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怪異・妖怪伝承データベース
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検索対象事例

ハンヅガメ
1972年 鹿児島県
昭和11年の十五夜の夜、畑の中にハンヅガメ(水甕)がでんとすわって、ブーッ、ブーッ、ブーッ、とほら貝を吹いていた。少年たちが土手に登ってハンヅガメのほうを見ると、ハンヅガメはウォーン、ウォーンとないた。十年後、この少年たちが青年となって畑泥棒対策の見回りをしていたところ、ふたたびハンヅガメがウォーン、ウォーンと音を立てるのに遭遇した。

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カッパ,スイコ,ヒョウスヘ,ヒョウスベ
1914年 宮崎県
日向高鍋の某村では、夜になると番小屋の側を数百から成る水虎の群れが通るという。ある人がその姿を見ようと木陰に隠れて待ったが一向に現れず、次の夜、同じ場所で鉄砲を撃つと水虎の飄々という鳴き声が聞こえた。日州で河童をヒョウスヘと呼ぶのはこのためだという。
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オトウカ
1982年 群馬県
明治の初め頃の話。向原の人が大原の市へ行く途中、昼寝していたオトウカを法螺貝で威した。その帰り、酒を飲んで古井戸に落ちた。老夫婦が、助けを求める声を聞きつけて行ってみたが、声は表に行くと裏、裏に行くと表から聞こえて、わからなかった。翌朝、鉄砲撃ちに捜してもらって、古井戸の中に、生きているのが見つかった。オトウカに仕返しされた。
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ブタノコ
1928年 鹿児島県
河海老を取っていた百姓が口笛を吹くと、川上から1匹の豚の子が流れてきた。網にかけると網目から豚の子が小さくちぎれて幾千も飛び出して追いかけてきた。豚小屋の大きな豚の側に隠れていると、豚の子は引き上げていった。
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ホトトギスニナッタオトウト
1956年 宮城県
昔、弟思いの兄と、自分のことしか考えない弟の2人兄弟がいた。ある日兄は芋を掘り、自分はガンタン(芋のつるの下のおいしくない部分)を食べ、実は弟に食べさせた。弟は「俺にこんなにうまいところを食わせたから兄はもっとうまいところを食ったに違いない」と疑り、兄を殺して腹を割き胃袋を調べた。しかしそこにはガンタンばかりだった。その悪業により弟はホトトギスになり、「ポトサケタ、ポトサケタ」と8千8声日に鳴いて罪滅せねばならなくなってしまった。だから日中に鳴ききれないと、夜中まで「ポトサケタ、ポトサケタ」と、血を吐きながら鳴かなくてはならない。
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ヒョウスンボウ,ヒョウスボ,カッパ,ガタロウ
1999年 宮崎県
河童(ガタロウ)を高鍋ではひょうすんぼう、ひょうすぼという。ある春の雨の夜、高鍋の殿様が水源不足に悩んでいると、堀端の茂みから黒い影がヒュルル…ヒュルル…と鳴きながら出てきた。その夜、殿様の枕元に年を経たひょうすんぼうが3匹出て、夢に水源の場所を教えた。用水路が造られ、以来高鍋でも米が豊かに取れるようになった。
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カッパ,ガアランベエ
1979年 岐阜県
子どもの頃、清水が淵へ魚とりに行ったら、ガアランベエがヒキタ(蟇蛙)に化け出て来て、オウオウと鳴いた。
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キツネ
1959年 神奈川県
ある年の秋、村人が稲を収穫していると犬に追われた狐がやってきた。村人の一人が鎌を振り上げると狐は積み上げた稲に登り尾を立てた。すると村人たちは大水が出たと叫びながら騒ぎ出した。遠くの田の人がやってきて教えてやると村人たちは我にかえった。
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コエ,カナガメ
1953年 福島県
夏井川の川岸のある竹藪に、夜になると化物が出るという。「おっかねえ」というようなうめき声が聞こえるので近寄るものがいなかったが、勇敢な若者が確かめると、声は水際から聞こえる。翌朝行ってみると、今にも川に落ちそうに傾いている金瓶があり、中に大判小判がつまっていた。若者は大金持ちになって幸福に暮らした。
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ガメ,コワロ
1929年 石川県
老人が田圃の堰淵に立っていると、小童がこの中へ一寸入ってと話しかけてきた。老人は怪しく思い断ると、ガメも諦めて淵の中へ飛び込んだ。又、ガメが小童に化けた時、その足音がクシャクシャと音を立てるので、注意すればわかる。
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コワンカネエコエ
1974年
