(ゾクシン) 1981年 栃木県 三が日は朝食にオカンイモと小豆飯を食べ、夕食にソバを食べる。オカンイモは鳥の出汁に銀杏切りにした大根・細かく切ったニンジン・ゴボウ・ハネギに適当に切った里芋を入れ、醤油で味付けしたもの。三が日の朝には仏様と大神宮様に小豆飯とオカンイモを供える。下げたオカンイモはご飯に入れておかゆにして食べると疫病神がくっつかないという。
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ホトケサン 2000年 徳島県 12月の初巳の日はミノヒといって、仏のお正月であるという。この日はオハカサンに竹を組んで注連縄を張り、お供えをして草履も置いておく。家で身内が集まって会食し、夜の12時を過ぎてから墓地に向かい、麦藁を燃やした火で炙った餅や豆腐を食べる。仏さんは藁火の明かりで、人々の様子を見ているとされた。
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コンブ 1978年 新潟県 大年の晩には、ごぼう・こんにゃく・焼豆腐・コンブを煮た、「年取りのオヒラ」を食べる。これを食べると年を取る。特にコンブは「よろこんぶ」といい、必ず入れた。「年を取りたくない」と言ってこれを食べずに縁の下に隠れていると、余ったものを全部くれていっぺんに年を取ってしまったという話がある。
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(ゾクシン) 1981年 栃木県 正月の三が日にはオカンイモと小豆飯を必ず食べるものだという。今までやってきたことなので、やらないと何かが起こるという。
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ヒトツメコゾウ 1977年 神奈川県 12月8日と2月8日の両日には、一つ目小僧が来るといって、メカイ(目籠)をつるし、大根を入れた小豆のオツケを作って食べた。
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オカイコガミサン 1979年 山梨県 1月15日は、マユダマや粥を作るとき、正月の松をイロリやカマドで燃やす。ケムにオカイコガミサンが乗ってくるといって、煙が多く出るほど良いとされた。
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アクマ 1991年 静岡県 2月8日と12月8日に蕎麦粉でオコトモチを作るとき、蕎麦粉のついた手で戸口の羽目板に手形を、左右の腕を交差させて親指を外側にするようにして押す。これをコトガミサマという。悪魔がこれを見て「こんな手の人がいるのではかなわない」と退散するのだという。
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(ゾクシン) 1975年 愛知県 年中行事に関する俗信。元旦に七宮めぐりをすると、病気をしないといわれている。節分の豆を年の数だけ食べると、夏病みをしないという。ひいらぎ(ねずみさし)か馬酔木(あせぼ)の頭に、魚の頭をさして、戸口に置くと魔除けになるという。旧4月13日・14日はオンゾで、この日に籾を播くとはじき出されてしまうという。冬至十夜といい、南瓜を食べると中風にかからないといわれている、など。
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モチ,ミカン,ヒ 2000年 香川県 正月15日前後の小正月に、オシメ(注連飾りか)を各地区で集めて、海岸や池の堤で焼く。これをオシメヤキと称する。この火で焼いた餅やみかんを食べると、夏に病気にならない。また書初めをくべて書道上達を願う。
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(ゾクシン) 1972年 岐阜県 年中行事に関する俗信。年越しソバを食べると、中風にならないという。8月14日には死んだ者が帰ってくるので、嫁(生き者)は里帰りをしなければならないという。10月10日は神無月といい、留守神さん1人を残して皆出雲に行くので、水が乏しくなる、火をしっかり見ろという。冬至にカボチャを甘く煮たり小豆を煮て食べたりすると、小遣い銭に不自由しないという。正月七日まで山に入らない、入ると死ぬという、など。
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ヒョウスボ 1965年 宮崎県 12月1日の師走川の日には、そばを湯でねったものを朝食べる。これを食べないと、川を渡るときヒョウスボにつけられるという。
