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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

アマガエル
1979年 鳥取県
母親の言うことの反対の行動しかしない偏屈な若者が、死ぬ間際に母が言ったことだけを真に受けて母の亡骸を川端に埋めた。近所の人から本当は山に埋めてもらいたかったのではないかということを聞いてから、若者は雨蛙になり、雨が降ると「お母さんの墓が流れる」と鳴く。

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アマノジャク
1931年 愛知県
アマノジャクはいつも親の言うことと反対のことをした。母親は、死ぬとき、川へ投げよと言えば反対に野に埋めるだろうと考え、そう言い付けた。しかしアマノジャクはこのときだけは母親の言い付けを守った。けれども命日のときに困るので、川から引き上げようとしたが見つからず、トンビになって死体を探している。
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ムエン
1960年 兵庫県
ムエンとはカワセミの事で別名ドジョウホリとも言う。前世は、綺麗だが天邪鬼で反対の事ばかりする娘だった。父親はわざと「死んだら山に埋めず川に流してくれ」と遺言する。娘は遺言通りにした後父の真意を知って後悔し、今も川の上を飛び、地に深い穴を掘る。
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タマシイ
1944年 山梨県
末の弟が水死した。不思議に身体は暖かかく、母親は埋めるのを嫌がった。葬式の晩、母親が急にいなくなり、探すと墓場を手で掘っていた。ある日、またいなくなり、探すと浜にいた。「死んだ息子が波の上に立っている」といい張り、まもなく母は死んだ。
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リョウシノボウレイ
1982年 宮城県
漁師が難破して覚悟を決め、供養の金を胴巻に巻いたまま浜に打ち上げられた。見つけた人は金だけとって死体を海に打ち捨てた。金を取った人は金持ちになり、子どももできて幸せだったが、子どもがいなくなってしまった。回国様に聞くと恐山にいるという。行って寺の和尚に相談すると、「その子を呼んでやるがわしの衣の陰から出るな、決してすがるな」という。やがて子どもが来て和尚に「自分は漁師の亡霊の生まれ変わりだ」と言った。金を取った人が泣き崩れ、気がつくとそこは寺ではなく衣杉の下にうずくまっていた。その人は家には帰らなかった。
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(ユウレイ)
1967年 愛媛県
ある女性が妊娠中に死んだとき、二晩続けて出て来て「お棺の中に水が入って冷たい」と言った。掘ってみたらそのとおりだったので、埋葬しなおした。
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カッパ
1913年 岩手県
昔、家の主人が川童に、もし川の流れを変えたら一人娘をやろうと約束した。翌日、川の流れが変わっていた。そこで主人は、川で洗濯をしていた召使いの女を後ろから突き落とした。すると女は、川の真ん中に立ち上がって、汝の家に男を立たせぬと叫んだ。それでこの家は男が生まれても20歳になる前に死んでしまう。
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カムロスイジン,オカヨ
1984年 長野県
乞食の娘が金持ち夫婦に養育された。ある時友達から乞食であったことを知らされ行方をくらます。葬式をした夜に娘が夫婦の枕もとに立ち、淵の主になったので死体を捜さない事、赤い帯と下駄がほしい事を伝えた。以後淵に雨乞いすると雨が降る。
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キツネ
1989年 長野県
ある人が飯田の方へ行ったとき、昼寝していた狐に石を投げたら当たった。狐は痛そうな泣き声を上げて山の方へ逃げた。帰路、狐の寝ていたところに来るとにわかに薄暗くなり、日が暮れた。困ったと思っていると、向こうから弔い行列が来る。怖くなって道端の木に登ると、木の回りを回って、根元に棺を置いて火を焚いて帰っていった。棺が焼け落ちると中から死人が出てきて、木を上ってきた。その人がてっぺんまで上ると枝が折れて落ちた。悲鳴を上げると、辺りは元通り明るく、その人は土手の下に落ちていた。
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トイギキ
1984年 新潟県
可愛がっていた子どもの弔いの時に、棺が「三途の大川」(雨垂れの落ちる所)を越えたときに、生前大事にしていた玩具を入れるのを忘れたと、母親が呼び止めて戻した。四十九日を過ぎてから母親がトイギキに行くと、呼び止められてなかなか三途の川が渡れず、他の人からも遅れてしまって容易に仏の元へ行けない。自分を供養してやろうと思ったら、どうか和尚さんに着物を上げてくれ、と霊媒から告げられた。
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ユメ,タケブエ
1980年 香川県
