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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

キツネ,モノノケ
1989年 長野県
イチエモンさんという人が嫁の実家がある中村という部落に呼ばれて夜遅くに帰った。重箱にたくさん土産を詰めてもらい、一杯飲んでいい気分で歩いていたところが、部落のはずれにある地蔵さんを通り過ぎるときに女性がいることに気づいた。声を掛けてもどんどん歩いていくので、「きつねかな」と思って煙草を一服吸うと物の怪は消えた。地蔵さんの前に置いた重箱のところに戻ってくると、重箱は空になっていたという。

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ジゾウサマ
1980年 静岡県
重箱に油揚げを作って山道を歩いていたとき、地蔵様を見つけたが近づくと消えるということが繰り返された。恐ろしくなって重箱を放り出して逃げたが、翌朝その場所へ行くと油揚げは全てなくなっていた。
類似事例

オジゾウサン,キツネ
1938年 長野県
お爺さんが遅くまで山で働いていると、突然お地蔵さんが現われて手招きし、連れて行ってくれと頼む。お地蔵さんをおんぶして行ったが、畑の中へ入ったり出たりして家に着かない。お爺さんがたばこに火を付けるとお地蔵さんはどこかへ行った。
類似事例

イワシノハコ,バカサレタ
1988年 群馬県
祭りの帰りに鰯を買って箱を背負っていると化かされて、一晩中歩き回った。村人に発見された時、ぼんやりと石に腰かけていて、鰯の箱ははるか遠くで空っぽで放り出してあった。
類似事例

キツネ
1956年 宮城県
神次郎部落のある老婆が,親戚のお祭振舞に呼ばれたまま夜更けまで帰宅しなかった。未明,家人が心配して探しに行くと,老婆は裾をはしょって川を渡る格好をし,「深い深い」といいながら山の蕎麦畑の中を歩き回っていた。家人に大声で呼ばれて正気にかえったが,土産の重箱は狐に攫われてしまっていた。
類似事例

オンナ
1960年 福島県
毎日山奥できれいな女が笑って通るのを不思議に思った山師は、女の後をつけて呼び止め、女に連れられて着いた先で三日ぐらいとても楽しくすごした。家に帰ると風景は一変していて、三百年の月日が流れていた。土産の箱を禁を破って開けると、山師は消えた。
類似事例

