コイヌノヨウナカワイイモノ 1978年 和歌山県 子供たちが夜遊んで、友達の家の縁側に座っていると、足元に子犬のような可愛い者がいた。子供たちはそれを捕まえようとしたが駄目だった。そして気づくとそこは墓地だった。
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コドモ,タマシイ 1937年 新潟県 死んだ婆さんが野原に行くと、そこに子供が出てきて、自分の墓に花を供えて欲しいという。婆さんはその後蘇生し、この子供のことを話すと、昔若くして死んだ子供がいることを知り、以来その供養をするようになった。
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コソダテユウレイ 1937年 兵庫県 嫁さんが毎晩六文銭をもって飴を買いに来た。店屋の親父が不思議に思い、嫁さんの跡をつけると、嫁さんは墓場に行き墓の中に入ってしまった。それはこのあいだ腹の大きな嫁さんを埋めた墓だった。墓を掘り返すと、死んだ嫁さんの側で、子供が飴をくわえて生きていた。
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テング 1931年 山梨県 子守りの娘が急に見えなくなった。村中総出で3日探したがどこにも見つからなかった。ある日、村人が墓場に行ったとき、子守りの娘を見つけた。話を聞くと山に行って暗くなり困っていると、鼻の高い顔の赤い人が木を使って跳ね飛ばしてくれたのだという。
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アメ,ジゴク 1986年 石川県 毎日決まった時間に飴を買う男がいたので飴屋の主人が後をつけると、身重の女性が埋葬された墓の付近で消えた。そこを掘り返すと赤子が飴の棒を手にして泣いていた。近くのお地蔵さんが飴を赤ん坊に与えて育てていた。
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ヤマイヌ 1983年 愛媛県 鴫山の木挽が仕事中に隣村で病気で死んだ。その家内と娘は遺体を担いで帰ろうとすると、山犬がつけてくる。親子は帰ったら小豆飯を炊くから無事に帰らせてほしいとたのんだ。山犬が家までついて来たので親子は小豆飯を振舞った。
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テング 1995年 静岡県 若夫婦が赤子を小屋に置いて畑仕事をしていたら、大鷲が赤子をさらって岩岳山に飛び去った。若夫婦は大鷲を追って山に行き、2度と戻ってこなかった。それから50年程して、乞食の老婆が小屋の近くで息絶えていた。村人は赤子と老婆の墓を並べて作った。赤子を持ち去った大鷲は、岩岳山の天狗の使い。
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ゴセンゾサマ 1982年 群馬県 六部が道に迷って老夫婦の家に泊めて貰った。お爺さんが「今日はお彼岸の中日だから若い衆がなにか持って来てくれるでしょう」と言ったので待っていたら、お爺さんが手ぶらで帰って来て、「腹が立ったから子供を火の中に突き落としてきたよ」と言った。変なことを言うなと思って寝たが、翌朝起きると六部は墓にいた。村へ行ってみると子供が大やけどをして騒いでいる家があった。ご先祖様を粗末にしてぼた餅をあげなかった罰があたった。
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ヤマオトコ 1989年 長野県 大鹿村の北方に地獄谷という場所があり、人間や動物の骨がそこかしこにある恐ろしい場所だった。ある時、そうさくじいが肝試しがてらそこに木を伐りに行くと、良いさわらの木がたくさんあったので、小屋をかけて桶皮を取っていた。ある月夜の晩、山鳴りがして何か近づいた来たが、何もなかった。次に山奥から音がして、山男が小屋の前に立ち、「これを食え」と女性の片腕を放り込んできた。驚いたそうさくじいは夜明けを待って家に逃げ帰った。
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コソダテユウレイ 1986年 香川県 夜遅く、毎晩飴屋に飴を会に来る女がいた。不思議に思ってあとをつけたら墓の中に入った。墓をあばくと女の屍の側に赤子がいて、飴をなめていた。
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オオカミ 1940年 石川県 山へ薪刈りに行って飯を食べていると、狼の子が出てきたので、飯を少し分け与えた。晩になって下山していたところ、親の狼が送りに出てきた。次の朝山へ行ったら、昨日切った薪が一荷になっていた。このようなことが続いたという。
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カシワ 1984年 山梨県 中道町の滝戸山の仏沢のカシワの巣という洞穴には、カシワという怪物がいて、きれいな娘の姿に化けて葬式の死体をとって食べた。ビイゲ院の住職のもとにカシワが来て、明日の葬式の仏をくれという。住職が断ると力ずくで持って行くと言い、立ち去った。翌日葬式をしていたら、カシワが死体を抱えて宙に逃げたので、住職が印を結んだらカシワは山に落ちた。それからカシワはいなくなったという。
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ミエナクナッタコドモ,キツネ,テング 1937年 岐阜県 畑仕事を終え帰ろうとしたら子供が一人いなくなっていた。探し回ると大人でもなかなか行けないような場所を通った先に子供がいた。天狗が連れて行くときは1里や2里の道はわけなく行くというのは本当だった。
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ヤマイヌ 1989年 長野県 ある時、山へ薪取りに行くと、何者かに食われて鹿が死んでいた。喜んでその鹿を持ち帰ると、夜になって家の回りを山犬が駆け回り吠え、家人を脅した。山で恵みがあったときは、少しでもいいので何か残してこなければならないという。
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オショボノコ 1983年 香川県 墓のそばにオショボの子がよく出る屋敷があった。そこの嫁さんが夜便所に行くと、オショボの子が覗いた。我が子かと思って子の名を呼んで外に出たが、姿は見えなかったという。
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イシジゾウ,コドモ 1943年 新潟県 2つの墓の横に石地蔵が立っている。その横を通ると、小さな子供が出てきて石地蔵を倒したり起したりする。無気味に思った人たちはこの道を通らなくなった。
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オクリオオカミ 1973年 三重県 炭焼きに行った親子3人がしゃくなげの花を取りに行ったが、弟だけが帰ってこない。辺りを探すと犬のような足跡があり、おくりおおかみにやられたというので祈祷師に見てもらった。数日後、道端に座っているのを発見された。
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ユウレイ 1987年 山形県 母親が何人も子を間引いて、庭の隅に埋めたら幽霊になって出た。お墓に埋葬したら出なくなったという。
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イヌソトバイシ 1956年 宮城県 農家に美しい一人娘があり、幼いとき、母親がその子に便をさせながら、飼犬に「このカエシを食べたら娘をやる」と冗談を言う。娘が年頃になって縁談で来た者は、みな飼犬に咬み殺された。母親は10年前の戯言を思い出し、娘に因果を話し、泣く泣く飼犬にめあわせて近くの洞穴に住まわせた。卒塔婆石は犬が死んだ時の供養塔だという。
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テング 1931年 長野県 子供が天狗に連れられてどこかに行ってしまった。村中で幾日も探したが見つからず、仕方なく諦めた。翌年その子の家の庭に子供からの置手紙があったという。
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