カイジュウ 1980年 秋田県 上仏社集落の梨の木岱ということろに、ガニ沼という沼があって、そこに正体不明の生き物がいる。お神酒を供えて米糠を捲くと、人が帰ったあとにその生き物が米糠を食うと言う。
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ウマノヒヅメノアト,カミサン 1980年 広島県 滝ヶ谷にある岩盤の一つには、人の足跡に似た窪みが付いている。さらに下流にも馬の蹄の跡に似た窪みもある。土地の人はこれは神さんが通った時に鳥の糞の上にある米を食べるために降りた跡だと伝えている。
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ガワッパ,スイジンノツメガタ 1970年 熊本県 茂原部落では茄子が出来るとイドガミサンにあげるというが、もしあげないと畑の茄子に全部水神の爪形がつけられるという。またカワマツリといって8月の彼岸に餅をついて川にあげる。川にはガワッパがおり、春と秋の彼岸に入れ替わりをする。ガワッパは馬の足跡に水がたまると千匹もその中にいるという。また水死事故も多くあり、ガワッパの仕業という。
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(エエジャナイカ) 1977年 ある乙酉の年に、難波や奈良など畿内各地で、妖霊の言葉を言いふらして諸人が狂ったようになり、老若男女数万人がそろって伊勢へ参宮した。それと同じ頃に伊勢で降った大豆が大麻に変わったり、中島郡吉藤村に麻筥が降ったり、知多郡有松村の童子の背中に大麻が降りかかったりしたという。それは三州や濃州や遠州や駿州でも起きた。
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タノタタリ,タシロノカミ 1971年 京都府 村と村の境にある三日月形の小さい田は、地頭も祟りがあるといっているが、作らないと二村に祟りがあるという。ふたつの村の尼が身を清め別火をしてつくった。この米は伊勢の御神の初穂にあげる。池を田代の神と伝えている。
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(ゾクシン) 1973年 三重県 旧椿村・庄内村の俗信。秋に田植えの夢・時期はずれの瓜の夢・田作りの夢や柿が実っている夢を見ると、家人が近いうちに死ぬという。魚の目が手の中にできると、家人が死ぬといわれている。水に溺れて死にそうな人に唐笠を焚いて当たらせると生き返るといわれている、など。
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ヒダルガミ 1931年 奈良県 元文元年、ある老翁が郡山町の新墓という火葬場の近くでヒダル神に憑かれた。手のひらに米という字を書いて舐めたから、命だけは助かったという。
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カミ,アシアト 1987年 広島県 岩に人の足跡と馬の蹄に似た窪みが付いている。神さんが通った時に落ちている米を食べるために降りた跡だという伝説がある。
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ムシオクリ 1956年 宮城県 旧六月二十日の虫送りの時、米を紙に包んだものを笹に吊り下げる。これを子供らが「虫送り、虫送り」と唱えながら川に流す。その帰り道に後ろを振り向くと虫が戻ってくるという。また、午後に虫送りをするとやはり虫が戻ってくるので、午前中に川に流すという。
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(ドウブツニカンスルジュホウ) 1956年 宮城県 鼬(イタチ)の鳴き声を聞いたら赤飯を炊く、殺した蛇の腹を上にしておくと雨が降る、亀に酒を飲ませて放すと大漁になる、などといわれる。
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コイ 1975年 京都府 丹波国並河村の鯉大明神の使いは鯉である。毎月大堰川を下って松尾明神へ使いに通うという。鯉大明神の氏子の者は、鯉を食べるとたちどころに口の中に腫れ物ができる。これは八幡の氏子が鳥を食べたり、春日の氏子が鹿を食べたりするのと同じ類の事である。
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(ゾクシン) 1979年 徳島県 宍喰町の俗信。斎藤別当実盛が稲に足をとられて転んで殺されたとか言い、実盛が虫になって稲に害を及ぼすようになったので、旧5月20日にサデモリ(虫送り)をする。雨の日に生まれた子供は、結婚式や葬式にも雨になるという。山で立ち枯れている木は、山の神が小便をかけて枯らせた木だから、切ってはいけないといわれている、など。
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カッパ,カッパノショウモン 1982年 新潟県 清水弥五郎家に河童の証文が伝わっている。何代か前のじいさんが馬を青海川に入れて洗っているときに河童の腕を手に入れた。その夜河童が腕をもらいに来たので、以降、青海の子供に悪さしないという証文を持ってこさせ、それから青海に水死人は出ていない。また、次の朝から弥五郎家の垣根の木の股に生魚が届けられたが、そこを鉄かぎに換えたらもう魚が来なくなった。その後、大不作があったが、この家だけは食べ物に困らず、河童のお礼だろうといわれた。
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ヘビ,イケノヌシ 1970年 鳥取県 摩尼山の近くのお種ヶ池には弁天様を祀る。長者の娘のお種が下男と仲良くなり、池の中洲から毎日さと柿を取って来て男に食べさせたので、男がいぶかしがると、お種は池に身を投げた。家人が鐘太鼓で池の周りを探すと、お種が蛇になって現れた。男もその池に身を投げた。お種の髪の毛は先が三股になっていて、裂いたら血が出たという。それは蛇の気のある女だったのだ。お種が池にはドジョウがたくさんいた。兵隊に行く人の祈願にそのドジョウをあげると、必ず生きて帰ったという。
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ダラシ 1920年 長崎県 千々石から島原へ向かう古道、平石の道中にあるノトンの坂付近では、昔からダラシが憑くという。あるときノトンの坂と反対にある平石と魚洗郷との間の坂(名称不明)の山道で男が腹を押さえて座っているのを見かけた。弁当を食べさせるとすぐに元気になった。弁当は一口二口食べさせて残りは藪の中に捨てた。ダラシに憑かれたら何でもよいから食べ物を食べて残りを付近に捨てると離れるという。また、食べ物がないときは、手に「米」という字を指の先で書き、嘗めると元気になるという。これらは昔旅人が餓死し、それが祟るためだとされる。あるいは平石観音の下の辺りで何人かが首を吊っており、それが祟っているという話もある。
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オニ 1989年 三重県 節分には但馬ではヤゴサシといって、新しい箸やオガラの先に鰯の頭とカヤバをつけ、戸口や窓に挿す。そうすると鬼が魚を食いに来てもカヤマツで目を突き死ぬという。三重県多気郡大杉谷では鬼のハナツキと呼んでいる。
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(ウルシノミノヨウナモノ) 1982年 享保18年、水口より伊勢路にかけて、大豆に似て平らで小さな漆の実の様な物が降った。木曽路ではこの実を粉末にして米に混ぜて団子にして食べると言う。江戸道中にはだいたい降ったと言う噂である。
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イヌガミモチ,コウボウダイシ 1954年 高知県 高岡郡黒岩村の伝承では、憑物は弘法大師が印度から麦種を持ち帰るときに日本に入ってきたとされ、麦を作る家には必ずいて、祈り不足の家から出ると言われていた。また、原因不明の病人が出たり、絶え間なく病人が出たり、豆腐を作るときに大豆が煮えなかったり、籾ずりの最中に唐臼が廻らなくなったりすると、犬神に憑かれたと言う。
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イタチ 1940年 徳島県 阿波の俗信。夜にイタチが鳴くと、火が高ぶるといって大黒柱に水を掛けるという。
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カッパ,ミズカミ 1953年 東京都 茄子の初物を水神様に供えないと、畑の茄子全部に爪の跡がつく。江戸では川近い民家では子供が川で河童に尻子玉を抜かれないように、好物の胡瓜の初物に家族の名前を書いて流す。
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