オサキ 1975年 群馬県 大正の初め頃、中年女性が庇から落ちて腰を打ち寝込んだ。庇の下にオサキの毛が落ちていたのである家のオサキの仕業と判断した。その家の女主人は気象が激しく、憑かれた女性が裁縫上手であること、子沢山である事を恨んで憑いたと推定された。
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カワウソ 1966年 新潟県 村松町から仕事にきていた中年の女の人が家に帰る途中、大蒲原の先の道で女が寝ているのに出会った。提灯で照らすと女の人は消え、林の中に青い火が見えた。その後、その女の人は寝込んだ。カワウソの仕業だろう。
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カワウソ 1966年 新潟県 ある人が、夜、酒を飲んで町から山越えして帰る途中、後ろから誰かにバリツカレタ。家に着いて見ると、肩に足跡がついていた。カワウソの仕業だろう。
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キツネ 1987年 埼玉県 越生郵便局の配達人が配達の折、狐が出てきて長い尾を振った。化かされると思った配達人は怪しい者ではない旨を狐に伝えたところ、お狐様はのそのそと遠ざかって行ったという。
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カワウソ 1976年 新潟県 1935年前後のこと。ある人が夜道、自転車を押して上り坂を登っていると、背が高く顔が驚くほど白い、縦縞の着物を着て網笠を被った女が、杉の木に寄りかかって横顔を向けていたので、怖くなって夢中でハンドルを握ってしまったら、自転車が壊れて崖から落ちてしまった。カワウソの仕業かもしれない。
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ヤマンバ 1932年 愛知県 文明年間のある8月の夜、郷士が犬を連れ狩りに出た。犬が騒ぐので弓を用意しながら尾張富士の頂上の本宮の社へ出た。そこには身の丈1丈あろうと思われる大女が拝殿に向かって立っていた。矢で射ると地が揺らぎ、不気味な風が吹き、血の跡を残し女の姿はなくなった。その跡を追うと知り合いの家へ続いていた。何か変わった事はないかと問うと、妻が今暁から病気であるという。寝床を確認すると姿は無く、和歌が書き付けられていた。
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ムジナ 2001年 新潟県 下新穂を夜通ると、狢が白い手拭を被った赤い腰巻の女になってつきまとった。郵便配達の人が、悔しくて急に車で押したら、ギヤッと言ってそれきり出なくなった。
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オオグチナワ 1968年 奈良県 昭和12・3年頃、郵便配達夫が犬と一所に歩いていたら、大きな蛇が山から下りてきた。蛇は鎌首をもたげて犬に襲いかかってきたので、郵便配達夫は杖で殴り殺した。
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ヤマンバ 1975年 山形県 山に大きい足半が落ちていたので山姥のものかも知れないと思い持って帰ると、翌朝恐ろしい声で返せと呼びかける者がいる。八尺はある桟間に足半をおくと、外から熊のような手がのびて取っていった。山姥は雲のような大女であろうとの噂。
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ネコタノコウシンヅカ 1956年 宮城県 郷士阿部某の娘が夕方向山の北裾の山路を通ると,突然身の丈6尺程の大猿が現れ,娘は失神してしまった。翌朝家人が失神している娘を見つけ,家に担ぎ込んだが,娘は日増しに痩せ衰えていく。ある日村の若い衆が見舞いにきて娘の額に手を当てようとしたところ,突然男の頭に柿の実が飛んできてぶつかった。見廻しても仲間しかおらず,翌日も同じ事が続いたので三日目には見張りをつけた。一人が娘の額に手を触れると,突然屋根裏から南瓜が投げ落とされる。上を見ると天窓から大猿が歯をむき出していたので,大勢で追いかけたところ向山のほうに逃げてしまった。その後も,見張っていないと大猿がやってくるので,刈田岳のマタギに頼んで大猿を撃ち殺してもらったが,同じ時刻に娘もあっとうめいて息を引き取ってしまった。その後村人は娘と猿の供養のために山の北麓に庚申塔を建ててやった。初め猿田の庚申塔といっていたが,現在では猫田の庚申塔といわれている。
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キツネ 1991年 静岡県 郵便局員が狐に化かされ、山道を何日もさまよっていた。つい最近のことと言う。
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キツネ 1939年 青森県 郵便夫の男の帰りが遅いので、ある男が迎えに来た。迎えに来た男が見知らぬものなのであやしんでいたが、やがて狐であることに気付き、煙管でなぐるとそれは木の根であった。
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キツネ 1973年 三重県 昔、山仕事をしていた男性が、女性の家に柴を運ばせた。遅れて家に帰ると、女性がいない。狐にやられたと思い祈祷師に尋ねると四日市の方にいるという。数日後、男性は四日市に探しに行った。すると宿に巡査が女性を連れてきたという。
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タヌキ 1976年 新潟県 1925年ごろのこと。材木を筏に組んで津川まで運んでいき、酒を飲んで帰る途中、夜道を行くと今まで無人だったところに、急にかすりの着物の女が現れた。これは化かしに来たんだと思い、少し行ったところの坂を下るときに、4mくらいある筏竿を道路にぶつけて脅した。すると狸がおどろいて田んぼに逃げ込んだので、それを捕まえたという。
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キツネ,イナリ 1973年 文化6年冬、ある人の夢に狐が現れて言うには、私は本郷4丁目糀屋裏の稲荷の子であるがわけあって帰れない。居所もないので下女を借りたい、と。翌日からその下女は5人分の働きをし、普段はできない針仕事までし、天気や来客の有無も当てるようになった。
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タヌキ 1992年 奈良県 朝の薄暗い時に納屋に柴を取りに行ったら、隣の娘さんが黄八丈の着物を着て駒下駄を履き歩いていた。娘さんは下を向きながら歩き、角を曲がった。しばらくしたら、狸が走って出てきた。夜が明けてから娘さんに尋ねたが、その時間には出歩いていなかった。狸が娘さんに化けたのだろうと言っていた。
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ダイクノニョウボウ 1988年 埼玉県 門の柱を短く切ってしまった大工が、女房の助言を得てその通りにしたが、口止めのために女房を殺してしまった。しかし夜になると鬼門から女性が出てくる夢を見るようになった。それから大工は鬼門の方角に矢を向け、女性に似せた姿を角材で作るようになった。
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キツネ 1952年 山梨県 方丈様が帰ってくる時、昼間なのになぜか真っ暗になった。仕方なく横になっていると、女に化けた狐が馬糞の団子を持ってきて、食えと強いる。「これは狐じゃないか」と膝を叩いたら暗闇が消え、お天道様が照っていた。
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タヌキ 1962年 大阪府 数十年前、ある人が婚礼の折り詰め弁当を下げて大阪市大病院まで帰る途中、向こうから提灯を下げた番頭が迎えに来た。折り詰めを渡して歩いていたが家に着かない。朝になると道端の草の上で寝ていることに気付いた。狸に化かされたと思った。
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ユメ,カラス,チョウ,ガ,ヤネノトタン 1988年 群馬県 父親と山に行き、恐い者に追いかけられる夢を見た次の日、父親が事故にあった。その日、家の屋根にはカラスがたくさんとまっていた。棺の中から黒い蝶が飛び出したり、引越しの時に大きな蛾がついてきて、天井裏に張りついてミイラになるまでとまっていたりした。
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