キツネ 1937年 新潟県 角力取が帰宅途中道に迷ってしまった。夜が明け、気が付くと持っていた土産は全てなくなっていた。再度家を出ると、途中で角力を取ろうと言ってきた男がいて、反対に叩きつけると相手は逃げていった。おそらく狐だったのだろう。
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カッパ 1992年 熊本県 相撲好きの河童が、ほろ酔い気分の男に、試合を挑んだ。夜通しの相撲になったが、光がさして、夜が明けると河童が逃げ出し、男は助かった。
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(バケモノ) 1982年 群馬県 丑さんという人が酒を飲んで夜道を帰っていると、夕方別れた知り合いが橋の上で待っていた。怪しいと思い、「おじい、先に行け」といって行かせて、下駄で後ろから頭を力一杯打つと、キャンキャン鳴いて藪の中に逃げて行った。何かが化けていたのだろう。
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ガタロ 1991年 滋賀県 2人の若者がもぐりをやっていて、1人が大岩の先から深みに飛びこんだ。渕の底におかっぱ頭の上に皿があるガタロが一匹いて相撲を挑んできた。上で待っていたものがいくら待っても上がってこないのでもぐっていくと、河童が先の男の尻に吸いついてずるずると渕の奥へ引きずって行った。肛門から肝を抜いたのだ。
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カメブチノヌシ 1932年 愛知県 夜、男が山道を歩いていると、向こうから禿げ頭の童子がやって来た。童子は亀淵まで付いて来、男に話しかけたが、男は童子を怪物と看破し、眉間の間を力一杯煙管で殴った。一瞬気を失った男が我に返ると、もう既に夜が明けていた。
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キツネ 1956年 宮城県 藩政時代,角田館主石川家の家臣で館矢間にいる若侍達が,城下での稽古から帰ってくる途中魚などを持っているとよく狐にだまされた。ある時若侍達が,竹刀の先に魚を結び付けて夜道を無事に帰ってこれるかどうか賭けをしようということになり,一人が竹刀を持って出かけていった。朧月夜の並木道に差し掛かると,向うから竹刀を肩にした武芸者風の大男がやってきて,すれ違いざまにいきなり打ち込んできた。若侍が思わず竹刀で受け止めると大男は消え失せてしまったが,気がつくと竹刀の先の魚の包も無くなっていた。
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チョウタムジナ 1991年 石川県 夜、皆月から上尾沢へ行く細い道に長太ムジナが出た。道に岩が盛り上がって進めない。暫くすると戻る。その間に食料は盗まれている。大蛇や化け物になって出て盗んだりもした。ある人が気配がするので石を投げつけ、「勝負しろ」というと男が出てきた。「金玉を広げる勝負をしよう」と言って木綿風呂敷の大きいのを広げたら、ムジナは張り合おうとして金玉を広げすぎて、割ってしまって山へ逃げていった。それ以来ムジナは出なくなった。
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カッパ 1991年 滋賀県 老曽の渕の河原で河童が何かを拾って食べているのを見た。高さ1米ばかりで口は鳥のように尖っていて頭の周囲には毛が生えていたが、てっぺんははげていたという。また太郎右衛門という爺さんが川に入ると尻を手で触るものがいたので、河童だと思い、石ではさむと、河童は「石尻だな」といった。その河童を捕えて帰り、子供たちが尻を抜かれた仕返しに焼火箸を河童の尻にさし込んだが、河童は熱くもぬるくもないといって逃げて行ったという。
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ノビアガリ 1990年 香川県 あるおぼろ月夜の晩、上野仙蔵が汐を背負って呼岡という所に通りかかったとき、前方に大きな黒いものが倒れかかるようになった。仙蔵が声をかけると自分の方にのびあがって倒れかかってきたので、仙蔵は家へ逃げた。これがのびあがりである。
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ダイジャ 1975年 山形県 昔狩川に千貫長者がいた。ある夜立派な若者が訪れ長者の娘と恋に落ちた。娘は身篭ったが産気づかない。手を尽くしたが効き目はなかった。ある日六部が来て、姫を救うには邸内の松にある鳶の卵を飲ませよという。長者は若者を松に登らせたが、若者は鳶にさらわれ地面に叩きつけられた。六部は「私は以前あなたに助けられた蛙で、婿になりすましていた若者は私を飲みこもうとした大蛇で、沼の主である。蛇は恨みを晴らそうと婿になった」という。見ると婿は大蛇であった。産気づいた娘が生んだのは無数の蛇であった。娘は死に、六部は姿を消した。
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ムジナ 1976年 宮城県 山奥の炭焼小屋で男たちが泊まっていると、夜中に身なりの整った若い女が入ってきて泊めてくれるよういう。皆が眠り込んだころ、女が若い男の口に手をつっこんで舌を抜き取ろうとしたので年かさの男が斧で倒した。女はムジナであった。
