イドウ 1983年 下総国香取郡佐原新田向ウ津の百姓長吉の子・寅次郎6歳は、頭が蛸のように大きく、目は黒目くぼんで白目にかぶり、眉毛がなく、歯は上下2本ずつある。また背中に産毛が渦巻き、全身に薄毛が生えている。身体の色は鼠色で臭みがあり、手足共に赤子のようで胴は青筋張って水ぶくれのようであった。物事を言う事は無いが、人の言う事は聞いているようである。
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ソウセイガッタイ,イケイ 1973年 東京都 文政8年2月17日に、本所柳島十軒川へ異形の嬰児が流れてきた。身長は1尺ほどで、産毛の色が濃く頬のあたりまで生え、臍は四つ股の真ん中にある女児だった。
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イギョウノフタゴ 1974年 岩手県 奥州南部の盛岡に住む百姓の妻が、延宝8年夏に片手が長く毛に覆われた猿のような子と、目鼻が無くて手が7本と足が43本ある双子を産んだという。しかし5日ほどして死んだ。
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ヤマワロウ,ヤジン 1979年 宮崎県 むかし豊後国日田の伏木村で、ある親が泣き止まない子を家から出していたら、声が次第に山の方へ消え入り、子が行方不明になった。10年ほど後に日田に住む小一という者が日向の梓越嶺を歩行中、満身に毛が生えた7~8尺の動物と遭遇した。それは人語を話し、我は伏木で行方不明となった子で、今はある者に仕えて数山の主となっていると告げて別れた。これは山童・野人の類である。
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イケイノモノ,キドウ 1974年 京都府・大阪府 攝州茨木村のある民家で男児が生まれた。その子は生まれてすぐに這い回り、髪や歯もすでに生えており3歳児くらいに見えた。母親はこれを見て驚き死んだ。父親はそこ子を山中に捨てたのだが、30年程後、父が病を患うと、成長した子が現れ父を看取った。その後親族に羅城門に住んでいると告げ出て行った。世に言う茨木童子である。
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(リョウトウミツメノウマ) 1982年 熊本県 文政8年に肥前国(ママ)天草郡宮田村の百姓・幸次郎の産馬は、2つの頭と3つの眼を持って産まれたという。
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ソウセイガッタイ,イケイノコ 1973年 文政10年の夏に、尾張の百姓銀之右衛門の妻きをが、体に頭が2つと手足が4本ずつある男子を産んだ。これは双子が合体したと考えられ、不祥な事とされた。
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(ダンジョヘンジョウ) 1974年 愛知県 尾州米野木村の百姓喜右衛門の子は、生まれた時に男女の区別がつかなかった。成長すると容体気質が男子であった。また、ある出家者が、夢で女になるのを見て、目覚めると男性器が女性器になっており、声や姿も女となっていた。
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イソウ 1976年 頭大甫春(ずおおぼしゅん)という者がいて、顔色は普通の人と同じであるが、とても美しい。背丈は1尺2寸(40センチほど)で、脚は非常に細く、細さは4,5歳の子どもよりこえない。梅花心易を誦し、書を読み、義に通じていた。
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(コドモガコヲウム) 1973年 茨城県 同村の百姓三吉の居候である忠蔵の娘・とやは、8歳で子供を産んだという。
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(セキジ) 1983年 東京都 文政8年2月18日に、葛飾郡柳島百姓与右衛門の持ち場である川岸に、耳の穴が4つ、手が4本、足は2本、足の間から胞のような物が下がっている赤児が流れ着いたという。
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ハクハツノオキナ,(イカイ),(テンセイ) 1983年 武蔵国多摩郡久保村の百姓藤五郎の子・藤蔵は6歳で死んだが、埋葬される時に、白髪の老人がやって来て藤蔵(魂か?)を連れ去った。そして3年間、、薄暗くおぼろげな場所で過ごし、彼を人間界に戻した。すると藤蔵は同郡中野村に住む百姓源蔵の次男・勝五郎として生まれる。勝五郎が9歳になった時、自分は藤五郎の子であり、藤蔵でしか知らない藤五郎の家族の事などを言い、それらは全て合っていたという。
