イノシシ 1989年 奈良県 8月15日産まれの犬を連れて体に笹の葉の生えた猪を追っていたが、逆に追いかけられたので逃げた。次の機会に、この猪を撃ち取ったという。笹の生えた猪は猪笹王のことなのか、劫を経た猪のことなのかは聞き漏らした。
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オオカミ 1981年 和歌山県 炭焼きのかけた猪罠に狼の子がかかっていたので助けてやったら、翌日、狼が猪を罠に追い込んでくれた。
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タタリ,ヤマノカミ,クロウシノヨウナカイジュウ 1936年 兵庫県 1900年ごろの1月9日、某氏が山神祭の日であることを忘れて山へ猪猟をしに入ってしまった。猪の通る場所で一服していると、前から猪が1頭やってきたので、狙いをさだめて引き金を引こうとすると、猪の姿は消え、大きな黒牛のような怪獣が現れた。それだだんだんと大きくなっていったので、死に物狂いで逃げ帰ったという。
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ヤマノカミノテンバツ 1983年 山梨県 猟の好きな人が富士の裾野で猪を仕留めそこなって、向かってきた猪を抑えているときに、これで猪は終わりにするから勝たしてくれと山の神様に祈った。それで勝って猪を持って帰ってきたが、約束を棚上げにしてしまった。帰ってこないので探しにいったら、雪の中を立ち往生していた。山の神の天罰である。
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バケネコ 1937年 兵庫県 猪猟師が夜打ちに出ると、猫が女に化けて呼びに来て殺そうとする。猟師が12本の矢を射ると鍋のふたでかわす。猫やが知らなかった隠し矢で猟師が射ると命中し、家の軒下で死んでいた。
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イノシシ 1957年 愛媛県 城辺町中緑太衛門駄馬の小西家では、猪を殺して祟られ、山の神として祀ったという。昔、猪が秋の稲をねじこんで害がひどいので、猪穴を田の側に掘って殺したところ、祟ったという。
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ネコ 1973年 三重県 ある猟師が家で飼っていた猫は、ずいぶんと年だった。あるとき、猟師が仕事に行ったところ猫がいた。猟師はそれを撃とうと思い、元から一発入っていたところに玉入れをした。猫はそれを見ていた。猫を撃つと、猫はそれを茶釜の蓋でことごとく除けた。猟師は元から多めに入っていた一発で玉切れだと油断していた猫をしとめた。倒れた猫を拾いに行くと、それは自分の家の猫だったという。猫を長く飼うと、化けて出ると言われている。
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イノシシ 1941年 朝鮮 龍岡の三和府の近くにある金塘面の後の山には黄金色の猪が住んでいたという。ある府尹が猪に捕らえられ、仕事の手伝いをさせられた。猪が府尹の恐ろしいものを尋ね、府尹は餅と答えた。猪は餅を入り口に置き出掛けていき、府尹はそれを食べた。猪は鹿の皮が恐ろしいというので、府尹は持ち物の鹿の皮で猪を撫でると猪は寝てしまった。そこで宝物を皆持って家に帰った。
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イッポンアシ,イノザサオウ 1988年 奈良県 伯母峰の猪笹王という大猪を射場兵庫という鉄砲撃ちが倒した。猪笹王の亡霊は紀州湯の峰の温泉に野武士に化けて湯治に行った。宿の主人が覗くと、部屋一杯の大猪が寝ていた。後に猪笹王の亡霊は一本足の鬼になって伯母峰に出て旅人を取ったので、丹誠上人が封じ込めた。ただし12月20日だけは鬼の自由になる日として、「果ての二十日」として怖れられている。
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ヤマイヌノオンガエシ 1941年 岐阜県 昔、ある老婆は口に猪の骨が刺さっていた山犬を助けたが、家に帰る途中で、その山犬はお礼に猪一匹の死体まで案内してくれた。
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オオカミ 1948年 和歌山県 大和十津川玉置山に祀られている「タカタケサン」は狼の使い神であり、猪が出る頃に参詣して猪駆除を祈る。参詣の帰り道には狼がついて来るので、宿場の犬がほえるという。また、帰村後、お札を田畑に立て猪を除く信仰もある。
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ヒノタマ 1995年 長野県 父が火の玉になってあらわれた。
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オイヌサマ 1991年 静岡県 お犬様がいるから、山住神社の周りには猪がいない。
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キツネ 1950年 山梨県 猪をよく獲る男が川で魚を捕っていた。夜になったころ、ウリボウ(猪の子)が出て来た。男は捕らえようとするが捕まらない。気が付くと魚を全部狐に盗られていた。
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キツネ 1956年 静岡県 きつねをかまうといじわるをするので、「猪」と言って怒るといい。
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ヤマイヌ 1937年 岐阜県 猪穴に落ちて、サシという虫に付かれていた山犬を助けてやった。山犬は逃げたが、その年はなぎ畑に猪の害がなかった。山犬が助けてくれた礼として追い払ってくれていたという。または、猪穴に落ちた山犬を助けてやると、礼として翌朝1匹のウサギを持ってきたという。
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キロウ 1976年 岡山県 猪のために畑が害を免れるには、備中今津の山中の木ノ山権現の霊符を受けて来ればよい。狼が一緒に来てくれて猪の害を防いでくれる。
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マツノキノバアサン 1922年 徳島県 松の木の婆さんと呼ばれる信心深い婆さんが、猟師に猪と間違えて撃ち殺された。その墓に参ると災難を逃れられるという。
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イノシシ 1928年 愛知県 豊田という家に子供のときから世話になっている女がいた。同じ郡内の島原某という狩人の女房になった。ある時、狩った猪の臓腑を抜こうとして山刀を突き通すと猪は一声「痛や」と叫んだが、気にとめずに料理してしまった。そのとき女は臨月であった。その後、女は子供を産み落としたが、その子は胸から腹にかけて腹を裂いた猪と同様に一太刀割られた姿であったという。女はその後離婚して旧家へ戻り、奉公していたと言われている。
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イヌソトバイシ 1956年 宮城県 嵯峨天皇の時代、年を経た大猪がいて、頸に二階枝の松を生やし、京の人々をおびやかした。小野篁は、勅をうけて会津磐梯山に猪を追跡するときに遭遇した、番二、番三郎という兄弟に加勢を命ずる。兄弟はかしこまって大きな白犬をつれて猪を追跡、蔵王の麓で発見する。白犬が大猪と格闘したところを兄弟が一矢ずつで射とめたが、白犬も重症を負って死ぬ。その供養の塔婆であるという。
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テンチュウ 1980年 兵庫県 播州市原村から1里ほどいった所の村の猟師2人が、猪と間違えて1人の猟師の父親を射殺してしまうものの、どちらの撃った弾かは分からなかった。但し10数年後の同じ日に、父が射殺された方の猟師も他の猟師に誤射されて死ぬ。皆は父親を誤射したのはこの息子であり、天誅が下ったと考えた。
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