ある村の街道で「流れる流れる」と恐ろしい声で叫んで歩く者がおり、村人におそれられていた。勇気ある若者が何が流れるかときくと、「渕の金甕が流れる」と答える。翌朝渕へ行くと金甕が今にも流れそうになっていたが、中のお金は流れたらしく何もなかった。
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メドチ
1966年 青森県
沈みきった世の中になると、オガラカの河童は世直しおどりを始め、その音が湖水一面に響く。その音を聞くと豊年になるといい、昭和40年8月27日の明け方にその音が響いた。
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テング,テンゴウ,サル
1981年 神奈川県
夜更けになるとミミズの歌う唄にあわせて踊る鯉がいた。ある時、若い衆が見物に行ったが、その夜に限って鯉は踊らなかった。帰る途中、お嬢様を車に乗せ、大勢のお供がついた行列が近づいてきた。お供は若い衆を追い散らそうとし、若い衆は逃げ回って倒れてしまった。村民は狐か狸に化かされたのだと思ったという。
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タヌキ
1990年 香川県
夜の12時に、塩田の釜たきが石炭ガラを土手に捨てていたら、海に流れこんでいる川の汐の引いた所で、きれいに帯をしめた娘が、カニを取って噛んでいた。狸だと思って石炭ガラを投げつけたら、変な声を出していなくなった。
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キツネ
1995年 山形県 
道の下の沢のおまんきつね、小学校の下のおしんきつね、西側のおよねきつね、という3匹のきつねがいた。おかんばあさんという人は気丈で「狐になんか化かされない」と言っていた。鮎貝に行くとき、道にあったゴミ袋を「騙されないぞ」と蹴っ飛ばしたら、袋が逃げ出した。橋の下の鴨の群れにも「騙されないぞ」と石を投げたら、鴨は一度に消えてしまった。買物して帰り道、橋の所でばあさんの家の人が提灯を持って迎えにきた。ところがこれがきつねで、ばあさんはとうとう騙されて、尻尾で顔を叩かれて、びっくりして気絶してしまった。
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ガワタロウ
1991年 滋賀県
夏に子供達が水遊びに夢中になっている時、突然大きな水音がした。みんなは驚いて「そーら、ガワタロウが来たぞ」と言いながら逃げ帰った。この水音は土提で寝ていたガワタロウが渕に飛びこんだ音だという。
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オニ,カミナリサマ,ゴロゴロサマ
1933年 岡山県
土用の丑の日に料理していた鰻が逃げ、爺さんが追いかけているとお天道さんのところに登ってしまった。そこにあった大きな家には大鬼がいて、鬼の女房が火打石を打つと稲光が出て、鬼が太鼓を叩くとドロドロドドンドンと音が鳴った。鬼に渡された小さな甕の水を爺さんがちょびっとこぼすと夕立が降った。婆さんが帰ってきたとき爺さんは昼寝をしていて、自分の棹を振り回して寝小便をたれていたという。
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バケネコ,キツネ
1981年 東京都
モリヤの池にはハヤがたくさんおり、毎日釣り人でにぎわっていた。ある日、子供3人が魚釣りに行って帰るとき、どこからともなく「おいてけ」という声がした。子供たちは怖くなり釣った魚をほうって逃げた。そこでおじいさんが確かめにいくと、はたして帰る時に声がした。あたりを見回すと林の中に娘がいた。狐だと思い打ち殺したら、化け猫だった。
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ムジナ,タヌキ
1980年 岐阜県
山小屋を造って生活していた時、夕飯後にガス燈の下で木を伐る音がしており、おかしいと考えているとそのうちの1人が「ムジナだ」と叫んだ。すると音もガス燈も消えてしまった。後で見ると、たぬきが小屋の壁をひっかいていたという。
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サルノヨメゴ
1956年 宮城県
昔、ある家に娘が3人いた。ある年の日照りに、どこの田にも水がなくて困っていると、1匹の猿が来て、「あんたの田に水をいれてやるから、娘を誰か1人くれ」というので父が承知すると、猿は忽ち水をためる。父が猿との約束を心配していると、末の娘が快諾して猿の嫁となる。2,3日後、猿と娘がお舅礼に来る途中、藤の木の前で、父にこの藤の花をとっていきたいと娘が言う。猿は木に登ってとろうとし、娘がもっと先というのにつられ、先まで行った。するとからまった藤のつるが木からはなれて猿は川の中に落ち、娘は無事家に帰ってきた。
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キツネ
1972年 千葉県
山中の鮒田という池で友人と2人フナを釣って帰るとき、畑の中をいくらまっすぐ歩いても家に着かなくなった。魚篭の上を狐が飛んだのを感じ、家に帰るとフナは取られていた。翌日見ると、畑の中に足跡がぐるぐるとまわってついていた。狐に畑の中を歩き回らされていた。
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