タタリ 1957年 熊本県 人吉城が攻め落とされた際、山田城の長続が城を奪い返して堯頼を帰城させようとしたが堯頼が死亡した為、長続が後を嗣いだ。その後、城を攻めた頼観兄弟を滅し、その首をさらしたところ祟りがあった。
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ガン,カリ 1975年 愛知県 三河国足助村で牛吉という童が何気なく弓を射ると、矢は逸れ鴈に命中した。鴈は料理され食べられた。その後、殺された鴈のつがいが夜毎に夢で、雄鴈を弔ってくれと嘆く。牛吉は出家し、23年後、この9月に自分は死ぬと里人に語った。その言葉通り、昔鴈が殺されたのと同じ9月23日に死んだのは不思議な因縁だ。
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ワライオンナ 1943年 高知県 安芸郡和食村で、深山に入った山師が夕方、小屋で尺八を吹いていると、綺麗な女の人が尺八を聞かせてほしいと小屋にきた。女は笑い女と名乗ったので、山師がそれなら笑いを聞かせてくれと頼むと、笑い声は次第に大きくなり、山から谷に響いた。山師が怒って大鋸や手斧を投げたが、女はそれをバリバリと食べた。どうすることもできないと思ったら、鶏の時の声が響き、笑い女は消えた。鶏の声は山師の持っていたお守りが出したものだった。吾川郡にも同様なものがある。
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シロヘビ 1933年 栃木県 昔、山に城が築かれたとき、敵に攻められ、城主の一人娘が追い詰められ、井戸に入って死んでしまった。その後、娘が白蛇に身を変えて出ると言われている。今もその井戸があるが、水はない。今も蛇が棲んでいて、時々悲しそうな声を聞くという。
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ウツクシイコシモト,サクラ,オンナノセイ 1984年 長野県 許婚がいる御近習と相思相愛になった腰元は、そのかなわぬ恋のために、桜の木の下で自殺する。それから数日後にその糸桜の下で、この女の声が聞こえた。
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(トブナマクビ) 1939年 新潟県 昔、ある城主が城を築く大工を募集した時、妻の勧めで怠け者の大工が応募した。大工は妻の知恵で試験に合格し、城を作ることになったが、大黒柱を切り違えた。これも妻の知恵で乗り切ったが、大工はその秘密を知る妻を口封じのため殺した。妻の首は北へ向かって飛び去り、早晩立ち返って城を崩し、雷のように叫んで影を失ったという。この祟りを恐れて、弓矢を北方へ向けて供えるという。
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タタリ,ロウバ,ボウズ 1957年 熊本県 天正10年謀反を企てたという理由で盛誉という男が殺される。その母は無実を訴え、盛誉が殺されたことを恨んで呪詛を行った後、茂間ケ淵で身投自殺した。その後、病死する者が出たり、障子に老婆と坊主の影が映るという祟りが起こった。
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アクリョウ 1977年 東京都 忍ばずの池の端に住む山名勘十郎の母は生首を見ないと食事が進まず、いつも死骸を側に置いていた。この母がある時乗り物を担がせ乗り込み、山王の西の池辺に降ろさせて下人を帰させた。下人が戻ってみると女はいなかったので家に帰ると、彼女は馬で帰ってきてそのまま忍ばずの池に入った。馬の持ち主がいうには、山王の西の池から女が出て来て馬に乗り、池の主になろうとしたが先に鯉がいてだめだったといった。その後怪異が起きたので、勧学院の了翁僧都が悪霊を鎮めるために島をつくり、弁財天を安置した。鐘楼が地震で倒れて鐘は沈んだ。この霊が鐘を取ったと言われた。一切経を島に安置すると怪しいことも絶えた。
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ノマノロウバ,タタリ 1965年 愛媛県 重茂山で戦があったときに、水不足になった。敵は兵糧攻めにしたが、城主は蔵から米を滝のように流して水があるように見せかけた。しかし、野間の老婆が米を流していることを密告したため、重茂山は落城した。この老婆の家は、祟りで悪くなったといわれている。
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アカゴ,ナキゴエ,イシ 1985年 長野県 城から落ちのびる途中で奥方が石の上で子供を産んだ。しかし子供はすぐに死んでしまい、石からは赤子の泣き声がする。供養すると泣き声は止んだ。ある時子供をあやしながらこの石の近くを通ると、不思議に子供が泣かなくなった。
