ネコ,バケモノ,アクヨケ 1993年 鹿児島県 猫は猟師がいくつ弾丸を作ったかを知っていて、打ち尽くすと化けて出る。だから、猟に行くときは鉄の弾丸を一つだけ別にバンドの端のほうに用意する。化物をこの弾で撃ったら、自分の家の飼い猫だったということがあったという。
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ネコ 1973年 三重県 ある猟師が家で飼っていた猫は、ずいぶんと年だった。あるとき、猟師が仕事に行ったところ猫がいた。猟師はそれを撃とうと思い、元から一発入っていたところに玉入れをした。猫はそれを見ていた。猫を撃つと、猫はそれを茶釜の蓋でことごとく除けた。猟師は元から多めに入っていた一発で玉切れだと油断していた猫をしとめた。倒れた猫を拾いに行くと、それは自分の家の猫だったという。猫を長く飼うと、化けて出ると言われている。
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ネコ 1931年 鹿児島県 昔、狩が好きな武士がいた。その家には猫がいて、奥方によくなついていた。ある日、主人が山に狩に行くと、奥方の使いという女中がやってきて、家に帰るように告げた。女中がひとりできたことを怪しんだ主人は、化け物に違いないと思って女中を鉄砲で撃ってしまった。死体は見つからず、家に帰ると胸を撃たれた猫が血まみれで倒れていた。
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チャガマ,バケネコ 1941年 不明 ある猟師が茶釜の蓋をきせるのを忘れて山へ出た。すると家にいた猫がその蓋を持って化けて山に先回りした。猟師が鉄砲を撃っても化猫は茶釜の蓋で弾をよけてあたらない。猟師が南無阿弥陀仏を切り込んだ祈りの鉄ダマをうつと、茶釜の蓋は割れて化猫をしとめることができた。家の猫が殺生をやめさせようとしたのだとも。
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バケネコ 1956年 宮城県 明治初年頃,山地の部落の老マタギ源左衛門が翌日の猟の準備をしている時,トラ猫が炉辺でその様子を見ていた。翌日猟に出かけ,夜が迫ってきたので急ぎ足で下りてくると,見慣れない一軒家にたどり着いた。離れた所から窺っていると,老婆が恐ろしい顔でこちらを見た。化生の物と思って銃で撃つと,手応えがあったのに老婆は平気な様子であった。源左衛門が弾丸を全て撃ち込んでしまうと,老婆が「もう弾丸はあるまい」と言う。源爺は腹掛けに秘蔵していた命弾をそっと取り出し,今度は行燈目掛けて撃ち込んだ。すると悲鳴が上がって灯も小屋も一瞬に消えてしまった。源左衛門が翌朝未明に現場に行ってみると,骸は人間の老婆の姿をしている。しかし,やがて朝日と共に大猫が正体を現した。よく見ると我家の古猫らしい。果たしてトラ猫は昨夕から見えないということであった。
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ネコ 1965年 高知県 殺生人が猫の前で鉄砲の弾こめをしていたら、猫が先回りしてきれいな娘に化け、糸を引いていた。いくら撃っても当らない。嫁の助言で糸車の芯を撃ったら、猫は死んだ。猫の前で弾丸をこめてはいけない。
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ヤマネコ,ヤマノカミ 1991年 香川県 真夜中に焼き上がった炭を出そうと働いていると、猫の鳴き声が聞こえる。声は急に大きくなり、きっと山の神さんに脅かされたのだと思って、以後は真夜中に山仕事をするのをやめたという。
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バケネコ 1937年 兵庫県 猪猟師が夜打ちに出ると、猫が女に化けて呼びに来て殺そうとする。猟師が12本の矢を射ると鍋のふたでかわす。猫やが知らなかった隠し矢で猟師が射ると命中し、家の軒下で死んでいた。
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ヤマガミサマ 1973年 富山県 猟の時の銃の弾は鉛製であった。たまは一度獲物を仕止め、その体内に残ったのを出し、新しい鉛に混ぜ、イリナベで溶かし、鋳型に流して作る。古いたまを混ぜると「山神さまの獲物を余計とれるようにしてくださる」と言われていた。
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バケネコ 1933年 熊本県 あさごぜという老婆が飼っていた猫が化猫になり、老婆を食い殺してこれに化けていた。漁師を食い殺そうとしたときに、撃てば必ず当たるという切り矢という銃弾え負傷し、正体を見破られた化猫は山へ逃げた。家の床下には老婆の骨が捨てられていた。
