ウマハシサカノマンスケキツネ 1956年 宮城県 万助狐はこの地方を代表する狐の一つ。桧沢の開墾当時,佐藤某氏は妻を亡くして独身で働いていたが,ある夕方仲人が来て嫁を世話してくれた。数日後にめでたくまとまったので身内を呼んで祝宴を張ったが,花婿たちが酔って仮睡していた間に花嫁も仲人も御馳走もみんな消え失せてしまった。
類似事例 |
|
ヒイヒイザル 1993年 三重県 ヒイヒイ猿という猿が、黒田集落から娘を人身御供に取っていたので、旅の由井小雪が身代わりになった。小雪が神輿に乗って待っていると、松脂と砂で毛を硬くしたヒイヒイ猿が降りてきた。小雪は毛の隙間のある首と足を狙って猿を斬り捨てた。猿の頭は比奈知へ、足はサガラの橋へ飛んだ。猿は「去る」に通じて縁起が悪いから婚礼の行列はサガラの橋を通らない。比奈知では今もヒヒマツリという祭りをしていると言う。
類似事例 |
|
マンジュロウギツネ 1976年 宮城県 馬橋坂というところに万寿郎という狐が住んでいた。宗作爺が親類の家の屋根替えの手伝いに行き、月形餅や撒餅をもらって帰途についた。途中学校の前に来ると、子供達が爺を見つけ寄って来て、土産をくれとじゃれついてきた。爺は嬉しくなって子供に包みの中のものを全てくれてやったが、気がつくと子供の姿はなく、万寿郎狐にだまされたのだった。
類似事例 |
|
タキノタンジロウキツネ 1956年 宮城県 この地方で代表的な狐の一つ。老人の話では,明治の中頃まで丹次郎狐と花立山のお花狐とが組んでよく嫁入り道中を見せてくれた。二匹とも死んだのか,近年は実見談が聞かれない。
類似事例 |
|
キツネ 1956年 宮城県 この地方の狐はよく,狐の嫁入りと大入道に化けた。
類似事例 |
|
キツネビ,キツネ 1977年 茨城県 田んぼ道を、列になって点滅しながら動いていく狐火を見たことがある。狐の嫁入りだと教えられた。この辺りには多くの狐や狸が住んでいた。帰りに土産の天ぷらを狐に取られた、狐に化かされて田んぼを這い回っていたという話も聞かれた。
類似事例 |
|
キツネ 1970年 福島県 三代の盆踊りに何年も大したお化狐が出てきて踊っていた。めんげぇおなごだといって若ぇ衆が送って山王坂までいくと、いなくなった。その次の日の夜にまた踊りに来た。盆上がりにその狐は西山形屋の穀入れの下に寝ていたが、西山形屋は「おれげぇ、おいなりさまだからおれげぇの屋敷では、犬にくわかねぇでくれろ」と言ったので、犬が逃げていくのをアキルツルのあたりで捕まえたそうである。
類似事例 |
|
キツネノヨメイリ 1989年 鳥取県 米子からの帰り、夜になると道に一列に灯がともっていることがある。狐の嫁入りという。
類似事例 |
|
キツネノムカサリ 1956年 宮城県 明治の末頃まで,十一月頃の夜に金成耕土に青い狐火が続くのを見た人が少なくなかった。この地方ではこれを「狐のむかさり」(狐の嫁入り)と呼ぶ。
類似事例 |
|
キツネノヨメイリ 1983年 千葉県 夜、さびしい道を歩いていると、向こうの方に灯が列を作って見えることを狐の嫁入りといって、狐が嫁入り行列のために提灯を持って歩いているんだといった。狐のよだれを木につけて、夜に遠くから見ると光るのでこれをいったのだろう。
類似事例 |
|
