ヒトツメコゾウ,タヌキ 1970年 鹿児島県 昔、山寺に晩になると一つ目小僧が出た。夜中に厠に行くと、下から手が出て尻を撫でる。旅の坊さまがその手を捕まえてみたところ、毛が生えていた。引き揚げて見ると正体は狸であった。
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ヒトツメコゾウ 1996年 香川県 おん坂という峠の近くに、勘平という力持ちが住んでいた。その頃おん坂には一つ目小僧が毎夜出た。ある日一つ目小僧は勘平が通るのを待って、綱引きをした。勘平に負けた一つ目小僧は大入道に化けたが、勘平は自分の体を大木にしばりつけ、びくともしなかった。
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テングノシッパイ 1956年 宮城県 旭山の鼻高か天狗が箆岳山の方に飛んで、小僧を1人さらってきた。鳥矢坂のところを飛ぶ途中、もう1人幼い子が泣いてるのを見つけ、これもさらおうと下ばかり見ているうちに、手が緩んで小僧を落としてしまった。降りてまたさらおうとしたが、山道で羽がつかえるので、一本足の下駄をはき羽の団扇を持って追いかけた。追いつかれそうになった小僧は道端のモダ林に隠れた。天狗はひとつかみにしようとしたが、バラがいっぱいあって鼻に刺さって痛いので、「おまえは世の中で何が一番おっかないか」と聞くと、小僧は「大福餅だ」と言った。天狗が大福餅をいっぱい持ってきて投げると、小僧はかたっぱしからむしゃくしゃ食ってみせた。さすがの天狗も小僧には一っぱい食わせられたという話。
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チョウチンコゾウ 1956年 宮城県 堤通りの東横丁、北七番丁と北六番丁の中間あたりで数年前から時々あったことだが、雨の夜など、提灯を下げて南へ下っていくと、12,3歳の小僧が小提灯を持ってあとさきになって行く。ふと振り向いたその顔は酸漿のように真っ赤なので思わず悸(どき)っとした。北一番丁あたりで消えうせた。そこは以前富岡十之介の屋敷だった。十之介は正徳年中7月15日の夜、妻を町の盆火見物に連れて行き、帰宅するとどういうわけか乱心して、井戸のあたりで妻を斬り捨ててしまった。それ以後、夜更けにそのあたりで妖火が燃え上がり、界隈の評判となった。
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(アズキアライ) 1943年 長野県 ある晩に町に出かけた老人は1人の小僧を見かける。夜目にも小僧の着物の柄がはっきり見えた。近づいて声をかけたらポカンと消えた。帰路その道を通ると、小豆の洗うシャキシャキという音が聞こえた。
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キツネ 1972年 千葉県 いたずら小僧をお使いに出した。小僧は川原で昼寝していた狐を脅かしたら、川に落ちた。その帰り道突然暗くなり、近くに民家の明かりが見えた。そこに行くとお婆さんと寝ているお爺さんがいたので、ロウソクをねだると、お婆さんは、ロウソクをとりに行っている間、お爺さんに返事をしてくれと言う。お爺さんが「ばばあいたかな」と呼ぶのに答えていたが、だんだん大声になるので、驚いて逃げ出した。すると川に落ちてしまった。気付くとまだ昼間で、狐に仕返しされていた。
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ヒトツメコゾウ 1962年 山梨県 昔、さかね沢というところの山小屋に太郎助という若い衆が大勢の村の人たちと木こりをして寝泊りしていた。その頃は12月13日には仕事を休んで家に帰ることになっていたが、太郎助だけが残る。夜中に山小屋の外の音で目が覚め、入口を見ると一つ目小僧がじっと太郎助を見ていた。一つ目小僧が「今夜の酒のさかなは何だあ」とどなるが、「お前のまなこ玉だあ」とどなり返すと一つ目小僧は逃げ出した。太郎助は夜が明けると家に帰ったが、それが元で死んでしまった。それから沓沢では鰯をもみやからたちの枝に刺して門口におくようになった。それは小僧がのぞいた時にその目を刺すからだという。
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ヒトツメコゾウ,オニ 1987年 長野県 昼間の昔話はよいが,夜にすると一つ目小僧が出てきて家の中をのぞく,鬼が出る,話が本物になると言われている。
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ノッペラボウ 1991年 香川県 ある日の夕暮れどき、男が首切峠を心細く歩いていると、先方に一人の墨染めの衣を着たお坊さんが歩いていたので近づいたところ、坊さんは目も口もノッペラ坊であったという。
