ヤクシニョライ,オンセン 1931年 鳥取県 1000年前、鷲峰山の麓の村に葦岡長者が住んでいた。そこには美しい娘がいたが、顔に悪疽を病んでしまった。長者はあらゆる治療を試みたが効果がなく、悲嘆にくれていた。ある夜、日ごろから信心の深かった奮海村菖蒲山の薬師如来が夢に現れ、柳の下にある霊泉があることを告げた。その湯につかると、娘の病はたちまちにして癒えたといわれている。
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ショウブユ,ヒトクイバアサン,ショウブタ 1977年 神奈川県 昔、ある人が人食い婆さんに追いかけられた。そこで菖蒲田に逃げ込んだところ、人の臭いが菖蒲の臭いに消されて、無事逃げることができた。この日が5月の節句の日となっており、今でも菖蒲湯に入るのはこのような由来からだという。
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レイセン,ダンブリ 1932年 岩手県 神夢のお告げで結ばれた夫婦が、ある年の正月神夢を受けてこの地を永住の地と定め働いていた。春になった頃、夫が昼の疲れにうとうとしていると1匹の蜻蛉が飛んできて目が醒め、蜻蛉を探して歩くとその群れる辺りに醴泉を発見した。この鉱泉は汲めども尽きず、どんな病気でも綺麗に治るのだった。夫婦は豊かになり、だんぶり長者と呼ばれるようになった。夫婦の子どもの秀子は継体天皇のご寵愛を受け、吉祥姫と呼ばれた。湯瀬の上流にはダンブリ長者の屋敷跡があり、湯瀬の下流小豆沢には吉祥姫が建てた大日堂がある。
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ショウブユ 1956年 宮城県 昔、ある女のところに通う男がおり、女が身ごもった。隣の老婆の教えに従って男の素性を確かめると、太い松の木にたどり着いた。幹に耳を当てると「菖蒲湯にはいると子供が流れる」と声がし、その通りにすると子供を下ろすことができた。これが菖蒲湯の由来だという。
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シンランショウニン 1979年 山梨県 ある日の夕暮れに、1人の旅僧がやってきて泊まった。翌朝、ここは清浄なところだから何日か行をやりたいというので、堂へ案内した。婆さんが家の内に水の出る所はないものかと捜していると、その旅僧が場所を示した。掘ってみると清水がわき出した。ただし、この水はこの家の入用だけしか出ず、女性が不浄の時には汲んではいけないと約束した。ある時、婆さんが約束を忘れて水を飲んだところ、水が止まってしまったが、坊さんに話して拝んでもらうと、また水が出てきた。後にこの名僧は親鸞聖人であることがわかった。
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レイセン 1928年 福島県 磐梯村にある荒人神社の南に平洗澤がある。ここは、夫と妻が共同で旅人に強盗を繰り返し、多くの命を奪ってきた、その旅人たちを棄てた場所だとされている。
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イットノサカ 1987年 長野県 昔,山家には温泉が湧いていた。白山様は夫神から逃れて山家に来たが,夫神が温泉に入りに来ると掴まってしまうと考え,ふきの葉に湯をくるんで遠くへ放り投げてしまった。この湯の落ちた所が草津温泉である。以来,長村と湯の平には温泉がなくなり,白山さまが嫌うということで湯を掘ることもできなくなった。
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ボウレイ,イヨウノモノオト 1929年 福岡県 豊前の香春岳にある城では、白米を浴びせて水があることを示した伝説がある。城下のある女性が、敵の間者と縁を結んで、密かに泉のありかを教えてしまったので、水の手を切られた。城は焼き討ちにあって陥落してしまい、妻子は谷に落ちて死に、一家が絶えた。今でもその亡霊の仕業で山中に入ると、異様な物音が聞こえてくると言う。
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オヤクシサン,オンセン 1936年 鳥取県 長者の娘が病気になった。菖蒲にあるお薬師さんに平癒を祈ると、お薬師さんが娘の枕神に立ち、帰って柳の木の下を掘ると湯が出るのでそれを使えと告げた。その通りにすると、金色のお薬師さんの像が出てきて、熱い湯がわき出した。
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オニババ 1955年 新潟県 昔、爺さんが町へ物を売りに行く途中に、山で鬼婆に出会い、持っていた荷物を取られた。次の日、爺さんは鬼婆の餅を食べたり甘酒を飲んだりしたあと、鬼婆を熱湯で殺して仇を取った。
