クロニュウドウ 1938年 福井県 雨が降る夜に歩いていると、松の木の横から黒装束に白い草履を履いた黒入道が出てきて笑うという。恐ろしいので、下から見上げるとますます大きくなっていく。その正体は古狸といわれている。
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オオニュウドウ 1964年 福島県 山で親とはぐれてふと見ると、2メートルほどのかやの上から、とんでもない大入道の胸より上が出ていて、大きな目をむき、けろっ、けろっとにらんでいた。こぶしはからだの両側にたれ、からだには毛がふさふさと生えていた。かがんで覚悟していると、入道は少し歩いてそのまま上のほうに上がっていった。
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オオニュウドウ 1975年 岐阜県 夜中に藪を歩いていると大入道が出て、ニタリと笑った。
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ヤマンバ 1991年 香川県 米を運んでいる途中、馬が動かなくなったので不思議に思った馬方が周りを見ると、松の枝に何かがいて声がするので答えると、馬鍬の歯のような口をした大きなものが木の枝で笑っていたという。
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オオニュウドウ 1991年 竹薮に来ると、目の前に大入道が立ちふさがった。顔はのっぺらぼうであった。驚いて寺の敷地に逃げ込んだ。大入道が出たところには、よく狸がいて大入道に化けて出て、人を驚かせていたという。
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ヘビ 1978年 山梨県 ある嫁が山仕事をしていたとき、休んでいると高い木からヘビが針(舌)を出して血を吸った。村人が見つけて一命はとりとめたが、その人は一生蒼い顔をしていた。
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テング 1936年 岐阜県 山道の老杉の根元で休んでいると、急に頭上に気配を感じた。見ると5,6間上の枝に高さ1尺もある一枚歯の下駄を履いた下半身が見えた。恐ろしくなりひれ伏すと1刻余り何かに押し付けられ動けなかった。
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ヤマジョロウ 1958年 香川県 谷川の渕のほとりで行水している女がいたので声をかけると、その女は唇が耳まで裂け、馬鍬のこのような歯が口元からはみ出していた。
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ノギツネ 1967年 山形県 三蔵院の法印さまが山道の途中で野狐の耳に法螺貝を当てて吹き、驚かせた。道を行くと急に暗くなり、一軒の家に泊めてもらったが、その家のお産寸前のかがが死んでしまった。法印がうろたえていると死んだかがが起きあがって鉄漿(お歯黒)を付け始め、その顔を法印にべたーっと付けた。法印は目を回し、目覚めるとまだ昼日中であった。
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カワジョロウ 1996年 香川県 潮入川の川沿いで、白髪をふりかざした川女郎を見た。その着物も真白で、歯がところどころ見えたお婆さんだった。見た人はぎょっとして、進むことも退くこともできず、たちすくむばかりだった。
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キツネ 1998年 奈良県 朝早く、年寄りが神社にお参りに行ったら、近所の娘がいた。日本髪を結い、絣の着物を着て、お歯黒をつけてお参りをして、ケタケタと笑っていた。実はその娘は本人ではなく、狐が化けていたのだった。
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オハグロジゾウ 1986年 埼玉県 近所に美しい娘が来たので見に出掛け、頬にお歯黒をつけられた。
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カワジョロ 1981年 香川県 大雨が降って水かさが増えると川で女の泣く声がするが、カワジョロだという。また、夜になると渕でカワジョロが髪をとき、こちらを向いて笑うとウマンガ(馬鍬)のような歯が生えていたという。
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タヌキ 1935年 奈良県 ほろ酔い気分で歩いていると美しい女が現れ道を教えると言うので一緒に歩いた。家では帰宅が遅いので心配していた。部屋をのぞくと四つんばいで四隅を這う男の姿があったので、家族は驚いた。狸の仕業だということで、調べてみると狸が通れるほどの隙間が開いていた。
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カアチャン,オレエ(イエ)ノヒト 1968年 山形県 昔あるところに幸せに暮らす夫婦がいたが、お庚申さんの日にお歯黒を付けて、次の日に山に入ったまま帰ってこなくなった。ある時村人達が山で行方不明になった妻と遇った。ふくつの貝を食っているため年を取らず、毎日生血一合や生肉を食っているという。夫が帰って来ると攫われるから早く帰れと勧め、お庚申の夜にお歯黒をすると攫われると教えた。
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ヤマジョロウ 1977年 高知県 ミツジ山にはけがれた人が入るとヘンゲが出る。髪の長い20歳位の女が木の枝に止まりニカニカ笑っているが、腰からしたがない。山女郎である。法を知っている人が2回九字を切ると顔色が変わり、3回切ると風のように消えたという。
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オンナ,タヌキ 1929年 長崎県 老人が隣村からの帰りに、前からやってくる女と会った。知り合いの女だったので声をかけたが、女は笑うだけだった。狸だと気づいた老人は、女の行く手を阻んだ。キャンといって飛び上がると、女の姿は消えていた。後日、老人がまたこの道を通って目的地に行こうとした。全く着かないのでおかしいと思っていると、正反対の方向に進んでいて、山の頂上に座っていた。
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マックロイオオキナモノ 1977年 和歌山県 ある朝、ある人が父親と小屋にいると、何かが大声で笑ったので出て行ってみると、山から真っ黒い大きなものが笑いながら下りてきた。小屋の戸を閉めていると、戸を叩く音がしてキャッと声がした。夜明けに見てみると、鹿の生首が切って放ってあったという。
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アヤシミ,キン 1976年 怪を見ても怪しまなければ、その怪は破れる。ある家の炉に菌が出て家の者が驚いたが、主人が逆さまに生えていたら怪しいと言うと、菌は逆さまになった。主人は菌を笑い抜いてしまった。
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タヌキ 1929年 長崎県 巨人の毛の生えた2本の足が歩いている。捕らえてゆすってみたが動かない。笑い声が聞こえてきて気付いたら、木をゆすぶっていた。狸が化かしたのであった。
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