ダイジャ 1952年 兵庫県 才の谷には谷が100あるが99までしか見つけられず、最後の一つに主が住むという。ある時猟師が犬を連れ奥の谷に行ったら、美しい姫の姿が見えた。追いかけると岩の上に大蛇がいた。吠える犬に火を吹きかけ一飲みにした。猟師は逃げ帰り3日3晩うなされて死んだ。
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ユメ,アオイヒカリ,オウゴン 1937年 長野県 山の陰に黄金が埋まっているという夢を3年連続で見た主人の話を聞いて、家来がそっといって掘ると本当に黄金が出たが、青い光になって飛んでいってしまい、返ったら主人の家が黄金に埋もれていた。
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トミヤ、ヘビ 1956年 宮城県 昔、富谷の長者の娘へ夜な夜な通う美しい若殿があって娘はみもちになる。ある日娘が蛇に呑まれかけている蛙を助けてやると、その蛙が恩返しのため易者に化けて娘を訪ね、「毎夜通ってくる男は蛇だから、今夜来たら着物の裾に針を刺しておけ」と教える。娘は易者に教えられたとおり針を刺し、翌朝糸を手繰ると、近くの山の大杉のゴラ穴に入った。そのとき杉の木にとまっていた1羽の鴻の鳥が穴から蛇を引き出して十切れに噛みちぎって殺した。村の人は祟られないように一切れずつ十の宮を作って祀り、これを十宮と称したのがのちに富谷となった。娘は身重を恥じて川へ身投げして死ぬ。今も娘の名をとってそこをおまさ渕という。
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キレイナムスメ 1981年 東京都 大昔、ある息子が用足しから帰る途中、きれいな娘に会った。娘が送ってくれるように頼むので、一緒に歩いていたら、御殿に着いた。酒や肴を出されてもてなされ、錦の布団で眠った。朝、目を覚ますと、御殿などはなく、布団は腐りかかったムシロだった。水も何の水なのかわからない。肴だと思ったのは蛙やトカゲだった。
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ゴゼンブチ,オリヒメ 1936年 福島県 木を伐っている時、山刀を淵に落としたのがきっかけで水中に入ると御殿があって、織姫が機を織っていた。そこで過ごしてもとの世界に帰ると、3年の月日が流れていた。
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ヘイハク 1935年 高知県 奥の山にヘイケという谷があり、黄金の幣帛が立っていて、これを見ることは死の予告であるという。
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キツネ 1982年 宮城県 1930年頃のこと。草刈りに行った男がなかなか帰らないので探しに行くと、峠で座り込んでいた。正気に戻ってからきくと「美しい宮殿にいた」と言った。狐の仕業。
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アオダイショウ 1937年 愛知県 昔、村人が牛ほどもある大きさの金の鉱石を見つけた。村人は喜び酒宴を張った。ところがにわかに曇り大雨になって鉱石は青淵という淵に沈んでしまった。鉱石は今も青淵に沈んでいる。青淵に青大将が常に住んでいるという。
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ヘビ,キリ 1980年 広島県 備後国福山領に御領村という所があり、その山中に蛇が住んでいるという場所がある。そこは草も生えずただ1本の桐が立っていた。そして寛政8年(1796)にその蛇が桐に巻き付いたといい、木に残った痕跡が、金色に輝いたという。また今年に入ると銀色に変わったという。
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タヌキ 1978年 和歌山県 狸が坊さんに化けて水を浴びていた谷があり、油の谷といわれている。
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イタチ 1978年 新潟県 4・50年前、ある男性が悩みがあるのにつけ込まれてイタチに騙された。イタチが住むという噂のあった宮さんあたりで様子がおかしくなり、谷の中に入ったっきり上がらない。小柄な人なのに若者5・6人がかりでも動かなかった。イタチは煙草を嫌うからといって一服させると、正気に戻った。
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ザイホウ 1983年 茨城県 入檜沢の奥の尺条山のふもとの広々とした耕地には昔長者が住んでいたという言い伝えがある。50年くらい前のこと、ある人が代掻きをやっていて、昼休みに馬が逃げ出して田の中に入ってしまった。馬を田から追い出すと馬の足の1本が真赤になっている。驚いて足を点検してみたが傷ではなく、そこには朱がべっとり付いていた。その人は財宝があるのではないかと田を掘り返してみたがとうとう馬が朱を踏んだ所には出くわさなかった。
