テング 1959年 長野県 高い石段を登ると、小さな祠がある。大きな木を切り倒したとき、その音が北の山々に届いたほどである。社の左に杉と檜の抱き合わせの木があり、これを切った時には、赤い着物の天狗が木の股から現れたという。
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カミサマ 1983年 岩手県 1940年ごろのこと。話者は天満宮で、白髪で胸までの白髭で白装束の神様が、両手に2本の杖を突いて立っているのをみた。
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ティング 1981年 鹿児島県 ティング(テングの神)は高い山の嶽にいる。リュウタツ(龍辰)から化けた神で、男性も女性も居、唾液や月経もある。山中でティングの唾液や月経を発見すると、ススキを持ってきて、お祓いをすると豚の肝臓のように固まって、後産のくだらない人の良薬になった。明治生まれの人で見た人がいるという。
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ヒカリ,オウナ,ハチマンミョウジン 1937年 京都府 天岡山の頂きに不思議な光があわられ、甲冑を着て弓箭を持った神が現われた。挙田神と名乗って1弓1矢を残して消えたので、それを御神体にして鍬山神社に合祀した。その後、気高い女性に出会ったとき、天上から八幡明神と名乗る声がし、2つの面が降った。人々は2面弓矢を重宝としてまつった。
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ヤマンバ 1932年 愛知県 文明年間のある8月の夜、郷士が犬を連れ狩りに出た。犬が騒ぐので弓を用意しながら尾張富士の頂上の本宮の社へ出た。そこには身の丈1丈あろうと思われる大女が拝殿に向かって立っていた。矢で射ると地が揺らぎ、不気味な風が吹き、血の跡を残し女の姿はなくなった。その跡を追うと知り合いの家へ続いていた。何か変わった事はないかと問うと、妻が今暁から病気であるという。寝床を確認すると姿は無く、和歌が書き付けられていた。
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ヒカルモノ 1989年 山梨県 本村の人が猟に行って、池太神のところの淵の真ん中の岩で何か光る物をみつけ、何かショウのあるものだったら、弓にのぼれといって弓の弦を出したら上がってきた。それを家へ持って帰ってきたら、「俺の居る所はここじゃあない。これから上へ上がる、2里高い所に上がればそこに池があるから、そこに俺の住み家があるからそこに連れて行け」といわれた。その人がそこに置いたらそれが池太神の母体になった。七面山の仏像の中に金の玉を入れて祀ってある。
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テング 1975年 高知県 ユウジンサンという神様が生きていたとき、石鎚山に行った。飯を食って後から来た友達がすぐに追いついてきたのでどうしたのかと聞くと、テングに乗ってきたと言った。
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ヤマノカミオロシ 1982年 新潟県 背後の山の中腹に十二山神社があり、旧暦2月12日と12月12日には祭りが行われ、このとき男たちがトウマエの家に集まり、一同精進潔斎し、当日夕食後に水垢離をとり、部屋を暗くし、祭壇の前に10歳前後の男の子を座らせ、目隠しをし、幣束を持たせて一同がこれを取り巻いて囃し言葉を唱え、両手で床板・畳などを激しくたたいた。子どもの体が震えてきて神が乗り移ったことが分かり、山稼ぎのこと、田の作柄、訴訟の勝ち負け、一身上のことなどを聞く山の神おろしをした。
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(コウボウダイシ) 1980年 岐阜県 弘法大師が来たとき、ひどい雨が降っていたが神岡との境で止んだ。そこで笠を脱ぐと、笠が石になった。その後岩井戸で蓑を脱ぐと石になった。細越では杖が石になったという。
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テング 1955年 高知県 テングは、山がくずれるばかりの声で笑う。枝ぶりのよい所、松の笠になったり、二股になった所にテングはとまる。ホーキ桜にもとまる。山の神が休む木をマドキ・メウトギという。