ムジナ,ダンザブロウムジナ 1934年 新潟県 佐渡島には狢が群れをなして住んでおり、その首領の名前を団三郎と言った。鎌倉時代の末期、狐が渡って来て、団三郎と妖術の勝負をした。狐は嫁入りの行列をして見せた。そこで団三郎は大名行列をして見せると狐に行った。狐は大名行列のあまりの見事さに驚いて近寄ったら、その行列は本物で、狐は殺されてしまった。それ以来、佐渡島に狐は来なくなった。
類似事例 |
|
キツネノヨメイリ 1998年 奈良県 12月31日に耳成山で狐の嫁入りを見ることができる。人によっては、狐が駕籠に乗っているのだとも言う。喧しくすると、火は消えてしまう。
類似事例 |
|
キツネノヨメドリ 1977年 富山県 嫁をもらうときは狐が嫁入りの格好をして明かりをもって川淵を何往復も歩く。これをキツネノヨメドリという。
類似事例 |
|
キツネ 1999年 宮崎県 えびのの入佐原には太郎狐、中原には千代乃狐という有名な化かす狐がいた。岡本の人が正月祝いの帰り、友人が「話が残っていた」と引き返したので、一人で歩いていた。しばらく行くと、その友人が先回りしていた。「早かったな」と言いながら歩いていたが、どんどん違うほうへ行く。そのうち友人も消えて目の前は山になり、酔いが廻ってきて寝てしまった。目が覚めると腰につけていた料理は盗まれていた。狐の仕業。
類似事例 |
|
キツネ,タロウジャドン 1935年 熊本県 太郎じゃどんという有名な狐が、村の者4・5人と共に参宮した。無事に戻ってくることができたので、狐が村の者を招いて同行祝いをした。村の者はご馳走を食べ酒を飲んだ。帰りに小雨が降っていたので、狐は傘を貸してくれた。村の者が傘をさしながら歩いていると、子供たちが笑う。気がつくと雨など降っておらず、さしていた傘は芋の葉っぱだった。
類似事例 |
|
キツネ 1987年 山形県 狐が1匹で尾にパタパタと提燈のような光を5つも20も点け、ムサカリ(結婚式)のように見せかけた。
類似事例 |
|
キツネノヨメイリ 1985年 新潟県 奈良立集落の道をまっすぐに狐が提燈をつけて行列したという。狐の嫁入り。
類似事例 |
|
テンノウキツネ 1955年 岡山県 布寄神社を天王様といったが、このお使いの天王狐がいる。天皇狐は変事がある前の夜には必ず出てきて鳴いたと言う。また天王狐は油揚などを好んで夜村の人が持って歩いていると必ず取られていて他のものと入れ替えられていたと言う。また昼でも出会った人が石を投げると怒って一日中山の中を歩かされたという。
類似事例 |
|
〔サケノダイスケ〕 1956年 岩手県 旧家羽縄(ハナワ)家に伝わる伝説。沢山の牛を飼っていたが,毎年巨鷲が飛んできて牛を掠っていく。刺し殺してやろうと,主人が牛の皮をかぶって待っていると,鷲に掴み去られて玄界灘の孤島の老杉の枝に置き去られた。島から逃れられず困っていると,老人が現れて「私は鮭の化身で,大助という一族の長だが,毎年10月20日には仲間達が気仙の今泉川に入って産卵する例になっている。貴国の人たちへの恩返しとして送って進ぜよう。」と言う。主人は無事帰郷できた。羽縄家では毎年10月20日に当主が川口に行って神酒を供え,鮭綱を切ってやり,産卵しやすくしてやることが明治頃まで仕来りとなっていた。また羽縄家では一切鮭を口にしなかった。
類似事例 |
|
キツネ 1986年 茨城県 老人が狐を助ける。その晩狐が若い娘姿で家を訪れ、息子と結婚し子を成す。ある日子が鷲に攫われそうになり、狐は正体を知られ山に帰ってしまう。だがその後も人知れずその家の田畑を耕した。この狐を祀ったのが女化神社で、神社の砂を田畑に撒くと作物がよく実る。
類似事例 |
|