ヤマオンナ 1921年 岩手県 容貌の良い若者が急死したが、2,3年後不思議な山女と連れだって歩いている所を目撃された。男が多淫の山女に連れ去られると、初めは厚遇されるが、精力が消耗してくると殺されて食べられる。
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ツツジノムスメ,マショウノケシン,アタタカイモチ 1987年 長野県 若者は,毎晩毎晩細い身で険しい山を越えてくる娘に疑いを抱き,魔性の化身に違いないと思うようになった。娘と関係を続けると,いずれ食い殺されてしまうのではないかと考えた若者は,娘の殺害を決意する。山中の断崖で待ち伏せしていると,娘が疾風のような速さで通り過ぎようとした。若者が踊り出て娘の体をつくと,娘は叫び声を上げながら谷底に落ちていった。その後,娘の落ちた辺り一面に真っ赤なつつじの花が咲き乱れるようになった。娘の血が花と化したものだという。
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オニ,セキ 1979年 昔から「人が死ぬと鬼となり、鬼が死ぬと聻となる」といわれている。
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オンナ 1921年 岩手県 上閉伊郡上郷村に住んでいた美しい娘が急病で死んだ。その3年後、六角牛山という深山に狩りに行くと、女がいて、死んだようにみせかけられ、人ではない夫に連れてこられたのだという。狩人はこの話を他の人にすると、女の命も自分の命もなくなると言われた。
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リュウ 1932年 奈良県 ある美男子の許に、ある夜美しい女が尋ねてきた。2人は夫婦となり子も生まれたが、男は妻について、草履が濡れている事と、井戸で水鏡をしている事を不審に思っていた。ある時それを尋ねたら、妻は亀山の原の池に牡竜とともに住む牝竜の化身であり、池が井戸とつながっているのだと言い、池へ帰ってしまった。池を訪れ妻を呼ぶと牡竜が現れ男を食おうとした。逃げ帰ったが病に倒れ子とともに死んでしまった。
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ダイリュウ 1932年 愛知県 決まって風雨の夜に、ある家の娘の元へやって来る美男子がいた。これを怪しんだ家人が、男の衣服に糸を結わえて後を付けたところ、大龍の棲む底なしの池へと入っていった。家人は暗澹たる気持ちになったが、間もなく、娘は蛇の子を沢山産んで亡くなった。
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ウツクシイムスメ 1986年 愛媛県 昔(戦前)お巡りさんが山の中で美しい娘に会った。朝まで一緒に寝ていたが、気がつくと一生懸命木の株に抱きついていたという。自信のある人でも化かされるという。
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ヘビ 1974年 和歌山県 昔、美人がおり、美しい若者が通ってきた。誰一人その姿を見た者がいなかったので、若者の着物の裾に糸をつけた。翌日糸をたどると、大きな川池に続いていた。その正体は蛇だった。美人な娘は俵一杯の蛇の子を生んだという。
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ムカエニクルフネ 1990年 高知県 人が死ぬときには、先祖など身近な人の霊がきれいな身なりで船に乗って迎えに来る。
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サソヒガミ 1931年 長野県 人に誘い神がつくと、どんな人でも死にたくなって長生きはできない。急病人が出てお医者を呼びに行った帰りに首をくくって死んだ人のことを、村の人は誘い神に憑かれたのだと言った。
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カンアタリ,マモノ 1933年 沖縄県 死はほとんど外界からくる霊感や魔物の祟りと信じられていた。例えば神が通行されるのに出逢ったりするのを「神当り」(カンアタリ)と恐れ、病気を煩って死ぬという。また祖先の祭祀を怠ったり墳墓などがいたんだり、祖先の苦痛を感じなかったりすると直ちに病になって死ぬとする。
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ヤマノカミ 1989年 鹿児島県 山の神は女性なので、男の人は山に入るときにある程度身なりをよくして行くが、夫が山へ入るときにいつも身なりをよくしていくので、妻が山に誰かいい人がいるのではないかと思って様子を見に行ったところ、夫は谷淵できれいな女の人に支えられて仕事をしていた。妻が声をかけると、女の人はぱーっと消えて、夫は谷に落ちて死んでしまったという。
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ダイジャ 1937年 岩手県 ある娘が林の中の清水に顔を映して見ると、若い美男の顔が映っていた。娘は恋に落ち、日に日にやせていく。熊の権現のお告げどおりに清水へ行って次第を語ると、風雨、震動雷鳴ものすごく、権現の名を唱えるとおさまった。20尋ほどの雄雌の大蛇が互いにかみ合って死んでいた。雄蛇が娘と契っているのを雌が知りかみあったという。それぞれを祀った。
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タヌキ,ムスメ 1938年 長野県 男が森に入ると狸が美しい娘に化ける。男は気づかずに娘と山の中へ入っていったが、娘は狸に戻り、男は逃げ出した。
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ヤマノカミサマ 1977年 青森県 夫が山に木を伐りに行って帰らないので妻が心配して見に行くと、美しい女の人が、木の上で作業をする夫を支えている。妻が声をかけたら女は消え、夫は木から落ちて死んでしまった。女は山の神だった。
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ツツジノムスメ,マショウノケシン,アタタカイモチ 1987年 長野県 山口に暮らしていた美しい娘が,毎夜太郎山や妻女山を越えて男のもとへ通っていた。いつも温かい餅を持ってくる。これを不審に思った男は娘に問い詰めた。すると娘は男に会いたい一心でやってくるという。しかしますます疑いを深めた男は娘の殺害を思いつく。待ち伏せしていた男は,裾をひるがえして駆け登ってくる娘の姿を目撃し,谷底に突き落として殺害した。それから娘が落ちた辺りには,真っ赤なつつじが咲き乱れるようになったという。
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シシャノレイ 1989年 三重県 死者が嫁の場合、その霊は必ず生まれ故郷に帰る。
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(ゾクシン) 1973年 三重県 葬送に関する俗信。人間が死ぬと、犬・猫・蝶・とんぼに生まれ変わる。だからこれらが家の近くに来ると死者が来たといい、とることを禁じられているという。葬式で着た着物をすぐにしまうとまた葬式があるといい、少し間をあけてしまう。人間が死んで七日経つと、その魂は善光寺へ行くので、死後一週間以内に善光寺へ行くと死者の声が聞けるという、など。
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カラス 1966年 沖縄県 今から300年前、玉城村に美しい祝女がいた。しかし薩摩の侍に気に入られ、薩摩へ連れて行かれてしまった。与座、照屋、百名、玉城、富盛、糸満の七村の祝女たちは、彼女を返してもらいたいと侍に懇願したが上手くいかない。そこで祝女たちは、死んだカラスをタライに浮かべて、これが沖縄に向かったら彼女を返す。それ以外であったら諦めるといった。死んだカラスが動くはずもないと思った侍だったが、不思議にもカラスは沖縄に向かい、祝女は帰ってきた。
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アカマタ 1929年 沖縄県 昔、美貌の娘が美青年に恋をしていたが、針に長い糸をつけてその男の正体を確かめると、山の奥に住む赤又という蛇であった。村の風習で海に入ると、女は蛇の子を産んだ。以来、3月3日の大潮の日に娘たちは海に入ることになった。
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