クチ 1977年 鹿児島県 実害のあるクチをフイグチと言い、クチを入れられると吐き気をもよおし、吐いたものの中に血が混じっている。クチを入れられたままにしておくと生命にかかわるのでカエシグチを行わなければならないが、相手に悟られないようにしないと更に悪感情を抱かれる。
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フイグチ 1977年 沖縄県 言葉、または食物を媒介とするクチをフイグチと言う。フイグチが入ると身体が重くなり、最後には血の塊を吐くのですぐに返しグチをしなければならない。フイグチは神高い人、特定の職業者にしか行うことはできない。
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フイグチ 1977年 鹿児島県 ある家の妻が膳にフイグチを入れたが客は気付いて、主人の椀と自分の椀を入れ替えた。クチの入った吸いものを飲んだ主人は間もなく死んだ。フイグチの強く入っているものを食べると死ぬのである。
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マツグチ(ゾクシン) 1977年 鹿児島県 マツグチは火にクチ(口)を入れられたもので、これを知らずに煙草の火を借りると、それを通してクチが身体に入る。フイグチの入っている煙草の火は灰をかぶらない。
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コジキグチ 1977年 鹿児島県 コジキグチはライ病の人のクチで強い。フジキ(乞食)が水を貰いに来た時、断った家は流行病で死んだ。フジキは子供に祟りがあるので丁寧に吸う。
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イキロウ,イキリョウ,クチ 1977年 鹿児島県 イキロウまたはイキリョウのクチは、男女の愛憎問題の時に入る。多くは外妻が本妻に対して行う呪詛であった。その効力は本妻よりもその子供に及ぶことが多く、時には子供が死ぬようなこともあった。
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(ゾクシン) 1991年 高知県 ミチクチの人はウサギを食べたからだとか、親がウサギを叩き殺したからだとかいわれる。
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クチ 1977年 鹿児島県 クチの強い人と口論すると言い負かされて病気になる。また、クチの強い人は、時々顔が重くなるが木や石などにクチを入れると軽くなる。クチの入った木や石に触れると、クチの人とは無関係の人でもそのクチが入って頭が痛くなることがある。
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(ゾクシン) 1980年 岐阜県 兎を食べるとエグチになるといわれていて、女性はあまり食べなかったという。
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イチジヤマ,ニンギョウ 1996年 沖縄県 イチジヤマは、人を呪詛して病を起こさせる。人形に針をあてて、呪いたい人間を殺すこともできる。また人形の頭を針で刺すと、その人間は頭痛がし、人形を鍋に入れて炒ると、人間を死に至らしめる。
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フイグチ 1977年 鹿児島県 Aに家を建てる仕事をとられたことをねたんだ大工Bは盃にクチを入れてAに飲ませた。するとAは腹痛におそわれた。物知りに聞くとモドシグチをしなければ直らないと言われた。大工グチが入ったのである。
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フキヒキホグセ,コトリ 2000年 神奈川県 昔、お糸という糸繰り名人がいたが、病気で死んでしまった。娘のおチヨは8才だったが、人並みに糸繰りができた。継母は自分より仕事ができるおチヨを面白くなく思い、もみくちゃにした糸を渡した。どうしようもなくて泣いていると、「おチヨ、おチヨ、フキフキホグセ」と小鳥が鳴いたので、「フーッ、フーッ」と一生懸命ほぐすと、するするとほぐれた。死んだ母親が小鳥になっておチヨを助けに来たのだという。
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メドチ 1980年 青森県 あるお母さんにメドチが通って身ごもった。親類が集って鎌で腹を割き、メドチの子を出した。メドチの子は頭に皿があった。お母さんもメドチの子も死んだ。
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キジムナー 1973年 沖縄県 ある老婆が、川端を通っているときに、老木の上でフグイ(睾丸)の大きな子供が枝を枕に寝ているのを見た。老婆が竹竿で子供の睾丸をつついたところ、子供は飛び上がって姿を消した。老婆は驚いて家に帰ったが、夜通しキジムナーに襲われて身動きもできなかったという。
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ニンギョウブ,ハッピャクビクニ 1956年 福島県 庚申の晩に人形のようなものを料理して出されたので、みんな食わずに持ち帰った。そのうちの一人の娘が知らずに食べ、長生きをした。それはニンギョウブ(人魚)というもので、娘は八百ビクニ。海の魚を食うときはニンギョウブに触った尻から食うと長生きにあやかれる。川の魚は尻尾で跳ぶので、悪いものがついているという。
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オオサキ 1983年 東京都 オオサキは家の者についていって、人をまやかしたり、病気にさせたりして苦しめるという。イタチの大きいようなものらしい。
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イキロウ,セイレイ,クチ 1977年 鹿児島県 イキロウの口が入ることをユンクミと言い、目に力がなくなり、身体がだるくなるといった症状が出る。イキロウがユンコマレルとクチアカシという儀式を行わねばならない。追い出したイキロウが他の家に憑かないように、なるべく人の住んでいない方向に行う。
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クチ,フツ(ゾクシン) 1977年 沖縄県 宮古島の諸地域、八重山島の石垣市周辺ではクチ、またはフッと呼ぶ人の悪感情が呪術的作用を与える。ほめられる時でも噂の種になった時にも、フツガエシという呪術を行わないと自分の身に害がある。憑依的現象はみられない。
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キツネ 1926年 福島県 又吉という百姓が狐に石を投げたところ、狐の足に当たった家に帰ると熱病を病み、たわごとを言った。狐に憑かれたのだった。7日後に元に戻った。
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フイグチ 1977年 鹿児島県 部落に住む大工の棟梁同士が喧嘩した際、ひとりの棟梁がフイグチをする性格であった。もうひとりの棟梁はそれを見抜いていてモドシグチを行った。するとクチを入れた棟梁は眠ったまま死んでしまった。
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