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ヤロコ 1974年 山形県 昔爺が藁打ちしていると小さな男の子が現れその周りを歩いた。追いかけると山の岩陰の大きな瓶に入った。中には黄金が入っていた。
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アネサマ,ヒョウタン,キン 1953年 ある爺が鹿小屋を作ってシシボイをした。ある夜、ひどく騒ぐ音がする。爺が合いをとると、返事をする。さらに一層騒ぐので見ると向かいの山の峰に美しい姉様が立って、両脇に美しい瓢箪を抱いていた。姉様は向こうから「おひょうらんこ…」というので、爺が早く来ておぶされというと、姉様と瓢箪が背中におぶさったと思うとすぐ消えて、背に金の塊がのっていた。爺は長者になった。
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ザシキワラシ,ヒカリモノ 1974年 岩手県 大変な長者の家のザシキワラシはおかっぱのざんぐり髪で、1人でも足音は2人にも3人にも聞こえた。家が落ち目になると、かまざるのような大きな光り物が中空を飛んだ。光の入った先の家は長者となって栄えた。
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キラキラヒカルキンノタマ 1989年 山梨県 タカギシゲンザエモンという人が、弓をかついで池太神の滝壷を歩いていたら滝壷の下にキラキラ光る金の玉が見えた。神様ならこの矢の先に止まってくれというとそうなった。それが池太神さんで、1寸8分の金の玉である。タカギシゲンザエモンは家に帰ったが、家が動いて寝かしてくれない。俺がおる所はここから1里奥にある所だというのでそこに行って泊まったら、その夜また、ここではないここから8町先に行かなきゃだめだというので8町奥にいくと池があり、ここが俺の住むとこだということでそこへ住まわせてあげるようになった。
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ムスメジゾウ 1956年 宮城県 ある所に三里四方の沼があり、盆になると蓮華の花がいっぱい美しく咲き、近郷近在の人々でたいへん賑わった。しかし取ると罰があたるので、蓮華は取るなとかたく言われていた。あるとき隣村の長者の娘が下女を連れて蓮華を見にきて、美しさのあまり、下女がとめるのも聞かず1本取ってきてしまった。皆には隠して自分の部屋に飾って喜んでいたが、7日ほどたつと、「花からお姫様出る」「お姫様と沼に遊びに行く」と騒いだり、1人で家を出たりしはじめ、とうとう夜中にどこかに行ってしまった。どこにも見つからず、下女は怒られるのが怖くて蓮華のことを黙っていたが、門の外から沼の方へズーッと蓮華の花びらが続いているのが見つかり、沼で娘のシカバネがあがった。泣く泣く野辺の送りをすませた後、夜にまっかな火玉があがる、娘の幽霊が出る、などの評判が立って、沼には誰も行かなくなった。長者の家でも娘がどこにも行きかねて迷っているのだと哀れみ、沼のほとりに地蔵を建てて長く祀った。そのうち、可愛い娘が生まれると、地蔵に願をかけに遠くから参詣に来るようになり、今も続いているという。
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オウゴン,ヒノタマ 1950年 長野県 ある男が、夢で黄金の在り処を見た。行ってみると見たままの場所があるので喜び、村人に話した。村人がこっそりその場所を掘ると、土中の黄金は火の玉となって飛び去った。男が行った時には黄金は無く、がっかりして帰ったが、座敷に黄金が飛んできていた。
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ダイジャ 1971年 福島県 蛇が人に化けてきれいな女の人を集めて、結局それを飲んでしまう。そのそばに木こりがいて女の悲鳴を聞いた。木こりがそおーっといってみると蛇の主というか、大蛇がいて、女の人が助けを求めていた。木こりは恐ろしさに腰を抜かしてしまい、蛇に見つけられた。木こりまでやられてしまったのかはわからない。
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センガフチノヌシ,ダイジャ 1987年 長野県 昔,木こりが川端で斧を研いでいると,一尺ぐらいの白蛇が流れてきた。捕まえて煙草のやにを舐めさせたところ,蛇は中毒を起こして見る見るうちに大蛇となり,苦しがって千が淵の中に入っていった。以来,この大蛇が千が淵の主だといわれている。
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