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カガミトタビビト 1956年 宮城県 家を離れて旅を続ける1人の旅人がいた。のどが渇いたので沢にいって水を飲もうとしたら、道端の笹のかげに小さな鏡が落ちていたので懐に入れておいた。いつの間にか日が暮れたのでそこで野宿していると、夜更けに「与右衛門さん、与右衛門さん」と自分の名を呼ぶ者がいる。「誰だ」と聞くと、「おはまでござりす」と言い、見ると磐城に残してきた妻だった。「あなたが旅に出てから泣き続け、子の与助も春にホオソ(疱瘡)で死んで張り合いもなくなり、あなたを追ってきました」と涙ながらに言う。旅人は悲しくなったが、ふと懐で触れたさっきの鏡を出すと女の腕が写り、それは毛むくじゃらだった。火を焚いて化けの皮をはがそうとすると女は火を嫌がり、饅頭をすすめた。旅人が半分に割いて女にすすめると女は腹を痛がり泣き出した。旅人はまだ馬鹿にする気かと棒で女をたたきつけようとすると狐は正体をあらわして逃げていった。いつの間にか明け方となり、旅人は「おはまやー、与助やー」と叫び、鏡を見ると、宵の明星がピカピカと輝いていた。
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オグリハンガン 1935年 三重県 小栗判官という武士が、宴席で謀略により毒を飲まされ、その為に餓鬼のような姿になってしまったが、薬師如来の霊夢を見て、お告げに従い湯の峰温泉につかり全快した。
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シラコマノイケ,ユメマクラ 1987年 長野県 長者が重病にかかって寝込んでしまった。すると信仰の篤かった娘の夢枕に女神が現れ,「池の底の黄色い花を取って,その花の中で生活すればよい」と告げた。娘が父を連れてお告げどおりにすると,父はたちまち丈夫になった。長者は家に帰ったが,池の底に行った娘は,池から迎えにきた白馬の背に乗せられて池の底に沈み,二度と姿を現さなかったという。池の名前は白馬にちなんでつけられた。
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ユメ,クマノゴンゲン 2003年 沖縄県 安谷屋村の夫婦が年貢を納められずに、妻の方が働きに出ることになった。夫婦は不朽の契りを交わした後に別れ、妻は髪を切って売っては香花を買って参詣していた。ある時、参詣していると老人に会い、荷物を預けられた。しかし、その後老人に会えず、妻が会えるように祈願したところ、夢に現れて熊野権現であることを告げた。預かった荷物を開けてみると、中には黄金が入っていたという。
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オニ 1963年 徳島県 昔ある所に仲の良い夫婦がいたが、女房が魚と大量の飯を食うので怪しんだ夫が、隣に住む神主に偵察させると、女房の正体は頭の割れる鬼であった。正体を知られた鬼は男達を食い殺そうと追いかけたが、生えていた蓬と菖蒲で殴られると倒れてしまった。
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ママノカネヨメ 1965年 山形県 ままを食わずによく仕事をする嫁を不思議に思った男が、ある日梁の上から嫁を観察した。嫁が髪の中をざぐっと開けると口があり、大鍋で焚いたままを流し込んでいた。男は嫁を里に帰す途中で食われそうになったが、蓬と菖蒲の生えた所に逃げ込み助かった。
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キツネ 1974年 東京都 午八月二十七日早朝、ある男が道で寝ていた4匹の白狐を驚かし、狐は逃げていった。すると雨が降り出したのでいつも休む家へ行くと、女房の棺桶を主人が担い出すところであり、留守を頼まれた。家の中にいるとその女房の霊が出てきて、男の腕に食らいついた。近くの百姓が、その男が川の堤を上り下りしており、血だらけであるのを見た。狐に化かされていると思い、水をかけると、男は正気に戻った。そして小豆飯に油あげをそえて狐に謝りに行った。実際には雨は降っていなかったが、腕の傷は本物で、その後も痛みに難儀した。
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カレルイズミ 1932年 滋賀県 蒲生郡武佐(むさ)村には、涸れない泉がある。昔、ある秋の末頃、お百姓たちが野菜を洗っていると、醜い風体の乞食坊主が通りかかり、足を洗わせてほしいと頼み込んだ。にべもなく断ると、坊主はじっと泉の面を睨みつけて、悄然と立ち去った。以来、毎年秋の終わりになると、涸れないはずの泉の水が、すっかりと涸れ上がってしまうようになったという。
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(ユメノオツゲ),チゴイケ 1990年 長野県 ある時、刈谷原峠を母娘が通りかかったが、母親が倒れた。付近の家で休養したがなかなか治らず、幼い娘は一心に介抱した。ある日、夢で「近くの泉でおがみ、となえごとをしろ」とお告げがあり、その通りにすると目の前に母親への食べ物と薬があった。母親はすっかり元気になり、娘と共に善光寺へ向かった。
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ハクイノソウ 1954年 鹿児島県 ある女性が先手川で洗濯をしていると汚い白衣の僧が来て宿を尋ねた。本家の場所を詳しく教えてやったが、その僧は本家に泊まらず、その姿を見たものもいなかった。ところが、それから女性の家の天井から時々銭が落ちてくるようになった。
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