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テングサマ 1938年 福島県 天狗様の祠にある木の切り株に登って「天狗天狗さらわばさらえ」と大声を張り上げた帰り道、グイグイ後ろに引かれた。振り返ると鎌が1、2間先に落ちていたので拾った。家に帰るとまた鎌が無くなっていた。数日して、木の上数間のところに鎌がかかっていた。天狗の仕業であるという。
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ジゾウ 1999年 鹿児島県 ある人が笠利から名瀬に行く途中、赤尾木を過ぎたころ、喜界島の方から照る月が反対から光をさしており、ウラジロの葉がひっくり返っているのに気がついた。さらに、見かけない地蔵が転がっていたので、触ってみると人間の肌のように暖かかく、どこかでお寺の鐘のような音がガンガン響き、100斤もある大猪が飛び出してきた。これは異常だと思い、着物の帯で近くの木に自分を植え付け、夜明けを待ち、無事名瀬にたどり着いた。
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テング 1971年 山梨県 テング岩があって、そこにはテングが住んでおり人をたぶらかした。
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テング 1971年 山梨県 木を切る音がして、木がねるので行ってみると何もない、これはテングである。
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イトノヨウニホソイナワ 1960年 三重県 寺の境内の道寄りに、タモノキという大きな木が立っている。日が沈んだ後、そこを通ると、木から釣瓶が落ちてきて、糸のように細い縄が人を巻き上げていくという。
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ヒヒ 1976年 新潟県 延宝か天和のはじめ、ある山家の老人が山から帰ってこなかったので、その妻がいぶかしがり、人に頼んで山を捜索してもらった。すると山奥に老人の笠とわらじが落ちていたので、それを怪しみ、村で山狩りをした。ところがなにもなかったので下山しようとすると、風が藪を吹くような音がしたので振り返ったところ、赤熊を被って目が星のように光る獣が襲ってきた。大力の若者が鎌で眉間に切りかかったが、若者を谷へ投げ落とした。残った者は逃げ帰り、越後公へ訴えた。そこで江戸より軍師を呼び、山狩りを行わせた。獣が現われたので、それを鉄砲で仕留めた。
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ワカモノ,バチキリ 1929年 青森県 赤い鉢巻をした若者が生魚を買っていった。その夜、銭箱をみると、若者が払ったものは全て木の葉になっていた。そういえば若者の裾から白い尾がちらりとみえていたという。これはばちきりだと言った店の主人は、稲荷さんが山から来てくれたとたいそう喜んだ。
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ツエ 1925年 福島県 歌津の仙人神社に昔、一人の名僧が田束嶺龍華山から携えて下りてた杖が成長した桂がある。
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ジュウニテンサマ,ジュウニテンジン,チイサナヘビ,アタマガヒトツニナッテイルジュウニヒキノヘビ 1984年 山梨県 旧暦8月12日に十二天祭を行う。十二天神の祠は峰の上の松の木のたもとにあり、ムラの人々は十二天様とよぶ。昭和10~13年ごろ、ダムの造成のために十二天様を青柳ロクロウ氏宅から現在地へ移した。その時に祠をあけると小さなヘビが中でトグロを巻いていた。昭和34年の伊勢湾台風のときに祠が吹き飛ばされてしまって、ムナフダもなくなってしまったことがあったが、余沢の常会でどうしようかと相談した日の夜、青柳光平氏は頭が1つになっている12匹のヘビがトグロを巻いている夢を見た。次の日捜してみるとムナフダが見つかり、祠を作り直した。
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モトヤマゴンゲン 1956年 宮城県 小野の邑長の召使に慈悲深い女がいて、貧しい者に施し、自らは粗衣粗食に甘んじた。病で死ぬ寸前、光明を発して行方知れずとなった。方々探すと、西北十町余の丘の木立に女の櫛がおちていたが、姿はなかった。その夜、邑長に夢想のつげがあったので、そこに社を立てて本山権現とし、祭礼には神輿が邑長の家を旅所とし、臼の上に止まる例となった。
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