クリノゴンゲンノインモウ 1928年 群馬県 慶長の頃の洪水で神流川が洪水を起こしたとき、川の板橋に怪しい長い毛が流れかかった。長さは33尋(およそ50メートル)あまりあり、色は黒く美しく艶やかだったが、何の毛かわからなかった。そこで巫女を招いて占わせてみると、この毛は同村栗野権現の流した陰毛だというので、同社へ送り返したという。
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シンモウ 1928年 徳島県 彌都波能売神社には神毛にまつわる信仰がある。この神毛は一筋の長い毛であり、普段は麻桶の中に安置してある。神慮の穏かでないときは、その毛が二岐に分かれで伸び、桶を押し上げて外に出るほどになるという。神意が和むと元に戻るのだと里の人たちは語っている。
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ゴミシロウザエモンノツマ 1961年 山梨県 慶長年間の頃、五味四郎右衛門の妻は、生涯を通じて湯を嫌って水を用いてきたので、人々に竜女といわれた。また、この人は陰毛が竜神となる前触れの毛の丈だった。この一子は出家させられたが、それが日実上人だという。その後、婦人は妙な霊夢を感じて陰毛を3筋切り取り、女に与えて我に祈願をすれば、水難をのがれ、安産になるようにする、もしこの祈願に偽りがあれば、何年か経って不思議なことがある、その時には身延の常経と御嶽山と妙伝寺に必ず献納するようにといい、雨がはげしく降る日に釜無川に消えるように入った。その長毛を子安大明神として帯那の妙伝寺に祀ってある。
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(ゾクシン) 1982年 新潟県 一般に船霊様は女だといわれているが、名立町では、不漁のとき女性の髪の毛を船長室に飾ると必ず大漁になり、また災難除けになる。
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レイ,シットノウラミ 1957年 熊本県 昔、聖が室女を盗んだ時、守の女房が簀巻にして佐牟田川に沈めた。その霊を木未妙見社に祀った。一説には、当初地頭某の妻が嫉妬の怨によって入水して死んだ霊を祀ったものともいわれる。
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ミズゴイジゾウ 1990年 長野県 元禄3年より前に、原本村の丸山家で井戸を掘ったところ、地蔵様が出てきた。村で地蔵を建てて祀った。水の欲しいときにこの地蔵様を女鳥羽川に投げ込んで祈ると、雨が降ったという。
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カリヤスミョウジン 1956年 宮城県 もと赤沼大明神といって沼のほとりに祀られた水神。昔、身に錦をまとい、宝冠を頂いた気高い1人の女行者が村に来て、一夜の宿りを乞うたが、見慣れぬ高貴な姿の上、出産間近い身重な様子を見て宿を貸す者がない。女が軒の下でもいいからと頼むと、年老いた夫婦が哀れに思って世話をしてやり、経塚で子を産んだ。この子は神であった。刈安草を敷いて生まれたので刈安明神という。このあたりは刈安草が多く、これを染料としたものは、他所のものと比べ甚だ佳品である。
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シロヒゲノロウジン 1942年 山形県 白鬚明神について万治2年の大洪水に、白鬚の老人が、水上で座禅をしつつ、流れていったという話がある。
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イナダヒメ,カイコウ 1928年 長崎県 元亀元年、田結村は大海嘯に襲われた。刈りつけられた稲が流出しそうになったとき、稲田姫の神霊が現れ、夜陰の嵐の中、点々と怪しい光を見せた。その翌朝には風がやんで、水は引いた。そのとき、村の稲はことごとく竹で結び付けてあったという。
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ショウベエジゾウ 1987年 長野県 昔,庄兵衛という人が牛が淵で雨乞いをした時,荒縄で縛った地蔵様を沈めた。するとどうしても上がらなくなってしまったので,庄兵衛は水底に取りにいった。そのまま上がって来なくなってしまったので,「庄兵衛地蔵」として祀った。
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アマゴイジゾウソン 1987年 長野県 昔,雨が降らないときには村の四辻に座っている大きな丸い黒石をがんじがらめに縛って千曲川に放り込み,雨を降らせてくれるよう祈った。するとその夜更けから大雨となったという。黒い石は引き上げられて丁重に祀られ,「お助け地蔵尊」とか「雨ごい地蔵尊」とか呼ばれた。今でも農家の人たちが「水神様」として祀っている。
