ジゾウ 1923年 静岡県 博徒が勝負に負けて歩いていたときつまずいた石を地面にたたきつけた。すると夢枕に地蔵が出て「なぜ俺に石をたたきつけたのか」という。その地面を掘り返してみると地蔵が出て、それを供養したところ、勝負に負けなくなった。
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イワガミ 1976年 京都府 下の石神にある岩を高松殿へ引いた。夜な夜な光るので高松殿の乳母の所縁の、今、上京の石神寺の坊主に与えた。
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ゴンゲンサマノタタリ 1964年 秋田県 Aさんの内神の御神体のささら獅子の念が移った石は長い間土中に埋まっていた。Aさんの長男が頭病みのため、サイドウニンに見てもらうと、この石がずっとヒナギの下に埋まっていて頭を足下にされているたたりで、それを掘り出して欲しいといっているのだと占われた。焼け面の茶色の石で、心なしか目鼻や毛がついているように見えた。それを権現様として着物のかわりに布をかぶせまつっている。子どもが腹痛を起こしたとき、この石でまじなうと治る。
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ダキジゾウ,オモカルサン 1981年 愛知県 岩屋寺本堂お賽銭箱のわきに小さなお地蔵さんが見える。頭巾を被り前掛けをして重ね布団に座っておられる。この地蔵さんを信者たちは抱き地蔵さん、「おもかるさん」とも呼んで信者達が願い事を頼み抱き上げ重い軽いによって結果をはかる。願い事が叶う時は軽々と上がり、そうでない場合はどうしても上がらない。
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(ゾクシン) 1979年 静岡県 鮎釣にある地蔵は、病気をしたときに地蔵の石を1つ借り、悪いところを石で撫でると治るという。治ったら、年の数だけの石を河原から拾ってきて、借りてきた石とともに地蔵のところに置く。
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イシ 1978年 広島県 太郎左衛門という男は毎年安芸の宮島に詣っていたが、その帰り、船の中で袂に手を入れてみると小石が入っていた。海に投げてもまた入っている。夜に明神様が枕元に立った。村人はこの話を聞いてその石を祀った。この石は元は袂に入る小石であったのが、今は高さ一尺七、八寸、まわり二尺二、三寸にもなった。
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コイシ,サイセン 1956年 宮城県 鳥居の上、あるいは石像の上に小石を乗せたり、境内の池に賽銭を紙にのせて、願い事の成否や吉凶を占うという。また社殿や仁王像などに口で紙つぶてをうちつけたり、格子に左手で紙を結ぶなどの形式もある。
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テング 1977年 和歌山県 赤松氏の祖先の子が戸栗坂で遊んでいたところ、天狗にさらわれた。皆で探し回ると、奥の方にきれいな石があり、ハンチャがかけてあった。子供は見つからなかった。その石を今でも祀っている。赤松家は山田という人を養子に迎えたが、その人が和歌山へ越すときに石を持っていった。しかしどうも落ち着かず、石を持ってきた。石は高さが2尺くらい、巾1尺くらいで人の形のようである。
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ケイダイノイシ 1940年 三重県 志摩の俗信。子供の引きつけには、氏神のケイ石(境内の石)を10歳か15歳迄の期間を定めて、2つだけ借受け、水甕の底に沈め置き、甕を浄める毎に其石も洗浄め、制約期間が来たら、石の数を倍にして氏神に返すという。
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オヒメサマノイシ,ユメマクラ 1987年 長野県 祢津西宮(宮ノ入)の岩井堂内にあり,お姫様の大石という。祢津領主松平采女正忠節の奥方了照院の病はなかなか治らなかった。毎日神仏に祈っていたところ,ある日御仏が2体夢枕に立ち,病から逃れたくば大石を二つ探し,我々2体の像を刻んで祈るがよい,とのお告げがあった。采女正は大石を探させて釈迦尊と多宝尊の2仏を刻ませ,岩井堂に安置した。
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トラゴイシ,ジュウロウミガワリノイシ 1977年 神奈川県 昔、子供に恵まれない妻が弁財天に願掛けしたところ、ある朝、枕の下に美しい石があった。弁財天のお授けだろうとその小石を大事にしていると、妻は身ごもり女の子を産んだ。この小石は女の子の成長とともに大きくなり、後にこの子と結ばれた男の身代りとなったりもしたので、別名十郎身代りの石ともいう。
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オコロイシ,ワカザムライノシリョウ 1997年 長野県 下條さまの身内の若侍が病にかかって大変苦しんでいた。熱にうなされ石の上に身を横たえて亡くなった。人々はこの石には若侍の霊が宿っていると信じて、石を粗末にすると祟ると言い伝えた。
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マルイイシ 1983年 山梨県 山岸のAさんの家の亡くなったおばあさんは、西方寺の中に屋敷神として祀られているお地蔵さんの所で、丸い石を2枚重ねた座布団の上にのせて拝み、石の重さ軽さで体のぐあいを占った。
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バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
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カンノンサマノヤスミイシ 1987年 長野県 もとの親沢分教場の東の方の坂の途中にある石。昔,ある人が親沢の観音様を他へ移そうとした。ところが,この石の所まで来ると急に重くなって一歩も歩けなくなってしまった。この石に腰をおろして休憩し,さて出発しようとすると観音様がいない。もとのお堂へ行ってみると,観音様はちゃんと戻っていたという。何度担ぎ出しても同じ事が起こるので,百万遍数珠の親玉をはずして一緒に持っていくと今度は一気に坂を登れた。以後この石を「休み石」という。
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タニカゼノウシイシ 1956年 宮城県 仁王門のうしろにある牛形の石。霞目村の百姓弥右衛門の女房がみごもったとき、日本一の力持ちをさずかるように仁王に丑ノ刻参りをした。満願の日に恐ろしい牛が仁王の前に寝ていてたじろいだが、思い切って背中を踏み、お参りを果たす。生まれた子、与四郎が後の大横綱谷風で、仁王が石を牛に見せて谷風の母を試したのだという。
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イシカンノン,ヒカルタマ 1984年 長野県 尼僧が石を拾おうとしたが、小さいのに持ち上げられない石があった。その石から夜に青い光が出るので村人は怖がった。庄屋の主人の夢に老人が出て、石を手厚く祀るようにと言った。すると石は大きくなっていき、現在では手のいぼに効用があると言う。
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エンキリノマジナイ 1964年 福島県 鎮守の下にある橋場のばあさんのそばの石の小さい宮に、よく切れるはさみを供えると縁きり、さびたはさみを供えると縁が切れないという。
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ゴゼンサマ 1970年 福島県 二瓶吉井さんの御先祖が伊勢参りに行ったとき、奇妙な石を袂へ入れてもってきた。床の間においておいたら、だんだん育ってきたので、御前様として祀った。背が高くなりたい人は、4月1日にオンガラ(麻柄)を持って詣でるとよいという。
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ドロクジン,ドウソジン 1940年 岩手県 高さ50センチメートル、周囲80センチメートルほどの男根様の石が道祖神の宮の後ろにあり、これが御本体だが、10年ほど前に五・六年間行方不明になっていた。ある時、ある婦人が急に熱病にかかり、掘り出してくれと騒ぐのでノリキに拝んでもらったところ、衣川に道祖神があるのでそれを元のところに戻さないと大変なことになるという。道祖神を見つけて納めたところ、病人も治ったという。
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