キツネ
1965年 兵庫県
男が酒を飲んで帰り、墓ぐちの坂道に通りかかったら、座敷で三味線を弾いて酒盛りをしていた。その家から友達が出て来てあがれあがれと誘い、草鞋の紐を解こうとするが、断って帰った。はて、あそこに家があるはずがないと思い振り返ると、家は消えた。「われにあほにせられんぞー」と怒鳴り、家に帰った。この家も狐が化けているのではと用心し、かかと娘の尻に尾がないのを確認して、ようやく家に入った。
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ジゾウサマ
1980年 岐阜県
老婆(老人ともいう)が船津へ正月の米を買いに行った。家へ帰ってくる途中、道端の地蔵様に会うたびに米を供えていると、とうとう米がなくなってしまった。老婆は「地蔵様に供えたのでしょうがない。稗か粟で正月をしよう」と言って寝てしまった。すると夜、外で声がした。朝、米俵が玄関前に飾ってあった。お地蔵さんが持ってきてくれたのだろうと言い、良い正月を送った。
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バアトイシジゾウ
1956年 宮城県
昔、老夫婦がいた。婆が庭を掃いていると角から豆粒が1つ転がり、馬小屋の側の小穴に入った。婆がもったいないとその穴を掘っていくと、広い野原に出てそこに石地蔵が立っていた。婆が地蔵に豆が転がって来たかと聞くと、地蔵が「豆はそこの俵の中に入ったが、まあ遊んでいけ」というのでしばらく休んでいた。地蔵は「今から面白いことがある。何があっても声を出すな。俺が手を上げて合図したら鶏の鳴く真似をしろ」といったので、婆は俵の中で黙って待っていると、鬼が集ってメクリ(賭け事)をはじめた。鬼が金を出して盛んになってきたとき地蔵が合図し、婆が地蔵の言うとおりにすると鬼はみんな逃げ、婆は鬼の金を地蔵からもらって帰った。隣の慾深婆が火を貰いにきたときその話を聞き、真似をするが、地蔵の合図する前に鳴いたので、鬼にばれて両耳をもがれて帰ってきた。
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ウスギヌヤマノヨウカイ
1956年 宮城県
上沼村の東北部北上川の近くに薄衣山という岡があり、そこは村の墓地で人家はなく、老松が茂って昼も薄暗いような場所で、得体のしれない妖怪が出て人々を怯えさせていた。この山の南方の弥勒寺村(中田町)に、剣道の心得のある豪胆な米三という若者がおり、化け物退治を決意した。病臥している妻を理由に家人が引き止めるのも聞かずに出かけ、松の大木にのぼって見張っていると、使いの者が「妻が命を落とした」「出棺だ」と迎えに来た。米三はそれを怪しみ、もし本当だとしても、どんなことがあっても退治するまでは家に帰るまいと決心したので我慢して帰らなかった。暫くすると我が家の方向から弥勒寺の方へ妻の葬儀と思われる提灯の行列が見えた。妻の亡霊とおぼしき白いものが飛んできて、恨み言を言い足元に手をかけるばかりになったとき斬り払うとギャッという叫び声がして、ドドッと転がり落ちる響きがした。朝になって降りてみると夥しい血溜りがあり、血痕が北上川まで続いていた。家の妻は生きており、それ以後怪異はとまったという。
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ジゾウサマ,オニ
1934年 秋田県
昔、爺様が山へ柴伐りに行ったとき、転げた握り飯を地蔵に食べられてしまった。地蔵は爺様を鬼が博打をしているところに連れて行き、財宝を手に入れさせた。隣の爺様が真似したが、鬼に見つかって半殺しにされた。
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キツネ,ヘンナモノ
1926年 長野県
米屋の隠居が祭りに行った帰りの夕方に土産物が重くなったので持ち帰ると、変なものが見えた。歩いていたら方向がわからなくなった。やっと家に着くと土産物はなくなっていた。狐の仕業である。
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キツネ
1976年 新潟県
酒を飲んで隣村から帰ろうとした男が、母親に化けた狐に騙されて「ソバをくえ」といわれて、ミミズを食べさせられていた。家の人が捜しに行くと、野原に一人ぼっちでいた。
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ジゾウサマ
1956年 宮城県
昔、仲の良い老夫婦がおり、毎朝必ず神仏を拝んでいた。大晦日に銭が300文ばかりしかなく、神様に上げるものさえ買えないくらいだが、爺は少しでも何か買おうと町へ出かけた。途中、道端の地蔵様が雪まみれになっていたので、爺は自分の笠を被せ、腰の手拭いをさいて笠が取れないようにしっかり結びつけ、そのまま町にいくのをやめて帰ってきた。婆もその話を聞いて喜んだ。家にある物で神仏にお供えして寝ていると、夜半過ぎに見知らぬ人がきて、薪を置いていった。神様が持ってきたかと、夫婦はその人が行った方向を拝んだ。次の朝、薪を焚こうとして木を切ると中から大判小判が出てきた。そういえばその人が被っていた笠と手拭いが爺のといっしょであり、さては昨日の地蔵様が、と2人は地蔵様の方をしばらく拝んでいた。
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イタチ,オンナノスガタ
1952年
一人の若者が使いの帰り薄暗くなってから、隠里の道を通ったが、急に喉が渇いた。するときれいな女が大盃に満たした水を持ってきた後、姿を消した。イタチが女に化けたという。
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ヤマオナゴ
1992年 宮崎県
男が山仕事を終えて帰る途中、笠を飛ばされて薮に入ると、足元までの長い髪をした、白衣の女がケタケタ笑っていた。ヤマオナゴだと思い、とっさにキセルを構えて身構えた。女は身構えると下がり、退くと近づいてくる。これを繰り返して村まで近づいたら、ようやくあきらめて帰った。男は恐怖のあまり、人が変わったようになってしまったという。
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キツネ
1984年 大阪府
お宮の供物を狐がとりにくるので、ある男が番をしていると嫁がくる。嫁は男を帰宅させようと色々と言うが、暗いのに顔がはっきり見えるので、狐にだまされていると気づく。男はだまされまいと耳を貸さなかったが、ベッピンさんになって出てきた狐が「あんたはだまそと思っても、だまされん、ほうびをやる」と言うのに、とうとうだまされてしまった。松島の遊郭に行き、ご馳走や風呂にありついたつもりが、朝には野壷に入っていて、供物も取られていた。
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キツネ
1967年 茨城県
用心深い男が、古狸が化けて出るという所を歩いていると1人の婦人が現れた。一緒に歩いていると、女が家に入っていった。馬糞を入れた包みを渡しているので、様子をうかがっていた男が飛び出していくと、そこは家ではなく池であった。
類似事例

ユウレイ,オンナ
1982年 新潟県
夜ふけの渡し場で、川向うから女の声で、オウイ、オウイと呼ぶ声がした。船頭がいってみると、人影は見えない。乗るように促すと舟が重くなり、誰かが乗ったようだった。川を渡ってから降りるようにいうと、舟が軽くなったような気がした。船頭が、こんな夜ふけに舟を出させておいて、あいさつもなくというと、首に縄をぶら下げ、目の玉のとび出た、まっさおな顔した女が長い髪を前にたらした姿で現れ、菩提寺へ行くといって草むらへ消えた。
類似事例

キツネ
1987年 山形県
ある男が酒を飲んで入有屋集落から柳原集落へ帰る途中、奥さんが重箱に御馳走を詰めて迎えに来たが、金歯の位置が本物と違ったので狐と気づいた。煙草をふかしたら、狐は火が嫌いなので逃げていった。その場所は集落の間で化かしやすいらしく、よく狐が出るところ。
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ヤマオトコ
1989年 長野県
大鹿村の北方に地獄谷という場所があり、人間や動物の骨がそこかしこにある恐ろしい場所だった。ある時、そうさくじいが肝試しがてらそこに木を伐りに行くと、良いさわらの木がたくさんあったので、小屋をかけて桶皮を取っていた。ある月夜の晩、山鳴りがして何か近づいた来たが、何もなかった。次に山奥から音がして、山男が小屋の前に立ち、「これを食え」と女性の片腕を放り込んできた。驚いたそうさくじいは夜明けを待って家に逃げ帰った。
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