ミミフサゲ 1940年 三重県 志摩の俗信。少青壮年者に限り、戸外から屋根の見える家に同年者の死人が有った時は、戸口の敷居に腰かけて奥の方を向き、阿古屋餅を両耳に当てて、其後一つを食べ一つを大屋根に投げて屋根を越えさせる。すなわち耳フサゲである。
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ミズセガキ 1940年 三重県 志摩の俗信。海で死んで行方の知れぬものの臨時供養、即ち水施餓鬼を行う際、僧の読経によって、死者の衣類を海へ浸して網で引き揚げながら、死骸の必ず揚がるようにと祈る。
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(ゾクシン) 1972年 長崎県 葬送に関する俗信。米を竹筒に入れて振ると、病気が治るという。体の弱い人は、高齢で亡くなった人の枕飯を食べると、丈夫になるという。猫が死者を跨ぐと生き返るので、猫を近づけないという。死者に最も近い血縁者は紙緒の草履で墓までの葬列に加わり、墓に着くとこれを引きちぎって家まで戻る。その草履を履いて帰るとキツネに騙されるという、など。
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ヤマイ 1940年 三重県 志摩の俗信。肺病を患った人にはいつも黒猫を眺めさせ、気が狂った人には縊死した人が使った縄帯細紐などを黒焼きにして服用させるという。
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サンボウコウジン 1940年 三重県 志摩の俗信。竈の上に祭ってある三宝荒神に供える松の枝の葉が枯れかけると家族の誰かが必ず頭痛になるので、常に新しい枝と取り替えるという。
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ヤマゴモリ 1940年 三重県 志摩の俗信。正月元日から五日までの間に不浄にかかった家は、親戚諸共一切外出ができない。注連縄をくぐるを忌むからで、そんな家へは見舞い品として生豆腐とこんにゃくを贈る。これを山籠もりをいう。
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コトオサメ 1940年 三重県 志摩の俗信。師走八日は事おさめといって、豆腐を食べる。これ以後は、たとえ死人があっても、ミド坊主でも決して鉦を打てなかった。
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キツネツキ 1940年 三重県 志摩の俗信。狐憑きには、その人の頭に熱い炮烙を被せて温めた後、窓へ炮烙を仰向けにして出しておくという。
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モウジャ 1985年 和歌山県 人が亡くなったら、モッソ盛りの飯を亡者に供える。こうすると、死んだ人が那智山に参ってくる。昔の人は、よく那智に参る人に出会ったが、家に帰ってみるとその人は死んでいたという。
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コドモノアシアト,モウジャ 1955年 岡山県 この地方の人は達者なうちに必ず帝釈天参りをする。そうでないと死んだ時必ず引っかかりがあり、その間に亡者が貸借参りをするという。2,3実例も語られている。あるお婆さんが村の某と会うと帝釈参りをするとのことだったが、帰ってみると本人の死んだ時間であったという。亡者が帝釈参りをするときには茶店で茶をもらっても茶代をおかずに出るという。
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コメ 1940年 三重県 志摩の俗信。卯日には精米の糯米の播種挿秧収穫餅搗等、一切の糯米には手を触れない。これを犯せば、火に祟るという。しかし、四月卯日に搗いた餅となると、寿命伸ばし餅などといって、貰ってでも食べるという。
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〔ヒツイワ〕,ゼン 1965年 愛媛県 重茂山中腹にある櫃岩で村人が「膳や椀がいるので貸してください。使ったら必ず返します」と言うといつも貸してくれる。しかし、一度ある人が膳を返さなかったところ、櫃岩はふたをしてしまい、以後貸してくれなかったという。
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モウジャ 1985年 和歌山県 昔、那智山へ参って坂道を下りて来たら、白装束の人が、握り飯が砂まみれになって食べられないと言っていた。戻ってみると、知り合いの人が死んでいて、葬式のとき握り飯を落としてしまったという。死んだ人は那智山へ参ると言われており、そのまま握り飯を持っていったのだろう。
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(ゾクシン) 1977年 和歌山県 人生儀礼に関する俗信。村の鎮守の奉納相撲で一番強かった人が四股を踏んで握り飯を割ったものを力飯といい、これを食べると強い子が産まれるという。女の子が25歳・42歳に産まれると、父親の厄がなくなるという。人が死ぬと、屋根の棟に上がり、「おーいおーい」と3回呼び、死者の名前を叫ぶと生き返るという。雷が鳴ったら棺桶に蓋をして抑えておかないと、光が死者に当たると棺桶が空になるという、など。
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センコノタキノオゼン,ミズガミサマ,ユメマクラ 1987年 長野県 昔,病気の母親と暮らす若者がいた。若者は親孝行で,働き者だったが生活は楽にならない。母親の回復を水神様に願掛けしていたが,よくならない。一度でいいから母親に甘いものを食べさせてやりたいと思っていた。ある夜,夢まくらに水神様が現れて「千古の滝の傍で『お膳を下さい』と三度唱えればお膳が出る。ただし食べ終わったらお膳は元の所に返さなくてはならない」という。若者がお告げの通りにすると,ご馳走の並んだお膳が現れた。母親の病気はだんだんよくなり生活も楽になってきたが,隣人が若者の後をつけ,同じようにお膳を出してそのまま返さなかったので,水神様が怒って,それっきりお膳を出してくれなくなった。
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テツタイド 1941年 奈良県 テツタイドに関する俗信。人が死んだとき、お寺とオンボへ知らせに行く人をテツタイドといい、必ず飯を食べさせて2人で行ってもらうという。旅装束で草履を履き、夜には提灯を持っていくが知らせをもらった家では必ず使いに何か食べさせ、食べるとき上に上ってはならず、外に足を向けて腰掛けて食べるという。タノキがつかないように2人で行くという。1人で行く場合は、腰に鎌をさしていくという。
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オハチ,ビンボウ,オサキ,(ゾクシン) 1915年 東京都 飯櫃を叩くと貧乏になるということを、西多摩郡成木地方ではおさきが来るという。
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(ゾクシン),ネコ 1933年 岩手県 死人の周囲には逆に屏風を廻し立てて、猫などの近寄らない様にする。死人に猫を近寄らしめる事は、その魔力で遺体が動き出し、蘇えるものと俗信があって怖れるからである。
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シニビ 1956年 宮城県 死者の家で飲食すれば、「死火」を食べたと称して神を祭ることをタブーとするという。
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ゼニダシイワ,ゼンワンカシイワ 1958年 香川県 とんぼ坂を越えると、米をまいて祈れば銭を出してくれる銭出し岩がある。心がけのよくない者がいて、今では銭を出してくれなくなった。また一説には法事などの時、膳や椀を貸してくれる膳椀貸岩であるともいう。これも借りたものを返さなかった者がおり、貸してくれなくなった。
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