ヒノタマ 1999年 宮崎県 1920年代後半のこと。話者が小学生の時、春の雨上がりの夜に松明を燈して魚突きをしていたら、墓地が青白く光っている。じっと見ていると直径30㎝ほどの青い火の玉がふわりと上がり、こちらに向かってくる。「火を消さないとこっちへ来る」と友人が言うので松明を消した。そのまま見ていると西風に乗って流れ、川の上まで行ったと思うと川上のほうにふわりふわりと移動して、山陰に消えた。
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シンギョウイナリノマツ 1969年 福島県 祟り田の一角にあった信行稲荷の松が夜になると明るく光り、灯台のない頃はその代わりの役目をしたという。
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オトウミョウマツ 1989年 長野県 話者の家の墓には、一際大きな赤松があり、「お灯明松」と呼ばれていた。毎晩、夜になると松のてっぺんが燃え、それが遠くからでも見えたからだという。
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ミヤマノマツアカリ 1981年 広島県 弥山から松明のような火が燃えることがあり、これを俗に弥山の松明、天狗の松明ともいう。
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チョウチン,ボウレイ 1972年 愛知県 夏に近い生暖かい夜に山の中腹あたりに一つぽつんと提灯がともり、瞬く間に灯りのともされた提灯がずらりと並ぶ。人々はこれを岡部太郎と呼び、討ち死にした者たちの亡霊だろうと言って恐れた。
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ヨウカイ,モモムササビ 1974年 晩鳥、野禽ともいう。姿形は鼬鼠のようであり、昼は深山に隠れ夜になると現われる。人が持っている松明の火を吹き消す。
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リュウトウ 1976年 栃木県 雷電山の麓に池があり、小雨が降る夜にはこの池からかならず竜灯が数多く出て、松の枝に上がる。これを竜の燈松という。
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タヌキ 1981年 和歌山県 松明の火があると思って近づくと消えていることがある。これは狸の仕業。
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リュウトウ 1991年 山形県 龍燈といって、古い松の樹が夜ボーッと光ることがある。発光する理由は不明だが、近寄ると消え、離れるとまた光りだす。時として龍のような形になることもある。
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キツネ,トョウチントボシ 1974年 山梨県 1930年ごろ、夜にキツネの提燈とぼしを見た。キツネのともし灯は提燈に比べてフワッとした感じで、道路を行ったり来たりする。松明が山を行くのや、家の明かりだと思っていた灯が突然消えるのはキツネの仕業。こういうときは、親指で中指を堅く握れば騙されない。また、子どもは神様なのでキツネに化かされることはないという。
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ササヤキバシ 1967年 福島県 長者の娘のもとに通ってきた精霊のいる大杉で作った橋は、夜中に橋を渡る人にささやくという。
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アズキトギ 1974年 京都府 明治32年12月の雨の夜、某が久美浜町の金谷にある土橋にさしかかると、橋の下でシャゴ、シャゴという音がする。帰り道も同じ場所で人の声や提灯の火が消え、手の上を二、三度ぬるっとしたものが横切り、同じような音がした。
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キツネ 1931年 長野県 夜明け前、薄暗い林の中の近道を歩いていたら、足元から急に黒いものが飛び出した。それから道に迷ってしまった。腰をおろして目をつぶって気を静めてから目を開けてみると、すぐそばに松本街道があった。
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ハシ 1933年 神奈川県 聖徳太子を祀った太子堂がある。この堂の前にある橋を雨の降る夜に渡ると、必ず提灯の火を消される。
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ホオカムリヲシタチイサナオトコ,タヌキ 1985年 愛媛県 大正の終り頃、志津川のばあさんが拝志村へ所用で出かけ、帰りが遅くなってしまった。重信川の丸木橋を渡り、もう一息という所で橋のたもとに仕事着を着た男がうずくまっていた。子供みたいに小さく、頬被りをしていた。橋を渡って男の顔をのぞき込むと黒いチンのような顔で目だけが光っていた。婆さんは狸だったと語っている。
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オチカビ 1959年 静岡県 神明浦という所の奥から、五月雨の夜などに、怪しい青い火の玉が出て、湖上の波の上を飛び回ることがあり、村人はお近火と呼んでいる。昔、父と旅を流れてきた美しい娘お近が、村の庄屋の一人息子源五郎と恋をしたが、庄屋は旅の女と結婚することを許さず、源五郎はお近に別れ話を切り出した。その夜、お近は神明浦に身を投げ、以来怪火が出るという。
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カワテング 1977年 神奈川県 夜中に川へ行くと、真っ暗な中を火の玉が転がってくることがあるが、これは川天狗というものである。これが出た時には、河原の石の上を洗い清めて、取れた魚を供えると消えるのだという。また、投網をしているときに少し離れた辺りを同じく投網しながら行くもの、或いは、大勢の人の声がして松明の灯があるにも拘らず、その実何もないようなとき、それらも川天狗の仕業だという。
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ショウトクタイシ 2002年 石川県 大正15年2月、聖徳太子さんの石碑にお太子さんの姿が出現して評判になった。娘から話を聞き、確かめるため夜11時頃に向かった人がいたが、ボンヤリと光を放っていたという。
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シキジン,オニ 1975年 京都府 阿部晴明は識神を使役し、のちにその鬼を一条戻橋の上に封じたという。
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クレナキイシ 1967年 福島県 昔、夕暮れになるとひとりでに鳴きだしたといわれている。
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