継母は継父と相談して2人の継子を殺すことにしたが、死んだ実の母親が娘の夢に現れてその計画を告げ知らせた。娘はある和尚に助けを求め、殺されずに済んだ。しかし息子は和尚が駆けつけた時すでにゆで殺されてしまっていた。息子を埋めた場所には竹が生え、その竹で笛を作ると、実の父親に会いたいと言って泣くのだという。
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ヌレヨメジョウ(ユウレイ)
1973年 鹿児島県
昔は難産死する女性が多かったが、もし子供が生まれないうちに母親が死んだら、夫は腹を鎌で木って子を出してから埋葬した。そうしないと埋葬したあとにヌレヨメジョウ(幽霊)になって出るという。子が生まれてから両者が死ぬと、子は母親に抱かせて葬り、1本墓石を立てた。
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サル
1941年 秋田県
猿との約束に従い、爺様は末娘を嫁にやった。娘は機転をきかせて、猿を河に落とした。猿は辞世を詠みながら流されていった。
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ボウレイ
1943年 青森県
2人の娘がボート遊びをしていて転覆し、1人が死んだ。彼女は両親とも博打を打つので苦労していたが、彼女を妬んだ同級生がそれを理由にいじめた。彼女が死んだ頃には、いじめた方も家を出て働いていて、彼女が死んだことさえ知らなかった。しかし、毎晩夢にうなされて、病気のようになって帰郷した。娘を見ていた母親が亡霊に憑かれていると気づいて、死んだ娘の墓に1袋のゴマメを供えたところ、その後亡霊に悩まされることはなくなった。なお、こういう場合、供えるゴマメは、頭のないものは駄目で、供えるときも人に見られたり気づかれたりすると効果がないという。
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オオドロドジョウ
1939年 新潟県
情深い男が、川で大泥鰌を釣って驚いてすぐに墓を立てたが、その夜に美しい娘が現れ、今日は成仏ができてうれしかったと礼を言った。この男は長生きしたと言う。
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サル,サルムコ
1974年 滋賀県
猿が田んぼに水を入れてくれたので、娘を嫁にやらなくてはならなくなった。娘は猿に茶壷背負わせて川に突き落とした。
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(フコウ)
1976年 長野県
慮平という不孝甚だしいものがいた。その父親が死ぬ時、必ず近くに変事があるだろうと言い残したが、当年に及び、母親が発狂して慮平の不孝ばかりを口走った。その声や所作は父親のようであった。その内、母親の体に鱗のようなものができ、天竜川に連れて行けと言うようになったので、牢を造り閉じ込めた。すると慮平も発狂し、牢に向かって得も知れぬことをいって苦しむようになった。
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ゴウラン
1981年 和歌山県
話者が小学生のときのこと。川で泳いでいた子どもが溺死して、尻からモヤモヤしたものが出ていたのでゴウランに尻こ玉を抜かれたということになり、皆でいぶり出してゴウランを殺した。大きな笠を被った、胴ばかりで足のないヌルヌルしたものだった。それを軒に下げていたら、大勢が見物に集まった。その家の隣のお婆さんが「ゴウランとは妙なものだ」と呟くようになって、しばらくしたら産気づき、ゴウランの子を産んだ。周りの人が、本人には知らせずにその子を殺してしまった。
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シレイ
1976年 鹿児島県
砂地に埋葬すると3、4年で改葬(洗骨)できるが、赤土に埋葬するとなかなか白骨にならないので改葬できない。それを理由に改葬しないでおくと、死んだ母親が「早く改葬しないと水につかって寒くてたまらない」とユタを通して告げたという。
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ジュリ,ジュリハカ
1973年 沖縄県
失恋により竹林奥深い所にて自殺したジュリ(遊女)の歌声が山にいた若者達に聞こえたので、若者達は墓を作ってやった(ジュリ墓)。この後、女の声は聞こえなくなった。
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ダイジャ
1967年 福島県
川が二股に分かれているうちの、低いほうの川原に家が一軒あり、どんな洪水にも水は家に上がらないが、昔は水が出るたび流されていた。母親は嘆息し、家が流されずに済むなら、3人娘の1人を淵の主にやってもよいとつぶやいた。その後、毎日のように若侍が尋ねてくるようになり、水難はまぬがれるようにするから娘を欲しいといった。それから、娘が時々いなくなるので不審に思い、ある時娘をつけてみると、淵の傍に大蛇が巻いている中に座っていた。母親は驚き帰ったが、若侍の訪問は止まないので娘をくれてやった。幾日か後娘たちが泊まりに来た夜、私の姿を見ないでくれという。恐る恐る見てみると2匹の蛇がいたので肝を潰した。娘は姿を見られたことを悲しみ、再びお目にかかれないと、形見に片方の下駄と鱗を一片残して去った。
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