ユウレイ 1994年 鳥取県 話者の家の何代か前の先祖が、夜石橋を通ると行き倒れた侍が幽霊になって出て、「成仏したいが頭を剃れなくてできない」というので、次の晩に行って剃ってやったら、お礼にお灸の妙技を教えてくれた。これが話者の家に伝わる「のどけの灸」である。
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バケデラ 1975年 山形県 清流山宝蔵坊という山伏寺に山伏が一夜の宿をとったところ、夜半にざらざらと顔を撫でるものがあるので見ると女が髪をゆっくり梳いていた。あるときは夜着の上にどっかり女が座していた。また、起きたときに反対に臥せていることもあった。
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(ゾクシン) 1973年 香川県 自分の主人や息子など大切な人が病気になって助かりそうにもないとき、あるいはどうしても祈りを叶えてほしいときは、女性は薬師堂に髪の毛を切って供えたという。
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キビョウ,カミ,チ 1976年 東京都 江戸に髪の長い女がいた。毎月3,4尺切るのだがすぐ元に戻ったので、髪を剃って尼になった。また、夜になると髪がひとりでに動く婦人がいた。この髪を切って熱湯に入れたところ、髪は忽ち血になった。
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(タヌキ) 1982年 群馬県 茂林寺に守鶴という納所がいて、寺に大衆が集ったときには大茶釜で1000人の湯茶をまかなったりした。ある日昼寝していて正体がばれ、寺を辞して姿を消した。それ以来諺に、おかしい事を「ぶんぶく茶釜に毛が生えた」と言う。
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ヤマジョロウ 1990年 香川県 昔、権太という猟師が屋まで野宿をしていたら、山女郎の親子がいて長い髪をしていた。権太はおそろしくなり、八幡大菩薩に一生猟はしないからお助けくださいと拝んだ。すると山女郎は姿を消してしまった。
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ユウレイ 1976年 山口県 寺に女の幽霊が来て、供養して欲しいという。和尚が証拠をと言うと、髪の毛を三本置いていった。
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ジゾウボサツ 1974年 東京都 深川の地蔵坊正元は16歳で剃髪受戒したが、25歳に病気で死にかけた。その時正元は地蔵ぼさつに祈願して、父母よりも先に死ぬ事がなければ、生涯菩薩の利益を勧め、尊像を造り、衆生を帰依させると誓ったところ、その夜不思議の霊験によってたちまち平癒したという。
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クルカニザーシ,ミミチリボージ 1929年 沖縄県 僧侶黒金座主は荒淫で幻術を悪用して罪深く、国頭(くんちゃん)の金武(きん)に追われた。彼は懲りずにここでも美しい娘をみつけると、彼女の弟から髪の毛をもらい振り向かす為に呪文をかけた。だが悧巧な娘なのでそれを見破り、母から聞いた呪文を防ぐ方法、籠の目を通して髪の毛を一本渡したので助かった。黒金座主はのち死刑にされ、その怨霊は耳切坊主となってさまよっているという。
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ギョウキ,テング 1952年 静岡県 光明山は夜、常に霊光を放つので「大鏡山」ともいう。行基菩薩が登山した際、白髪長髯の老人に出逢った。何者かと問うと、笠鋒坊権現と名乗り、火防の守であると答えた。これが行基菩薩と先明天狗笠鋒坊権現の開創ということになる。
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ウバ 1937年 岐阜県 昔々、月夜の晩に高い山のてっぺんから姥が淵へ頭を浸して髪を洗ったという。
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オヤノユウレイ,(ゾクシン) 1915年 熊本県 手足の毛を剃ると親の幽霊を見るといわれている。
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ゴミシロウザエモンノツマ 1961年 山梨県 慶長年間の頃、五味四郎右衛門の妻は、生涯を通じて湯を嫌って水を用いてきたので、人々に竜女といわれた。また、この人は陰毛が竜神となる前触れの毛の丈だった。この一子は出家させられたが、それが日実上人だという。その後、婦人は妙な霊夢を感じて陰毛を3筋切り取り、女に与えて我に祈願をすれば、水難をのがれ、安産になるようにする、もしこの祈願に偽りがあれば、何年か経って不思議なことがある、その時には身延の常経と御嶽山と妙伝寺に必ず献納するようにといい、雨がはげしく降る日に釜無川に消えるように入った。その長毛を子安大明神として帯那の妙伝寺に祀ってある。
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シチナンノソソケ 1976年 茨城県 東弘寺という一向宗の寺には什物が多く伝わっている。その中に七難揃毛というものがある。色は五采で長さは4尺余りある。何の毛かはわからないが、近江国竹生島、信濃国戸隠山にも同様のものがあるという。伝えによると、昔七難という名の異婦がおり、その人の陰毛であるという。
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カミノケ 1980年 秋田県 天明年間に、出羽国秋田郡湊に三浦元春という医者がいた。ある淋病にかかった妓女を治療したところ、数日後にこぶし大の塊が陰部から下った。その塊物の中は髪の毛だったという。その後も何度か小さい塊が下りてくるが、それも髪の毛だった。
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モノノケ,ヤクシノレイゲン 1977年 千葉県 房州勝山で薬師を信心している下女がある日髪を梳いたところ、火焔がはらはらと落ちた。主人が気味悪がって追い出したが金持ちの妻になり子供を多く産んだ。また、夢想を受けたと、病人をまじなうと回復し、門前に病人の市ができた。
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ケ,オヤ,ユウレイ,(ゾクシン) 1915年 熊本県 手足の毛を剃ると親の幽霊を見るという。
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バケツバキ,ヤオビクニ 1990年 愛知県 万願寺に「化椿」がある。大木で7枝にわかれている。八百比丘尼がここに住んで入定したという椿だという。
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タワラヤクシ 1979年 鳥取県 嘘つきが嘘をついて目の悪い人と長者を殺して財を得るが、蔵の米俵から石の仏像が出てくるので改心し、剃髪してその仏像を祀ったという。
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コミ 1975年 ある人の妻が服を脱がないので、それを怪しんだ夫が、妻の寝ているときに服を脱がした所、野狐の尾のような3尺の毛があった。ゆえに夫が妻を追い出したら、妻は刀で夫の髪を切り逃げた。隣人がこれを追うと妻は狐に変じ逃げ去った。その後京邑では髪きりが流行った。熈平2年4月に始まり秋に止んだ。
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