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カッパ 1930年 宮崎県 男が、ある時、大淀川を小船で渡り岸にあがると、桑畑の中から河童が出てきて角力をとろうと言った。角力をとったところその男の方が強く、河童は逃げてしまった。
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メッコヌマノカイ 1956年 宮城県 沼のほとりに身を隠していた平氏の残党の従僕で茂右衛門という弓の名人が,沼に大魚が2尾泳いでいるのを見つけ,そのうちの1尾を射た。矢はその目を貫いていた。その夜彼の夢にもう片方の大鮒が現れ,「私達はこの沼の主の夫婦鮒だが今日夫があなたの矢で殺され,生き長らえる望みも無くなった。あなたの殺生が恨めしい」といって消えたので茂右衛門は後悔したが,翌朝未明ふらふらと沼のほとりに歩いていった。岸辺には2尺余りの雌鮒が片目を潰して死んでいた。数日後村の人が沼のほとりで片目を刺されて死んでいる茂右衛門を発見したが,その手には大きな片目の魚を握っていた。彼の目を刺したものはわからなかった。それ以後沼の鮒は皆片目となり,それを捕る者もいなくなった。その沼を「メッコ沼」というようになった。
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ヒキガエル 1939年 香川県 数人の若衆がいる山小屋に、綺麗な娘が宿を求めてやって来たので泊めた。眠る間に、娘が男の所へ這って来て口から血を吸っていたので頭を木割で打った。夜が明けると男は死に、血の跡を辿ると巣の前で蟇(ひきがえる)が死んでいた。
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カッパ 1980年 豊前国に河幅が広く徒歩で渡る川があり、夜に渡ろうとすれば必ずかっぱが出て相撲を取ろうとする。小笠原信濃守の家臣・大つか庄右衛門の家中に力の強い者がおり、相撲を取ったところ、かっぱは動きが早く、また捉えてもウナギのようにすりぬける。そして全身針のように尖っていたので傷だらけとなり、その者は病気になってしまった。
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カッパ 1960年 大分県 山奥の田に行くと大勢のカッパが現れ相撲を挑んできた。草取りがあると断ると、カッパが引き受けるという。そこで1日中相撲を取ったがきりがない。サカトリに投げつけたら皿の水がこぼれ、皆逃げてしまった。翌日見に行くと綺麗に草取りがしてあり水が濁っていた。
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ダイジャ 1932年 新潟県 松崎四郎太夫の倅玉之助が18才のある日、青柳の池で釣りをしていると美女と知り合い、夜な夜な訪れるようになった。四郎太夫はそれを怪しみその跡をつけると、池の辺で姿を消した。これは化生の者だと思い矢で射ると、それは大蛇で腹には子が宿っていた。その赤子は米山の寺に僧にすべく送られたが、16才の時生い立ちを知り、四郎太夫たちを殺して盗賊となった。
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ヤマタロウ 1952年 熊本県 山太郎は、人間に角力を取ろうと言ってくることがある。うっかり相手をすると、無数に山太郎が出て来る。山太郎を困らせるにはおじぎをする。頭の皿の水をこぼすことになって、力を失わせるからである。また、山に薪取りに行った者が、草原がふみつぶされた所に、破れた着物姿で倒れていた。山太郎と角力を取って負けたのだろうと言われたという。
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カッパノヒデンセッコツヤク 1956年 岩手県 旧仙台領江刺郡の北上川畔二子町城下に住んでいた小田島大炊之助という侍の家で,夜厠に女中衆が入ると怪物が出て悪戯をする。主人が夜上厠してみても何事も起こらないので,女装して屈んでいるとやがて冷やりとしたこわばったものが触ってくる。大炊之助がそれを捉え,隠し持った短刀で斬り離すと怪物は叫び声を上げて逃げ去った。よく見るとそれは水掻きのある痩せた腕であった。それから三日目の夜,夢現の中で化生の者が大炊之助の枕上に現れた。跳ね起きて脇差を構えると,化生の者は平伏して「この河の鎧が渕に棲む河童だが,向後悪戯はせぬゆえ腕を返して賜れ」という。切り離した腕を返しても仕様があるまいというと,それには秘薬があるからというので,秘薬の処方と引き換えに腕を返した。河童は妙薬を取り出し,見事に腕を継ぎ合わせてみせた後,その処方を伝授し,帰っていった。手負いの者の治療に大変もてはやされたが,代替わりの後はさほどでもなくなった。
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リュウ(ヘビ) 2001年 新潟県 俵藤太が瀬戸の唐橋を通ると大蛇(竜)がいた。踏み越えると、ニガミ山の百足退治を依頼されたため、唾を付けた矢で退治した。
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