トイシジンジャ 1928年 長崎県 大永年間のこと、船津あたりの深い山藪の中から、不思議な光が闇の中に光り輝くことがあった。里人はこれを大蛇か魔物と思い、誰も近づかなかった。ある時、漁夫が難破して海を漂っていたところ、遠いかなたに光を見つけ、それをたよりに陸地まで泳ぎ着いた。夜が明けて光の正体を調べに行くと、そこには軽石と古木があったので、里人はこの軽石と古木を神木として祠を立てたといわれている。
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カンノン,ユメマクラ 1995年 愛知県 昔、源太郎たる漁師が漁中、海の中で光っていた観音像を引き上げた。家に帰ったら、観音が夢枕に立って、自分を信仰しこの像を丘で祭れれば、様々な利益を得られると告げたという。
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カンノンサマ 1976年 大分県 津波の時に流れ着いた観音様がある。見つかったときは魚の網に引っかかっていて、後光がさしていたという。あるいは、沖から流れてきた木を切ると血が流れたので、祀ったともいわれている。
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ジゾウ 1986年 滋賀県 琵琶湖で漁の邪魔になる石をどかした漁師が、夢にも現れた地蔵の告げに従ってお堂を作り、その石を祀る。その後、ふたたび夢に地蔵が現れて琵琶湖の水をせがむので、お供えしたところ、願い(病気平癒など)が叶ったという。
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オオアワビ 1984年 新潟県 昔出羽の羽黒山から勧請されてきた羽黒権現が海を渡り、佐渡へ向かう途中船底に穴があき大騒ぎになったが、そのとき、大鮑が海底から現れて船底の穴にすいつき、そのおかげで浜へつくことができた。そのために、羽黒の氏子衆は決して鮑を採りもせず、食べもしないようになったという。
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オオアワビ 1984年 新潟県 昔出羽の羽黒山から勧請されてきた羽黒権現が海を渡り、佐渡へ向かう途中船底に穴があき大騒ぎになったが、そのとき、大鮑が海底から現れて船底の穴にすいつき、そのおかげで浜へつくことができた。そのために、羽黒の氏子衆は決して鮑を採りもせず、食べもしないようになったという。
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オオアワビ 1984年 新潟県 昔出羽の羽黒山から勧請されてきた羽黒権現が海を渡り、佐渡へ向かう途中船底に穴があき大騒ぎになったが、そのとき、大鮑が海底から現れて船底の穴にすいつき、そのおかげで浜へつくことができた。そのために、羽黒の氏子衆は決して鮑を採りもせず、食べもしないようになったという。
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リュウジン 1928年 徳島県 王余魚谷に住んでいた貧しい猟師はある日、深山で美しい妙齢の婦人に出会った。婦人は竜神から紀州の那智の瀧と、この王余魚瀧に住めといわれ、来てみたところよい住処なのでここに住むといった。そして、自分がここに住んでいることは誰にも言うなと猟師に口止めをした。旱魃の時には雨乞いに霊験を顕したという。その後、洪水で社が流されたが、漁夫に発見されたときには何の破損もなかったと伝えられている。
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ニライ・カナイ,リュウグウノカミ 1986年 沖縄県 糸満市の白銀堂は海に向かって岩穴を拝むものである。ここはノロがニライ・カナイを遥拝する場所であり、他の拝所も海神の系譜である。参拝者は漁労関係者だけではなく、「育ての願い」などといった他の願い事も多くなっている。世の多様化に応じで、神々の機能も多様化しているのである。
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ヤスヅキカンノン 2002年 新潟県 粟島浦村内浦の観音寺に祀られている十一面観音はヤス突き観音と呼ばれている。その由来は、漁師が沖合の海底に光るものを見つけ、それをヤスで突くと脇腹から血を流した仏像が上がって来たという。それが観音像であり、この地は仏崎という地名がついた。仏像が沈んでいた海底は、今も海草が生えないところがあり白い岩が見えるという。
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アヤシキヒカリ 1980年 東京都 昔、宮古川にあやしい光が見え、それを濱成と竹成という老漁師の網にかかった。そこで藜という草で仮堂を建てて置いていた。とても霊験あらたかだったので、その国守にも伝わり、大きなお堂を建てた。その仏堂は浅草寺となり、濱成・竹成も神としてあがめられた。