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オニ 1957年 兵庫県 吉井部落では、正月の20日を骨正月と呼び、正月市で買ってきたブリの骨を食べる。20日になると鬼が食べる肉がなくなり、骨しかなかったため、その骨を食べたと言われており、それを真似たものである。奈良尾部落では、死んだものの骨を食うと言って、ブリの骨を食べる。熱田部落ではシイラの骨を食う。人の代わりに魚を食うのだという。
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オカマサマ 1983年 茨城県 9月28日はオカマ様の命日で、この日はウルチを1升洗って粉にして36個の団子を作る。この団子はオカマさまが出雲にムラの婚姻を決めに行く時の弁当である。また、これとは別に小さい団子を作り神棚や仏壇に供えた。これはオカマ様が出雲に帰る途中に諏訪の峠でボタ餅のくらべっこをするという。10月28日にはまた家に帰ってくる。
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ヒトツマナコ,ヒトツメコゾウ,ヒトツコゾウ,ヤクジン 1937年 神奈川県 12月8日と2月8日をシラスヨーカと言い、仕事をせず物忌をする。軒には注連縄を張り、メカイ籠などを柱に下げ、宵には臭気のある木をヒジロで燃す。こうすると、ヒトツマナコ(ヒトツメコゾウ,ヒトツコゾウ,ヤクジン)が、病を仰せ付けに帳面をもって門口に来たとき、臭気と目の多さに負けて帰るという。屋外に着物や履物を放置しておくと、彼らが病の印をつけるので、それを用いた人は病むという。
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トシガミサマ 1969年 埼玉県 年神様は元旦に来るので主人が元旦の朝、オカザリを飾った所へ主人がオソナエを供える。また、年神様は卯の日に帰るのでオソナエは卯の日まで供えておいて20日に雑煮にして食べる。
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(ゾクシン) 1981年 福岡県 年中行事に関する俗信。竹の先に餅をさして、サギッチョの火で焼いて食べると病気をしないという。サギッチョの火を持ち帰って、竈に火をつけると火事にならないという。正月16日と12月16日は山の神が山の木を調べて歩く日なので、山で木を伐ってはいけないという。山に入ると怪我をするという、など。
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(ゾクシン) 1972年 長崎県 年中行事に関する俗信。盆の16日には地獄の蓋が開くといい、刃物を使わないという。九月末日から十月初めまで氏神様は出雲へ縁結びに行くという。このときに行く神様は一年中カマドを守ってくれるという。亥の日の餅を食べると、風邪を引かないという。12月1日にゴコクメシを食べると、流行病にかからないという。冬至にはかぼちゃ飯を食べるが、これを食べると流行病にかからないという、など。
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オニ 1989年 兵庫県 吉井部落では正月のぞうには臓腑煮であるといい、これは昔鬼が正月の御馳走に毎年1人ずつ取って食ったことの真似という。7日は唐と日本の鬼が交際をして、七色のものを入れて食べたといい、20日は骨正月といい、ぶりの骨を食べる。これは20日になるともう骨がなくなって、骨しか残っていなかったので鬼がこの骨を食べたのだといわれる。
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ヤマノカミ 1963年 群馬県 オコゼの干物をオコジョという。「山の神さんはオコジョが好きで、これを供えると山渡世によい」と言われている。
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オタイシサマ 1990年 長野県 オーデシコという日があり、ごちそうになれるが死ぬまで食べさせられる人もいた。1人責め殺すとその年は豊作だといい、小さな女の子まで犠牲になった。ある時、乞食坊主が来た。いくら持ってきても皆食べてしまうので、「もうあげるものがない」と謝ると「ごちそうになった」とどこかへ行った。今年は凶作だと頭を抱えたが、翌朝調べると、食べ差しのうどんが裏の畑に山積みになっていた。誰からともなくあれは大師様で、行事のやりすぎをとがめに来たのだということになり、責め殺すことを止めたという。
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