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オキク 1936年 滋賀県 昔、城攻めされた時、領主が米を使って水があるように見せた。けれども、領主の腰元が敵兵に捕らえられ、白状したので、露見してしまった。領主は腰元の妹のお菊を殺して池に投げ込んだ。それから雨の降る日にはお菊の姿が現れたり泣き声がしたりするという。
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ボウコン 1974年 福島県 伏見落城の時死んだ人の最期をある人が嘲笑したら、戦死者の霊がその人の嫡男に憑いた。子供は取り殺され、嘲笑した人も乱心してついにその家は断絶した。
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ガギザカ 1968年 群馬県 箕輪城が武田信玄に滅ぼされたとき、脱出した藤鶴姫一行が、人の声を聞いて追手と早合点し、自害してしまった。声は姫の味方の軍勢のものだった。声のしたあたりを一言坂、自害した坂を限り坂という。限り坂は今、訛ってガキ坂と呼ばれていて、そこのお堂に座ると鼻血が出るという。
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〔ミズゴイ〕 1940年 岐阜県 ある家の下女が、その家で飼っていた馬に、毎夜主人に水を飲ませたかと注意されたにも関わらず、水を与えなかった。そのため、ついに馬は死に、その後下女も死んだ。下女は生前馬に水を与えなかったため天罰が下り、水乞食に生まれ、雨が千粒降っても一粒しか飲めなくなった。毎夜口が渇くため、夏になると毎夜「雨降れ」と鳴くという。
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トガメヅカ,ボウレイ 1992年 宮崎県 清武城の稲津掃部助重政は無実の罪に問われて飫肥藩に攻められ、妻雪江と郎党とともに自刃した。掃部夫婦と郎党は咎塚に葬られたが、夜になると咎人の亡霊が出るようになり、沖を行く飫肥藩の船を転覆させるようになった。困った人々は咎塚を山の中腹に移し、海が見えないように立て替えた。それからは何事も起こらないようになった。
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ダイジャ,ムスメ 1929年 長崎県 2匹の大蛇に困っていた農民たちは、島原城主に頼んで蛇狩りをして1匹を殺し、1匹に痛手を負わせた。島原城下の杏庵という医者のところに毎夜更けにくる女がいた。女は治療の末完治し、その後杏庵との間に子供ができた。ある時、正体が大蛇だとわかり、子供にくりぬいた片目を残し、去っていった。その後、寛政4年4月4日に眉山が崩れる地震が起きた。眉山の下の蛇町の人は大蛇に逃げ道を阻まれて家にいた人々は命が助かった。地震は蛇の崇りだといわれ、その責を負って島原城主は自害した。
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サケビゴエ,ナツノジン 1933年 大阪府 大阪城山里丸では、夕闇迫る頃、大勢の人の叫び声が聞こえることがある。時には人影が徘徊することもあるようである。大阪夏の陣にて非業の死を遂げた大阪方の人々の妄執が残ってこのような怪異が起こるのだという。
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コモリムスメ,シリョウ,ヌマ,ダイジャ 1913年 千葉県 宗像村から船尾村へ子守り奉公に来た娘が、田で働く男に叱られて、金比羅淵に身を投げて死んだ。娘の命日の7月13日に村人が神社に詣ると、鳥居は倒され、大蛇が通ったような跡があり、沼のエビが供えてあった。娘の死霊が大蛇になったのだという。それから、7月12日をニヒガリとし、その夜参詣に来る大蛇のために道を清めている。
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コエ,カヤ 1971年 静岡県 おかわ御前と赤児がかやの中で捕らえられ殺される。その後そこを通ると、赤児の泣き声が聞こえ、生えているかやを割ると中から血が吹き出る。
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タケダグサ,ツヤヒメグサ,オンナ 1931年 山梨県 天正年間、武田勝頼は城を織田信長に攻められた。その時、武田の家来だった男と、恋仲だった艶姫は離れ離れになり、姫は捕らえられた。その後、姫は脱走に失敗し、自害して堀に身を沈めた。その次の春から、その堀には見慣れぬ水草が生えるようになった。里の者は艶姫の精だとして、武田草、艶姫草と呼んだ。4月29日の祭りは毎年雨であるが、何年かに一度晴れることがあり、その日の早朝堀に行くと水面が二つに裂け、美しい女が玉手箱や鏡や宝剣を持って現れる。この女を笑わせれば、その宝が手に入るという。
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