ニジュウサンヤ 1956年 宮城県 二十三夜の晩に作ったワラダカゴ(円座のように藁を渦巻状に編んだもの)を使うと、養蚕が成功すると言う。
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オーサキ 1987年 埼玉県 養蚕が盛んだった頃、オーサキ家だけ繭が沢山とれた。オーサキが他の家の蚕を運んでくるからで、オーサキ家は近所から嫌われていることを知った。そこでオーサキを封じ込めるため、庭に祠を造って丁重に祀った。
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キツネ 1975年 愛知県 狐が憑いている農家では、蚕の繭を売る籠に狐が入って、重くするという。
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カイコ,オジョウサン,ウマ,オコサマ 1977年 神奈川県 昔、馬がある屋敷のお嬢さんを見初めてしまった為、殺されてしまった。ところが、このお嬢さんが外出しようとした時、戸口に干してあった馬の皮がお嬢さんを包み込んでしまい、結局、このお嬢さんはそのまま死んでしまった。弔いの後、その墓の上に1本の木を植えたところ、この木が芽吹く頃に虫がたかり、それがやがて美しい蚕となった。これが蚕の始まりであり、子の為にオコサマは馬の形をしているのだという。
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タナババ 1956年 棚にいる恐ろしい婆。タナとは養蚕などに使う三階部屋のこと。
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オーサキ 1995年 群馬県 オーサキを飼っている家にオーサキはいい蚕をぶんどってくる。
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カワタロー,カッパ,(ゾクシン) 1988年 福岡県 竹に竹筒とキビナゴを内包したツトを結びつけたものをコガワ(満川)の牛馬の汲ん場(水場)に立てる。これは、牛馬がカワタローに引かれないようにするためだという。
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ミツミネジンジャノヘビ 1988年 群馬県 蚕をやる人は秩父の三峰神社から、ヘビをオスガタで借りてくる。そうすると不思議なことに本当に天井にヘビがいたという。
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オシラサマ 1975年 岩手県 金満長者の飼い馬が長者の娘に恋をしたため娘が病気になった。怒った長者が馬の皮をはぎ栗の木に掛けた所、蚕が生まれ繭をかけた。その後娘は全快したが、馬に乗って宮参りに出たところ、天上から馬の声がして娘と馬が消えた。それでオシラサマを作り供養した。
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〔サケノダイスケ〕 1956年 岩手県 旧家羽縄(ハナワ)家に伝わる伝説。沢山の牛を飼っていたが,毎年巨鷲が飛んできて牛を掠っていく。刺し殺してやろうと,主人が牛の皮をかぶって待っていると,鷲に掴み去られて玄界灘の孤島の老杉の枝に置き去られた。島から逃れられず困っていると,老人が現れて「私は鮭の化身で,大助という一族の長だが,毎年10月20日には仲間達が気仙の今泉川に入って産卵する例になっている。貴国の人たちへの恩返しとして送って進ぜよう。」と言う。主人は無事帰郷できた。羽縄家では毎年10月20日に当主が川口に行って神酒を供え,鮭綱を切ってやり,産卵しやすくしてやることが明治頃まで仕来りとなっていた。また羽縄家では一切鮭を口にしなかった。
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カリコボウ 1992年 宮崎県 カリコボウは秋彼岸にオーグ(山の稜線)を通って登り、春彼岸に下って川に入るという。オーグに小屋などを建てるとカリコボウに揺すられて寝ていられないし、ワナをかけても獲物はないという。
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ヒトツマナコ,ヒトツメコゾウ,ヒトツコゾウ,ヤクジン 1937年 神奈川県 12月8日と2月8日をシラスヨーカと言い、仕事をせず物忌をする。軒には注連縄を張り、メカイ籠などを柱に下げ、宵には臭気のある木をヒジロで燃す。こうすると、ヒトツマナコ(ヒトツメコゾウ,ヒトツコゾウ,ヤクジン)が、病を仰せ付けに帳面をもって門口に来たとき、臭気と目の多さに負けて帰るという。屋外に着物や履物を放置しておくと、彼らが病の印をつけるので、それを用いた人は病むという。
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(ゾクシン) 1989年 群馬県 養蚕に関する俗信一束。
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オーサキ 1995年 埼玉県 オーサキはお蚕さんをいいものととりかえたり、主人を罵った人に腹痛や頭痛をおこしたりする。
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エンコ 1980年 広島県 十代ほど前の人が田植えの時期、馬鍬を清水の川で洗っていたら坊主が現れ泣き出した。理由を聞くと馬鍬があるから川を渡れないという。正体を見抜いた人が、今後村の者を連れて行かないと約束するなら馬鍬を除けてやるといったら承諾した。それから毎朝、家の牛屋のカンノキに大きな黒鯛がぶら下げてあったが、柱に鎌を打ち付けるとそのようなことは無くなった。またこれ以来、村の者はエンコに肛門を抜かれないという。
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ヤマワロ 1950年 熊本県 ヤマワロは春の彼岸に川に入ってガラッパになり、秋の彼岸に山に入ってヤマワロになる。彼岸の頃には何千匹ものヤマワロが列を作って喋りながら山から下りてくる。行列の通り道をオサキといい、ここに炭竈や家を建ててはならない。
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カイコ(ゾクシン) 1990年 愛知県 蚕が吊り繭をすると、人が死ぬ。
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アカマタ,マッタブ 1973年 鹿児島県 昔、阿傳と嘉鈍の中間にマチという部落に母と娘が暮らしていた。娘は夜に機織りの仕事していたが、あるときから夜になる一人で笑ってばかりいて仕事をしようとしない。母が尋ねると、娘は夜になると赤手拭いを被った男がやってきて脇の下を擽るのだという。そこで母は今晩その男が来たら木綿針に糸を貫いて男のたまに刺せと言った。その晩、娘は言われたとおりに男の頭に針をさし、明朝に母が糸を辿っていくとマッタフの巣である坂の麓の割れ岩まで続いていた。中から「我ミミンダ通しはしたが、子供は七籠も産ませて、うら取って見せずに置くものか」と声が聞こえた。また「娘が海へ行って七日間潮浴びをすれば子供は堕りる」と他の声も聞こえてきた。母は家へ帰り娘を海に連れて行き、七日間潮浴びさせると蛇の子を堕ろすことができた。
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ワラニンギョウ,ジュソ,(ゾクシン) 2001年 福島県 藁人形二体を作り、村外れに縛りつける習わしがある。また、他の村でも立木の高い所に藁人形を縛り付ける習わしがあるという。
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シャカ,オバケ 1983年 東京都 5月の節にはオバケの来ないように茅の葉や蓬で屋根を葺いた。里なら川ぶちにあるヨシと菖蒲である。オバケは蛇か何かわからないが、菖蒲が嫌いで入れない。シャカというオバケをよけるために菖蒲酒を飲む。
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