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アカガメ 1984年 新潟県 村の南側のはずれにある赤亀神社は、洞門のある「赤亀岩」にまつられているが、それは、昔、海老家の先祖が漁師衆を集めて船で沖へ漁に出ていると急に深い霧につつまれて帰る方向がわからなくなってしまい困っていると、大きな赤亀が浮かんできて、この亀に導かれて赤亀岩のところまで無事たどりついたというからであるという。以降9月1日(旧8月1日)に海老家が代々モリ(鍵取り)をつとめて祭りを行う。
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アブラ 1935年 福岡県 昔、油谷では、草木の実(ある説では胡麻)からたくさん油が取れたが、観音様のために灯すだけなら良かったのに、欲深い者が、その油を町家に売ったために出なくなった。
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ニンギョ 1978年 三重県 昔は琵琶湖に人魚がいて、その木像がある寺に残っている。その木像に祈願すると雨を降らしてくれる。
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カガヤクモノ 1939年 島根県 日本海が荒れて漁船が方角を見失った時、原山の頂に輝くものを見た。その光を目当てにして、船は帰りついたという。そのため、原山には、命が助かった漁師がよくお礼参りに訪れたという。
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ミッツノツボ,オダイシサマ 1932年 福井県 昔、内浦湾を囲んで突き出た岬の谷間に三つの壺があった。それぞれ酢・酒・醤油が自然に湧き出ており、汲めども尽きなかったが、ある時必要以上に汲み取ってしまい、それから綺麗な水しか出なくなった。これはきっとお大師様の罰があたったのだという。今でもそこにはお大師さまが祭ってある。
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ヘビ,カニ 1976年 京都府 昔、綺田に美しい女がいた。ある時、村人が蟹を食べようと沢山取っていたのを、女は魚と交換して助けてやった。次の日、女の父が蛇が蟇を呑んでいるところを見つけ、蟇を逃がしたら娘をやると言った。蛇はすぐに蟇を放して去った。その夜、どこからか男が現れ、昼の約束の通り来たという。まだ娘に話していないというと去った。娘はそのことを聞いて仏前で読経をはじめた。蛇が現れ閨に入った。村人が戸を開いて中を見ると、女は無事で、蛇が数万の蟹に挟まれて死んでいた。村人はその所に寺を建立し蟹満寺と号した。
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ヒカリモノ 1975年 兵庫県 昔允恭帝が淡路島に漁猟した時,海中に光物があり一向に魚がとれなかった。そこで男狭という海人が、縄を腰につけ海底に潜ったところ、大きな鮑をとってきた。中に光を発する真珠があり、その真珠は氏神の社に祭られた。男狭は息切れして死んでしまい,彼が腰につけた縄は60尋の長さであったという。
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ダイジャ 1941年 朝鮮 宣川郡身彌島三角山に虎喰洞という洞窟がある。昔は大蛇が住んでいて、青い煙を放ち、洞窟を覗く人はその煙に目が飛び出し、蛇の力に引き寄せられ餌食にされてしまうという。巫女は、1年に1人の娘を捧げれば害はないと言うのでそうしていた。ある年に少年が通ると洞窟の中で美しい娘が酔ったように真っ赤な顔で唾を吐けという。その通りにするとそのまま倒れて大蛇の身になってしんだ。そして村人は祟りを恐れて大蛇碑を建てたが、今は朽ち果てている。
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ゼンワンブチ 1986年 埼玉県 箕輪山霊巌寺近くの高麗川の淵には大蛇が住むと言い伝えられている。この辺りの住民は祝儀不祝儀があると、膳椀をこの淵に貸りに来ていた。淵に向かって「どうか十人前の膳椀をお貸し下され」と頼むといつの間にか浮かび上がってくる。終われば丁寧に礼を述べて返すのだが、ある時村の者が膳椀を返さなかったら、その後誰が行っても浮いてこなくなった。ある年大洪水があって淵が埋まってしまった。そしてそこから一匹の大蛇の頭骨が発見された。村人は膳椀淵の主として手厚く弔い、霊巌寺の宝物とした。
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