カミカクシ,テング,トブコ 1926年 静岡県 男の子が天狗にさらわれた。町内の人々が探したが、10日目に戻ってきた。その後も度々連れて行かれた。
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テング 1937年 子供が急に姿を消すことがある。昔はこれを天狗がさらって行ったためだと考えた。また、山奥で、大木の枝に人間が引っ掛かっているのを発見した時は、悪人が天狗にさらわれて成敗されたという説明を付けた。
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テング 1972年 石川県 天狗にさらわれた子供が一度帰宅した。天狗は餅を蒸す香りが嫌いなので、家人は餅を蒸し始めた。けれども蒸しあがらないうちに、天狗の使いである鳶が来て、子供を連れ去っていった。
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テングノオヤシキ 1972年 岐阜県 ある人が、炭焼きのために山に入った。木の葉で固まっているような球があったので、棒でつついてみた。すると急に辺りが暗くなり、雷雨になってその日は帰れなかった。翌日に家に帰ったが、病気になってしまった。祈祷してもらったところ、天狗のお屋敷をつついたと言われたので、呪文で治してもらったという。
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テング 1951年 長野県 ある男が天狗様の止まり木と土地の者に恐れられる木を切ってしまった。天狗は巨大な材木を落下させて男に警告を発したが詫びないので、男の子供を大やけどさせて死なせてしまった。
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アキバサマ,テング 1942年 新潟県 柱が急に倒れて転がっていったので、爺さんが追いかけた。途中、柱に踏まれて谷に落ちそうになったが、途中の木に引っかかって助かった。秋葉様(天狗)に助けられたといわれている。
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テング 1936年 福井県 いい手の筋をした久左衛門という男のところへ、天狗が手の筋を借りにきた。天狗は、貸しに来たお礼に、豆1粒を置いていった。ある年、大火事が起こって近隣は燃えたが、久左衛門の家だけは燃えなかった。
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ジガミノタタリ 1984年 新潟県 ある家の主人が風邪を引いたようになって寝込んだが、そのうちに口が利けなくなり、耳も痛くなってきた。入院したが、病名がわからない。「八海山」が神さまにうかがったところ、「地神さんの祟り」ということがわかった。その家の地神は屋敷の藤の木の根元にあり、毎日お椀1ぱいの飯を上げていたが本尊のムジナの眷属が多くなってそれでは足りなくなったという理由であった。早速たくさんの供え物をしてまつったところ、主人は急に回復した。
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テング 1970年 滋賀県 ある人が晩に竹の棒をつかんで「誰か来おった」と叫んで駆け出して行き、そのまま見つからなくなった。父親が跡を追っても姿が見えず、玄関には草履が揃えて脱いであった。村中の人が天狗に向かって返せと叫びながら提灯を持って探したが、見つからなかった。一週間たっても帰らないので、親類が天狗の好物のうどんを屋根の上にお供えしたら、うどんは食べられていて、男はいなくなった場所にその時刻に帰ってきた。天狗がごきげんを直したのだろうと言われた。
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テングサマ 1989年 長野県 ある男性が夏の暑い夕方、一日の仕事を終えようとするときに、「面白いものを見せてやる」と言われて天狗にさらわれた。「目を開けろ」と言うので見ると、楽しそうに盆踊りをしているのが見えた。また連れて帰って来られ、天狗は去り際に「くわの棒をくべろ」と言った。家の囲炉裏にくわの棒をくべると、ようやく我に返ったという。
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イヌガミ 1985年 愛媛県 ある男が女を騙した。女が怒って犬神に願掛けすると、その男は足が不自由だったのに海の中を走ったり、天井に吸いついたり、股の下に頭を入れて回ったりした。人々は犬神が取り憑いたのだと言った。
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テング,カミガクシ 1922年 神奈川県 天狗にさらわれて途中で空腹になると、天狗はどこか饗応のある家のご馳走の膳をそっくり持ってきて食わせるが、とられた家では膳の不足したことに気付かない。また天狗にさらわれたことを「神かくしに遇った」といって、鉦や太鼓で「おだしゃれおだしゃれ」と言って歩く。さらわれた人が木の上等から落ちてきた時には大抵馬鹿のようになっている。
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ベンザイテン,ヘビ 1935年 昔、ある弁才天の神官の家にひとりの娘がいた。近所の百姓が多忙の時期には娘の手を借りることもあった。ある時百姓が養蚕のために手が不足したのでその娘を頼みにいくと、神官の家に出産があり手がいるので娘を借りることができなかった。しかし百姓が家に帰るとその娘が来ており、都合がついたという。それから娘は毎日その百姓の手伝いをした。仕事に区切りがついたので、娘を返すため神官の家まで送ると、娘はお参りをさせてくださいと言って神社に入ったきり帰ってこない。神官の家を訪れると娘はちゃんといて、手伝いには行っていないという。そこで百姓と神官が弁才天の前まで行くとその娘そっくりの頭を持った蛇がいた。神官が礼を述べると蛇は姿を消した。
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テング 1959年 福井県 天狗の投げ筆という宝物がある。300年程前に字の上手な医師がいた。あるとき山で白髪の老人に「二三日手蹟を貸してくれ」と言われ、請け負うと二三日は惚けていた。老人は天狗であった。その礼に貰ったもので、火伏せになるという。後に貧乏になって軸は他家に渡った。渡った先の家が火災にあったときは、掛け軸だけが抜け出して焼け残った。他家に渡ったから火伏せの力がなくなったという。
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テング 1931年 長野県 子供が天狗に連れられてどこかに行ってしまった。村中で幾日も探したが見つからず、仕方なく諦めた。翌年その子の家の庭に子供からの置手紙があったという。
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イナリサマ,ヒノタマ 1993年 岩手県 ある人がいなりさまを放って置いたら、火の玉が飛んだ。熱心なお爺さんが譲ってもらって信仰していたら、お爺さんと息子の間でいなりさまのことでいざこざが起き、いなりさまは他の家に移された。するとその息子は行方不明になり、翌日山越えの所で錯乱しているのが見つかった。医者にかかっても祈祷師にかかっても治らなかった。いなりさまの祟り。
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テング 1937年 石川県 男の子が行方不明になったときは、天狗にさらわれたからだと考え、村人が男の子を捜し歩くときは、天狗の嫌う鯖のことを声高に叫びながら尋ねあるくという。
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テング 1967年 新潟県 七歳の男の子が母親と雲台寺に参拝する途中大鷲にさらわれた。すると空から帯を解けとの声がしたので、男の子が帯を解くと鷲から離れ、松の上に落ちて命拾いした。天狗が助けたのだといわれ、その松は雲台寺の天狗松と呼ばれた。
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テング 1933年 長野県 ある日、婆が山で薪をとっていたら、天狗が現れ手紙を頼まれた。天狗の言うとおり目を瞑ると、体が浮き上がるようになり、目を開けると別の天狗がいた。手紙を渡してから同じようにして戻った。手紙を渡したお礼に天狗は村の火事から婆の家を守ってくれた。
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テングサマ 1978年 石川県 子供などが急に行方不明になると、天狗様にさらわれたという。「さばくった息子」などと呼びながら探す。
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