ムヂナ 1938年 岐阜県 夜中、寂しい道を歩いていたら塀が崩れてきた。驚いて飛びのくと、塀は元のままだった。狢が化かしたのだろう。
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ジゾウ 2001年 奈良県 昔、夜になると田んぼがぼうっと光ったことがあった。不思議に思って掘ってみると、大きな自然石に掘られたお地蔵さんが出てきた。
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エンマドウヨコチョウノカイ 1956年 宮城県 明治の中頃,附近一帯の道路工事に伴って泥沼を埋め立てた。工事完成の数日後,夕方そこを歩いたら髪を振り乱した白い葬衣の女が現れて,何か訴えたげにしていたのを見た者が出た。昔塩竃明神の火災の時,この池にお釜が飛んできて埋まった。明神を信仰していた門前町の妓楼の遊女も焼け死んで,その魂がお釜に縋ってここに埋まったので,今回現れた女はその幽霊だということであった。一方,その幽霊は塩竃の遊女ではなく,近くの弓ノ町が遊女町であった頃無残な死に方をした女があり,その墓石が道路工事で古池の傍らに埋められてしまったために怨んで現れたという噂もあった。円福時近くに住む丹野某と言う請負師がこれを聞いて古池近くを掘らせるとそれらしい墓石が出土,これを厚く弔うとその後幽霊は現れなかったと言う話も行われている。
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カイハカ 1953年 石川県 幽霊出現の噂が耐えない墓石がある。石の表面の模様が人型大の奇妙な姿をしており、遠目で見ればまるで幽霊が出たように見え、雨の日には一層凄みを増す。現世に未練のある墓主の死霊が未だ留まっているのが原因だといわれている。
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オンナノカミノタマシイ,ユウレイ 1937年 大阪府 墓地の生け垣の上に、女の髪の塊が乗っていた。それが、男の目の前で動いたかと思うと消えてしまった。驚いて墓地を探索すると、葬られて間もない一画があった。人に聞くと、若い女の新墓であることがわかった。
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ヒカリボック 1977年 茨城県 屋敷に入る所にあるどぶに、土橋が架けられていた。その橋の支柱にした杭に、腐って暗がりの中で青白い光りを発するものが稀にあった。それを光りぼっくと呼び、怪奇の目で見られた。
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ヨナキイシ 1985年 愛媛県 袖もぎ坂の上の法寿院墓地にある夜泣き石は、ある庄屋の庭へ据えられたが、夜な夜な鳴き声がするのでもとの場所へ返されたと言われている。この石は向かいの山の部落から見ると、きらきら光り輝くように見えたという。
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バケイシ 1995年 山形県 さびしい沢にあった石は、夜通ると女かぶりした人が座っているように見えたり、いろいろなものに見えるので、化け石と呼ばれていた。
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ヒカリモノ 2001年 青森県 夜に外を歩いており、ふと目を上げた拍子に、空を鮮やかな青さのくけ毬くらいのものが流れていき、墓所の真上で消えた。その墓のすぐ隣に、忌中札の貼ってある家があった。
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ヤマンバ,ヒカルイシ 1974年 高知県 石灰石の切り立つ所には、光る石があり、それを目にした船乗りがいる。おそらく石灰石が光っていたのだろう。
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ヒカルトリ 1981年 茨城県 堤防の上を歩いていると、頭上を青白い光を放って飛んで行くものがあった。鳥の音がしたが、光っているので気味が悪かった。光は川下のほうに飛んでいった。
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レイコン,タタリ 1974年 福島県 延宝年中、ある者が、庭を造る際、踏み石に寺の裏山から古い石塔を持ってきて使った。以来夢に若い女が出てきてなぜ連れてきたと怒った。その事を人に話すと、ある老人が、80年前に若死した娘の供養塔を踏み石にした祟りだと言った。石をもとの所に戻したら夢は止んだ。
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アオビ,アカイタマ 1937年 秋田県 人が死んだ家の屋根から夜になると気味悪く青火が燃えた。今から30年ほど前に、一握りの赤い玉が向こうから飛んできて、耳の傍らをシューと飛んでいったのを見た人がいる。
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ヒカリモノ 1976年 東京都 済松寺の森から早稲田目白の辺りへ、夜な夜な光り物が現れた。寺社奉行が調べるとそれは寺僧の仕業で、開帳が近いから人を集めるために地蔵の奇特に見せかけるためにしたという。
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オコリ,イシ,タタリ 1941年 岐阜県 某百姓が堤防工事の時に、石割に使う発破を恐れ遠く逃げて、墓のそばに隠れたが、ついにその墓に触って、ゾッとした。その夜から高熱が出て体全体が震え続けた。翌日、治ったと思ったら、次の日にまた震え始めた。墓に障った時におこりがついたのだと分って、まじないで落としたという。
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キツネ 1974年 滋賀県 夜道を歩いていると、前に白い火が飛んでいて、土堤が目の前にあるように見えたことがあった。
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キツネ 1995年 長野県 葬式の帰り、夜に親沢峠の上から石がゴロゴロ転がってきた。狐に化かされたかと思ったけど憶えがなくなり、うちへ帰ると血だらけだった。
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ヤコウノタマ 1980年 岡山県 地理学者であった古川古松軒の話によると、寛政9年(1797)に備前国児嶋の榧ヶ原という場所で、豪農が石垣を作らせていると、ある巨石の中から2つの玉が出てきた。その大きい方の玉は白い粉を塗っているように見え、暗室に入れれば文字が見えるほど周囲を照らす夜光の玉というべきものだった。
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コヒノウラミ 1956年 宮城県 2メートルくらいの古碑があり,「元応□年九月十五日」と刻まれている。200年程前,この古碑は八幡社近くの小川に橋の代用として架けられていて,百姓達が泥足で供養の文字の上を渡っていた。この石橋が架けられて間もなく,夕方に村人がそこを通ると恐ろしい鬼のような怪物に襲われるようになった。村の郷士馬場某がある夜単身でその辺に出かけたところ、橋近くの桜の老木の近くに来た時,仁王のような恐ろしい鬼が現れたので,馬場某が斜めに斬り付けると手応えがあって怪物は煙のように消え失せてしまった。翌朝行ってみると怪物の亡骸はなく,石橋の一方が斜めに切り取られていた。村人達は,「碑にも霊があって泥足で踏まれたのを怒ったのであろう」として現在の位置に立て直し,厚く供養してお詫びした。その後怪異は起こらなかった。
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ヒノタマ 1992年 島根県 火の玉を見たことがある。夜火の玉に遭うと、目が眩んで歩けなくなる。火の玉は大概、拝む者のない古い墓から出る。苔の生えた石塔で、リンが骨から上がって光る。腐った木や葉が光るのと同じ。
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