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ネコ 1956年 東京都 牛飼いが魚釣りに行った夜半、戸外で物音がして人を呼ぶ声がする。猫の仕業と悟って鉄砲で撃った。太い尻尾が二本ある大猫が死んでいた。牛飼いもまもなく変死した。
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サル 1976年 三重県 賀州の山中で猿が常に丸いものを持ち歩いていた。ある人が銃で撃ってみると、それは木の葉で幾重にもくるんだ1個の弾丸だった。
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ヤマネコ,ヤマイヌ 1976年 愛媛県 銃の名手左衛門が、山猫の住む「入らずの森」を開拓した。山猫は手出しができずにいたが、ある日娘が一夜の宿を求めて来て、左衛門は共に暮らした。ある日山犬に襲われた飛脚が「山猫の棟梁が左衛門のところに行っていなければ」と言うのを聞く。それが左衛門の耳にも入り、ついには正体を現した古猫をしとめる。
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ネコ,ヒノタマ 1962年 島根県 まえやまの旦那は毎晩鴨おどしに出かけていたが、飼っている猫は旦那を捕まえようと画策していた。猫は夜に集まって踊りを踊っていた。ある夜火の玉に矢を射ると、猫の目玉から首へ突き抜け、後には猫が家から持ちだしたやかんの蓋があった。
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サンチュウノキ 1976年 群馬県 ある、殺生好きな侍が、草履取りと共に山に小屋を掛けて狩に入ったが、獲物が獲れそうになかったので下山しようとしたところ、山の奥からざわざわと音がして、大きな火の玉が小屋に向かってきた。侍が弓で射ると、鉄球にあたったような音がして火は消えた。その後、家まで帰ると侍の母親が怪我をしたという。母の部屋に行くと、侍が射った矢が落ちていたので、草履取りと共に押さえつけた。暫くはうめき声が聞こえたが、やがて静かになったので、見てみると、夜着以外何もなかった。家人も消えていた。
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ネコ 1962年 島根県 漁師が烏賊を取って夜遅く帰って、まず持てるだけ持って帰りまた取りに行くと船の中にはもう烏賊がなくなっていた。猫が捕っていったので山へ行くと猫が石を投げてきた。
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ダイジャ,ネコ 1974年 和歌山県 猟師が、山の上から猪を追いかけてきて、猫淵に追い込んだ。ところが、猪の姿が見えない。猟師が淵に呼びかけると、大きな蛇が猪をくわえてあらわれたという。あらわれたのは猫であるとも言われる。
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ヤマオトコ 1989年 長野県 ある猟師が谷に入って一日仕事をしていたが、獲物を捕れなかったので山小屋に帰ろうとしたところ山鳴りがして山男が出てきた。山男と戦っている内に鉛玉がつきたので金の玉を込めて撃とうとすると、「それをすると死んでしまうので仲直りをしよう」と言い出した。結局山男が負けたことを言わない代わりに、山に行くたびに猟を分けてくれることになり、その時は1人で来いということになった。後、他の猟師が「どこで猟をしているのか」と問うのに言わないでいたら、子供に口のきけない子が産まれたという。
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ヤマオトコ 1989年 長野県 ある猟師が谷に入って一日仕事をしていたが、獲物を捕れなかったので山小屋に帰ろうとしたところ山鳴りがして山男が出てきた。山男と戦っている内に鉛玉がつきたので金の玉を込めて撃とうとすると、「それをすると死んでしまうので仲直りをしよう」と言い出した。結局山男が負けたことを言わない代わりに、山に行くたびに猟を分けてくれることになり、その時は1人で来いということになった。猟師は幸せに暮らしたという。
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フルダヌキ,キレイノムスメ 1964年 山梨県 狩人が魔の山というはじめての山へ狩に行った。見たことのない足跡を追っているうちに日が暮れ困っていると、「ほーい」という人の声がするので行ってみれば、頭にローソクを立ててタホを織っている娘がいた。気味が悪くなって鉄砲で撃つが、娘は弾丸を手でつかんで捨てる。最後に一発残しておいた玉で頭のローソクを狙い撃つと、急に夜が明けて、岩の上を見ると十貫目はある古狸が死んでいた。
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