キツネ 1974年 栃木県 山奥で炭焼きをしている人が、狐が縁の下で「夜が明けるよ、夜が明けるよ」と言うのを聞いた。
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ネコ 1974年 滋賀県 炭焼きの妻が腹痛を起こしたときに、飼い猫が山にいる夫に知らせに行った。それ以来猫は戻ってこなかった。
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ネコ 1939年 岩手県 ある人が昼間に山に入ると、三味線や太鼓、笛の音が聞こえた。そこでは猫が節をつけて歌っていた。その人がこのことを話していると、家の猫が帰ってきて「ああ、こえァ、こえァ(ああ、疲れた、疲れた)」と言ったので、この猫も行ったのだと思った。
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ヤマノカミサマ 1974年 栃木県 寒い冬の深夜に炭焼きをしていたら、黒いものに喉をつかまれた。山の神様だろう。
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タヌキ 1935年 愛知県 小屋に泊まって炭焼きの仕事をしていたら「ホイホイ」と呼ぶ声が聞こえる。呼んでみても返事がない。仕事の続きをするとまた呼び声が聞こえる。狸の仕業と気づくと、聞こえなくなった。
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キツネ 1981年 和歌山県 炭焼きの人が山で、瓦を割るようなカキーンという高い音が向かいの山からしてくるので不思議に思っていってみると、こんどは自分がもといた山からその音がしてきた。狐の仕業。
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ネコ 1996年 京都府 晩に猟師が溶かした鉛を鋳型に流し込んで弾を作っていた。この様子を飼猫がじっと見ていた。翌朝、猟師が山に入り、山鳥を見つけて撃つとカーンと音がして弾が跳ね返った。もう一発撃つと同じように跳ね返った。近くに寄って見ると、飼猫が蓋を持って弾を受けていた。昔から猟師の間では、猫のいるところで弾丸作りをするなと言われている。
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キツネ 1980年 青森県 祖父が夜遅く炭焼きをしていると、向かいの山から馬車で丸太を下ろす音がした。不思議に思っていると「もう休めー」と声がして、何の音もしなくなった。
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ヤマネコ 1933年 熊本県 冬の寒い夕暮れに山道にかかると、燈が見えるのでそれを頼りに行くと人家があった。その家の囲炉裏の傍には男がいて、榾を焚いていた。男が寝ていると夜中に老婆が出てきて、男の様子を伺った。この老婆が男に食いつこうとしたとき、脇差で切りつけると、老婆は老山猫の正体を現し、裏山に逃げた。飼い主の老婆を食い殺してそれに化けていたという。
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タヌキ 1982年 宮城県 炭焼きの人が月夜に山の炭窯で寝ていたら、大きな狸が出て腹鼓を打ち始め、小さな狸もたくさん出てきて月の出ている間中腹鼓を打っていた。
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ニワトリツカ,ネコノドクサツ 1972年 宮城県 檀家で飼われていたが宵鳴きがうるさいと殺された鶏が、寺の住職の夢で「その家の飼猫が主人たちを毒殺しようとしている」と告げた。住職が檀家にそれを告げると、猫が汁鍋の上を通り過ぎたとき尻尾からしずくがおちた。跡をつけると、竹の切り株に毒物が蓄えられていた。
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ネコ 1984年 香川県 炭焼きがネゴヤで寝ていると、入口のむしろの隙間から自分の家で飼っていた猫が中をうかがっていた。猫は七谷超えて修行して魔性になるというからやって来たのだとわかった。
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タヌキ 1975年 高知県 炭焼きをしていると夜更けに木馬を挽く音やカスガイを打ち抜き炭木を落とすような音がする。朝になって見ると何事もない。狸のいたずらだという。
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チャガマ,バケネコ 1941年 不明 ある猟師が茶釜の蓋をきせるのを忘れて山へ出た。すると家にいた猫がその蓋を持って化けて山に先回りした。猟師が鉄砲を撃っても化猫は茶釜の蓋で弾をよけてあたらない。猟師が南無阿弥陀仏を切り込んだ祈りの鉄ダマをうつと、茶釜の蓋は割れて化猫をしとめることができた。家の猫が殺生をやめさせようとしたのだとも。
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テング 1979年 滋賀県 甲賀郡土山町の黒滝部落では、村人は1年を通して山仕事、特に炭焼きをして暮らしていた。ある時炭小屋で仕事をしていると、昼間から太鼓の賑やかな音が聞こえてきた。いっこうに止む気配はなく、誰かが天狗の仕業だと言いだした。その翌日も太鼓の音がしたが、音がする方に煙草の吸殻を投げると、忽ちその音が止んだ。天狗は煙草好きだと話題になった。
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タヌキ 1974年 愛媛県 みよという所の炭焼きが、祭りの晩に山奥へ炭焼きに行った。薄暗くなったころに餅を取りに家に戻り、餅を小屋の中に吊り下げて寝た。夜中に目を覚まし外へ出ると、女の声がした。その声について5分ほど歩くと声が消え、小屋から離れた場所にいた。狸に化かされたと思って引き返すと、狸に餅を全部取られていたという。
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タヌキ 1979年 岐阜県 炭焼きをしていたときのこと。夜、窯をきれいにしての帰り、後ろでボンボン音がする。立ち止まると音も止まり、歩き出すと音がする。道路に出て荷を降ろしたら、大きな人が目の前にいて、見ているとさらに大きくなり、被さってきた。狸の仕業。
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ネコ 1934年 山口県 昔、下女が可愛がっていた猫が行方不明になり、九州のいなばの猫山にいるから探しにいけと言われた。山の中に立派な家があり、夜には猫が出てきて「ここに来るのは猫の出世だから心配するな。ここは人の来るところではない」と言って宝物をくれた。下女の真似をして奥さんも猫山に行ったが、かつて飼っていた猫に喉笛を噛み切られた。
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ケンムン 1975年 鹿児島県 ある冬のころ、少し開いていた雨戸から、真夜中に猫のようなものがすっと入ってきた。それが火に当ると、人間のような姿になった。だから家族の者を起こして、みんなで見た。
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キツネ 1979年 岐阜県 炭焼きをしていたときの話。夜、山へ窯の火を止めに要ったら、手拭を被った女が立っているように見えた。狐の仕業。
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