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タカボウズ 1978年 愛媛県 竹薮の小道を歩いていると、白い着物を着た小僧が出てきた。みるみる大きくなり、天に届くほどになると、すーっと消えてしまった。。
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ヒトツメコゾウ 2002年 神奈川県 一つ目小僧は山から来る、丹沢の山奥から来る、朝鮮から来るなどという。
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アズキアライ,タヌキ,ムジナ 1933年 長野県 老人がある晩、町へ用足しに行くと先に小僧が歩いていた。声をかけても返事をせず消えてしまった。帰りに小僧の消えたあたりを通ると、小豆を洗うような音が聞こえてきた。老人は急ぎ足で家に帰った。
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キツネ 1989年 愛知県 原田北部の小松谷は、南側のため池近くにキツネ穴があくさんあったので、狐谷と言われていた。ある人が夜中の一時頃に、長坂という峠を越え、原田目指して歩いていたところ、ぞくぞくっと寒くなった。やがて浮御堂のある池に出たところ、松の根本に美しい娘がいた。「こんばんは」と声を掛けても無言で、一町ほど行って振り返ると姿はなかった。家に帰って父親に言うと、寒気はしなかったかと問われた。したと答えると、その時にキツネにつかれたんだと言った。
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オニバンバ 1965年 山形県 山に遊びに行った小僧が音に誘われて歩き回ると道に迷い、明かりのついた家で泊めてもらった。夜中に自分を食う相談をしているのを知り、お守りの札の力を頼りに逃げ、びつき(蛙)に助けられて無事に家に戻ったという。
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ダイジャ 1931年 長野県 独鈷山で修行をする若僧のもとに通う美しい婦人がいた。若僧はある時怪しみ、あとをつけると鞍ケ淵の大蛇だった。大蛇は男の子を生み、死んだ。男の子は婆さんに拾われ、小泉小太郎と命名された。小泉小太郎は立派な武士になった。
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オカネウムムスメ 1956年 宮城県 昔、名鰭沼のふちに夫婦が住んでいた。子どもになかなか恵まれず、願かけて神に祈っていると、春の猫柳の芽がふくれる頃、嫁の腹が大きくなり、ついに女の子が生まれた。しかし片目片耳の子だったので、人目をさけてボロに包んで納屋においておいた。あるとき用事で、どうしても子を背負って町にいかなければならぬことになったので、慎重に包んで出ていった。町の用事がすんで帰るとき、石の上に子どもをおろして休んでいると、腰のまがった白髪の爺さんがきてボロをはがして子どもを見て「これはいい子だ。神様の授かりものだ。今にお金を生むから毎朝米一粒ずつつかませておけ」と言い残して消える。ためしに米一粒つかませるとお金を一つ産んだ。夫婦はしだいに金持ちになったが、慾の出た夫婦は「うんとつかませたらうんと生むだろう」と、ある日つかみきれないほど米をつかませると、子どもは死んでしまった。
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ミエナクナッタコドモ,キツネ,テング 1937年 岐阜県 畑仕事を終え帰ろうとしたら子供が一人いなくなっていた。探し回ると大人でもなかなか行けないような場所を通った先に子供がいた。天狗が連れて行くときは1里や2里の道はわけなく行くというのは本当だった。
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ヒトツメコゾウ,メヒトツコゾウ 2002年 神奈川県 一つ目小僧は妖怪、悪神、疫病神の類。目が一つで顔が大きく、足が一本ともいう。
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キツネ 1938年 長野県 ある人が峠にさしかかったとき、真っ暗になったので困っていると、女が現われ道を教えてくれるというのでついていくと、もうどこともなしに変なところに連れて行かれた。
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シンダオトコ 1931年 青森県 ある晩、古寺の老和尚が檀家回りからかえると、いつもは出てくる小僧が出てこなかった。経を読む声も聞こえないので小僧の部屋に行くと、小僧は経机に突っ伏して固くなっていた。その前には薄暗い電灯の光の中、1人の男が立っていた。和尚に大声で名前を呼ばれが小僧が顔をあげ、男と顔を合わすと男は消えた。翌朝、その男が死んだという知らせを受けた。
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