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カメ 1940年 神奈川県 ある武士の主従が落ち延びてきた時、従者は主人の首が敵の手に落ちる前に主人の首をはね、檜橋付近の河中に隠して一旦落ち延び、事が鎮まった後に戻って捜すと、多数の亀に護られて首は無傷のままだったという。ただ、髻に一振りの剣が刺さっていた。これを神体として妙剣社が祀られた。後に神明・諏訪二社と合祀されて山田神社になった。亀は使い姫と認められ、捕ろうとする者はないという。
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オオガメ 1975年 岡山県 60年前に大川という沼を掘っていた時、一升徳利ほどもある頭をした亀が浮かび上がった。昔からここに大亀が住んでいて畳1畳もあるといわれ、川の主といわれていた。川を掘るといつも雨が降るが、それはこの主の怒りのためという。
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フナトノモリミシマシン 1964年 愛媛県 もともと上流の小屋さんの所にあった神体が、洪水で惣川に流れつき、石の上に止まった。ところが、小屋の者がそれを持って帰ろうとしたら、重くてどうにも動かなくなっていたという。
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カッパガミサマノミタラシイケ 1956年 宮城県 磯良神社,通称河童神様の御手洗池はどんな日照続きでも水の涸れることがなく,それが用水堀に続いていた。昔,近所の安彦甚之丞という者が,ある夏仲間と二人で用水堀をくぐって泳ぎ回っているといつのまにか水底から水の無い所に出た。そこには立派な家があり,窓から覗くと美しい娘が機織をしていた。「ここは人間の来る所ではない。早く帰りなさい。」「ここに来た事を三年経たぬうちは人に語るな。語れば必ず禍がある。」と言われたので,夢中で逃げ出すと何時の間にか元の用水堀に出ていた。一人はつい口を滑らせてしまい,原因不明の高熱で急死してしまったが,甚之丞はなかなか話さなかった。
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シンレイ 1935年 三重県 国幣大社多度神社の神鈴にまつわる伝説。明和年間に大暴風雨で山崩れがあり、神の怒りかと住民は恐れたが、その地点から古鏡と鈴2個を掘り出したという。
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ヤシャガミノタタリ 1986年 山梨県 芦安の夜叉神峠には昔、夜叉神という悪い神がおり、その神は体が大きく足が長く、村人を苦しめていた。ある夏に大雨が幾日もつづいて芦倉山が崩れみでい川をせき止めたため、谷が峠の麓まで湖のようになり、ついには山崩れで濁水が流下し、甲府盆地に大被害をもたらした。村人達はこれは夜叉神のたたりであると恐れ、その霊をおさめるために御勅使川の谷を一望できる峠の上に石の祠を造って手厚く祀ったため、夜叉神のたたりもなくなり、村は平和となり栄えたという。
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コトシロヌシノカミ 1961年 島根県 美保神社の御神体は大石で鶏を嫌う。昔、言代主神が姫の下に通っていた時、鶏が早く鳴いたので急ぎ帰ろうとして舵を忘れた。仕方なく舵の代わりに足を海中に入れていたところ、ワニザメに食われてしまったからだ。
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エビス,ダイコク,リュウジン,フナダマ,リュウオウ 1986年 岩手県 各家にはエビス・大黒を祀り、石浜神社の境内には竜神様を祀っている。この場所は、昔、定置網に入っていた死んだ亀を埋めたところだという。進水式の時には、船が3回まわって、「竜神様と石浜の神様へ」と言いながらお神酒を海に注ぐ。船霊としては、女の髪の毛やその他のものを船の中に入れたという。
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ヤマノカミ,オイタアマ,ロウバ,イケノヌシ 1983年 岡山県 尼ヶ山の山頂には池があり、その池の主でもある山の神は、老いた尼の姿をしているという。ある年、日照りが続いて稲がみな枯れそうになり村中で心配していたところ、一人の老婆が現れて、自分を祀れば雨を降らしてやろうと言った。村人がその老婆の姿が見えなくなった池に祈ったところ、大雨が降った。今でも、日照りが続くとこの池に雨乞いをするのだという。
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