大雨が降るという。
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シロヘビ,ツバキ 1976年 滋賀県 ある年、青木明神で雨請いをした時、林から水気が登り、他所から見れば失火の煙かと騒ぎになったが、そのあずかる村々のみ潤いを受けた。その時拝殿に1尺ほどの白蛇が現れた。またある時は、風で多くの木が倒れたので、売ろうとしたところ、夜に音が響いて次の日に見たら木がもとに戻っていた。また、この社の北の山岸の磐に3尺ほどの椿が生えており、その茂り方でその年の作柄を知ることができる。
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マツ,タタリ 1915年 岡山県 阿弥陀堂の跡と称するところに古い松があった。かつて森侯がこの松を移そうとしたら祟りがあった。その松は寛政6年に枯れたが、株は長いあいだ朽ちず、雨が降るように祈ると効験があったという。
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エンジュノキ,ハクジャ 1936年 京都府 雷鳴の嫌いな嵯峨天皇が、落雷をなくすよう空海に命じた。空海が槐(えんじゅ)の木を植えると、落雷はすべて槐の木に落ちた。この木の主は白蛇で、一切刃物を当ててはならない。試しに、巡査が剣を当てると、刃が曲がり、けがをして寝込んだという。
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