オクリイヌ 1936年 岐阜県 昔上ヶ洞にて夜山道を帰る人がいた。山犬に送られて気味悪くなり酒店に入り、山犬がいなくなったので帰ったと思い酒店を出たが、また山犬が来たので急いで自宅に帰り、塩一掴みを戸口において「ご苦労だったがこれで帰れ」というと山犬は帰った。山犬に送られるときに倒れると山犬の害を受けると恐れられている。
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ヤマイヌ 1991年 静岡県 山中で使い終わった箸が食いちぎられていたら、山犬が塩をほしがっているので、気をつけなくてはならない。
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ヤマイヌ 1991年 静岡県 山犬の遠吠えを聞いたら、家の表に塩を出しておかなくてはいけない。
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マモノ,ヤマイヌ,(ゾクシン) 1988年 長野県 塩を買って帰るときは、山犬あるいは魔物がついてくるのでできるだけ午前中に買って帰れという。もし夜に家に入る場合は、塩の上に火をのせて入れという。
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ヤマノイヌ 1935年 愛知県 山の犬の好物は塩なので、晩に塩を持ち歩く時、山の犬の苦手なオキ(真っ赤に燃えた炭)を添えて移動する。
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オクリオオカミ 1992年 奈良県 明治2・30年の頃、夜遅く帰ってきたら、送り狼がついてきた。倒れると飛びつかれるので、気をつけてゆっくり歩いて帰った。家の入り口についたら、家の人に塩をまいてもらった。狼は塩を舐めて、去っていった。
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ヤマイヌ,コエ 1943年 長野県 山に行く途中で鹿を拾い、近くの人に振舞っていると、遠くから山犬のほえる声が聞こえた。怖くなったので、翌日残りの肉に塩を沿えて拾ったところに捨てにいった。そうすると山犬の鳴き声が聞こえなくなった。
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ヤマノイヌ 1935年 愛知県 山の犬とは知らずに石を拾って投げつけたら、山の犬が後をつけてきた。山の犬に詫びたらいったんは姿が見えなくなったが、家に帰る戸と間口に座っていた。仕方がないので太刀の下緒を与えると、山の犬はそれをくわえて姿を消した。山犬は刀の下緒を投げると切れるともいい、山犬は剣術が好きなので、刀を抜くと集まってくるとも言う。
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ヤマイヌ 1933年 愛知県 夜道を狼に送られた時は、帰宅後、御苦労様と労いの言葉を言い、必ず塩を与えるものだとされている。
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ヤマイヌ 1991年 静岡県 山犬が食い残した獣をイヌオトシという。イヌオトシを無断で持ち帰ると山犬が怒る。山犬は塩好きなので塩を与えるといい。
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オクリオオカミ 1987年 奈良県 送り狼は、人間の歩いている後ろについてきて、送ってくれるという。送ってもらった時には、必ず入り口に塩を振らなければならない。狼は塩が好きだからである。
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ヤマイヌ,ヤマノカミサマ 1941年 福島県 夜に歩いていると、昔はよく山犬が出るので、腰に火縄を提げて歩いた。また、山の神様(山犬のこと)によく憑かれる人がいた。その時は小豆飯を出すと、山犬は食べて帰っていく。頭の上を飛び越す時にする小便が目に入ると目が潰れるので、山犬が付いて来たら下を見て歩かなければならないという。
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オクリイヌ,ヤマイヌ 1929年 愛知県 煙草を喫みたくなった男は、路傍で煙草を吸っているものに火を借りようとしたが、実はそれは山犬であった。目を火のように怒らせていたのを見た男は、一目散に山を駆け下りていった。送犬につけられたときは、倒れたり転んだりすると食いつかれる。家に着いたときは草鞋の紐をちぎって「ご苦労様」と言って投げてやられば、送り犬は去らないという。
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ヤマイヌノオンガエシ 1941年 岐阜県 昔、ある老婆は口に猪の骨が刺さっていた山犬を助けたが、家に帰る途中で、その山犬はお礼に猪一匹の死体まで案内してくれた。
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オオカミ,(ゾクシン) 1939年 和歌山県 狼が人の家までついてきたときには、何もやらずに帰してはいけない。塩をやれば喜んで帰る。いじめると仇をする。送り狼である。
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オクリヤマイヌ 1976年 長野県 送り山犬がついてきた。後を振り向くといけないので振り向かないで家まで来て、山犬に食べ物とお礼いって帰した。
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ヤマイヌサン,マドウ 1941年 徳島県 山で魔道にとりつかれた時、「送っていってつかわれ」と頼んだら、山犬が家まで案内してくれるという。その時、自分と犬の間を二間ぐらいあけて、犬が座ったら自分も座らなければならないという。お礼に小豆の煮物をあげなければならないという。
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ヤマノイヌ(ゾクシン) 1932年 愛知県 もし、山の犬に送られた時は、草鞋の紐を切って犬に与え、「山の犬送れ……」の歌を唱えれば去って行くという俗信。
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ヤマイヌ 1987年 岐阜県 遅く帰ると山犬が送ってくれる。家に帰って足を洗って足の裏を見せると行ってしまう。
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ヤマイヌ 1984年 山梨県 静岡までの中道往還を馬に魚を積んで通っていたお爺さんがいて、いつも山犬に魚を1匹ずつあげていた。あるとき、その山犬がしきりに藪の中に引っ張るので馬とともについていくと、山犬の群れが道をバーッと通った。恩返しだった。家まで山犬が着いてきたときには、鍋蓋をひっくり返してご飯を盛り、食べさせればもうついてこなくなるという。
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