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カンゼノンボサツ 1970年 山形県 弘化年間、長町にせんという、産婆を業とする女がいて、人々に慕われていた。ある秋、仕事帰りの夜道で、8歳ほどの男の子に声をかけられた。翌春の彼岸の晩、その男の子は再び現れ、紙包みを手渡した。男の子の正体は高松の観世音菩薩で、包みの中身は徳利だった。徳利からは病人を治す蜜が出て、霊験あらたかな徳利としてたちまち評判になったという。
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チヨキチ 1982年 愛知県 三州賀茂郡一の宮村の千代吉は、4歳とはいえ10歳児のように大きく、顔つきや力も大人並みであった。また大人と十分に会話が出来て、およそ子供とは思えない働きをしたという。
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イギョウノコ 1982年 京都府 享保17年4月17日、福知山長町のある女が異形の子を産んだ。頭は犬に似て羽根、甲羅があり、手足には水かき、額に角があり牙2枚が生えていた。
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オウゴンブツ,フドウソン 1983年 茨城県 下総国藤代宿において、8歳の女子が男子を生むことがあり、このことで金銀をもらったので暮らし向きがよくなった。そこで屋敷内に井戸を掘ろうとしたところ大きな石が出てきて、その石の中に小さい黄金仏がでてきたという。それは不動尊であった。
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(コドモガコヲウム) 1976年 茨城県 享和9年9月3日、8歳の女児が男子を出産したが、母子ともに痣もなく、乳も出る。子は目が見えないが成長したという。こういうケースもあるようだ。
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カッパ 1922年 福岡県 筑後河畔には至る所に河童の話が伝えられている。河童の体は小児くらいで、頭に皿があり中に水をたたえている。柳川付近では皿の数を3つといっている。顔は青、体は黒で、顔には十文字に毛が生えており、全身も毛に包まれている。目は2つで、若い頃は1つ。嘴を持っていて、背中に亀甲を負う。手が長く、指が3本。臭いがある。水の中に住み、濁り水を好み、馬の足跡の水溜りには千匹も住むことができる。水がなくなると死滅する。好んで相撲を挑み、負けてやると機嫌が良いが負かすと恨みを抱く。など。
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(ウマレカワリ) 1976年 東京都 武蔵国多磨郡(多摩郡)程窪村の半四郎という者の息子、藤蔵は死んで後、同郡柚木領中野村谷津入の源蔵という男の子どもとして生まれて、勝五郎と名付けられた。9歳のとき、自分はここへ生まれ変わってきたといったので、言うことをたよりに、半四郎の住所を尋ねていったところ、本当のことだと判った。
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オカネウムムスメ 1956年 宮城県 昔、名鰭沼のふちに夫婦が住んでいた。子どもになかなか恵まれず、願かけて神に祈っていると、春の猫柳の芽がふくれる頃、嫁の腹が大きくなり、ついに女の子が生まれた。しかし片目片耳の子だったので、人目をさけてボロに包んで納屋においておいた。あるとき用事で、どうしても子を背負って町にいかなければならぬことになったので、慎重に包んで出ていった。町の用事がすんで帰るとき、石の上に子どもをおろして休んでいると、腰のまがった白髪の爺さんがきてボロをはがして子どもを見て「これはいい子だ。神様の授かりものだ。今にお金を生むから毎朝米一粒ずつつかませておけ」と言い残して消える。ためしに米一粒つかませるとお金を一つ産んだ。夫婦はしだいに金持ちになったが、慾の出た夫婦は「うんとつかませたらうんと生むだろう」と、ある日つかみきれないほど米をつかませると、子どもは死んでしまった。
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