キツネ 1987年 長野県 息子に唐傘を持たせて畑にいる婆の所に届けさせたが,息子はまるっきり別の方向に行っていた。息子によると,途中で「こっちに来い」と呼ぶ者がいて,そちらのほうにどんどん進み,気がつくと道の脇に腰掛けていたと言う。かさはとられてしまっていた。狐に騙されたのだという。
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タヌキ,ワカイオトコ 1978年 和歌山県 昔、娘が紙を梳いていると、若い男が呼ぶのでそこへついていった。帰りが遅いので村人が探しに行くと、娘は木の株のところでぼけっと座っていた。狸が若い男に化けて娘を騙したのだろうといわれた。
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タヌキ 1974年 和歌山県 山芋を掘りに行ったおじいちゃんがいくら経っても帰って来なかった。迎えに行って大声で呼ぶと、遠い所で答える声がした。しばらくすると、近くの田んぼにおじいちゃんがいた。狸にだまされたのだという。
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タヌキ 1978年 和歌山県 おじいさんと息子二人で山へ行った。お昼を食べて仕事場へ帰るとき、息子たちが後ろを見るとおじいさんがいない。おじいさんは狸にだまされて三日三晩山をさまよったのだった。
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タヌキ 1970年 高知県 商売に行った帰りに山の下で「おかあちゃん」と呼ぶ声がした。いくら待っても会えないので帰宅すると、子供は先に帰っていて、迎えになど行ってないという。おそらく狸が声をかけてきたのだろう。
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タヌキ 1987年 富山県 実家から婚家に戻るとき、雪の中を上って行って、「むかえじゃあ」と叫んでいた。連れ戻しにいったが、おそらく狸に憑かれていたのだろう。
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キツネ,キツネビ 1979年 山梨県 子供が夜遅くまで隠れんぼをしており、親が捜しに行って呼ぶと、下の方で返事をするので行ってみるが、次は上の方で返事をする。そうしているうちに夜が明けた。子供はすぐそばにいてじっとしていたという。捜しに行った親がキツネに化かされたのである。
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キツネ 1991年 奈良県 ある家の息子が突然山に行った。山に探しに行ったら寝ていた。話を聞くと、素麺をご馳走になって寝ていたのだという。けれども素麺ではなく、食べていたのはミミズだった。狐が騙していたのである。
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キツネ 1970年 新潟県 子供が帰宅しないので探しているとようやく見つかった。子供は狐にさらわれ、馬の糞をぼた餅だと言われて食べさせられたと話した。
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キツネ 1937年 新潟県 別れた夫の事が忘れられない妻の元に、夫が現れて思い残した事や家を出た事を詫びた。妻は子供に会わせると言って連れて来たが、既に夫の姿はなく、周囲には犬の足跡があった。妻は夫に化けた狐に騙されたのだろう。
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キツネ 1991年 石川県 ある男の人が狐にだまされて行方不明になった。太鼓を叩いて探したら山で見つかった。木の実なども食べていたが、狐に騙されて糞を食べさせられたのだろう、ということになった。
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(タヌキ) 1938年 福島県 ある人が友達と釣りに行っていたところ、ある人の家で婆さんがその友達の声を聞いたが、その頃二人は釣りをしていたという。(片目の狸が化けたのだろう。)
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キツネ 1972年 奈良県 子供が行方不明になる。おばあさんが「あんまり見つからんようやったら、犬を連れてくる」という。途端に子供が泣きながら出てきた。狐にだまされたらしい。
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タヌキ 1929年 愛知県 山の上から鉈箱を鳴らして降りてくるものがいる。村のものかと思ったが、姿を見せないので声を掛けたり石を投げたりすると、山の上のほうへ行く。足元でも音が聞こえたので、初めて狸にだまされたことを知ったそうだ。
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キツネ 1930年 長野県 夜中に人の呼ぶ声がするので表へ出て返事をすると、気持ちが悪くなり家へ入るなり寝てしまった。次の朝、上の家のお祖父がいなくなったというので探すと、下の家のところで寝ていた。狐にだまされたらしい。お祖父の足跡とともに狐の足跡がついていた。
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タヌキ,ムジナ 1933年 長野県 夕方、草取りから帰るとき、美しい娘に逢い「家に病人が出たのですぐ帰るように」と言われた。そこで慌てて帰ったらいつもと変わりなかった。狸か狢にだまされたものである。
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キツネ 1983年 岩手県 1930年前後のこと。話者の母は炭焼き小屋にいる息子に夕飯を持って行って、行方不明になった。夕飯が遅いので息子が心配して足跡を追うと、その脇に狐の足跡が附いていた。母を見つけたときには夕飯は食べられていた。
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タヌキ 1992年 奈良県 狸がきれいな着物を着た娘さんに化けて出てきた。男の人がついていったら、寂しい所に連れて行かれた。そして男の人は険しい崖を上って帰ってきたという。
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タヌキ,ムジナ 1933年 長野県 夜明け頃、家の中から赤子の声が聞こえてきた。けれども家の人は誰も知らないでいたという。狸か狢の仕業だという。
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タヌキ 1983年 愛媛県 狸に騙されて行方不明になると、村総出で太鼓をたたきながら探す。見つかってもふぬけになっていることが多かった。
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