ユウレイ 1990年 大阪府 ある日、旅の僧がお堂で一泊していると女のゆうれいがやってきて「私はここにいるが大阪の両親が供養に来てくれないので頼んできてくれ」と言った。そんなことを言っても誰も信じないと僧が言うと、幽霊は着物の片袖を引きちぎって渡した。大阪の両親はあわてて供養したという。
類似事例 |
|
カイ,カイイ 1974年 東京都 午三月、土手四番町のある人の家で膳や煙草盆、石臼などが一人で空中に浮くことが続いた。修験者や陰陽師は仏神の祟りや狸の仕業と言い、彼の言うとおり祈祷をしたが効果はなかった。家が滅びる前兆かと心を痛めたが、とある人が「目黒出身の人をかかえると目黒の鎮守がそれを惜しんでこのような災いを起こす」と言った。この春のにかかえた者を調べたが、目黒出身者はいなかった。しかたなく3、4人に暇を出したところその怪異は止んだ。
類似事例 |
|
〔レイム〕 1976年 東京都 江戸の光源寺の境内にある稲荷に詣でた折に、めずらしい面を見つけた。家に帰ってもその面のことが気になっていたら、妻が不思議な夢を見たという。稲荷で工事が行われるので面が粗末にされない様持って帰るようにとのことだった。急いで光源寺に行ってみると、確かに工事中で、古い絵馬を積み上げた上に、くだんの面がのせてあった。妻の見た夢は神のお告げと思って、その面を持ち帰り、家の守護神としてまつった。望みがあって祈ると、非常に霊験あらたかであった。
類似事例 |
|
オソウズサマ 1968年 愛媛県 享保の頃、佐賀の僧が大僧都位をもらい京都から故郷に戻る途中で難破した。一命は取り留めたが、七条の袈裟を失った。袈裟は小浜に打ち上げられ、それを知った僧が取り戻しに来たが、拾得者はこれを返さなかった。僧は自殺し、拾得者は袈裟を売ろうとしたが立派過ぎて売れなかったので焼いてしまった。後、村に不思議が続出したので、僧の祟りだろうといい、「お僧都様」として祭った。
類似事例 |
|
ドクロ,タタリ 1980年 東京都 江戸のはとり坂(服部坂)に、しうりん院という禅寺があった。ある日後ろの山から理由ありげなどくろを掘り出してきて、位牌堂において供養した。しかし7日経った夜に、どくろは他の位牌とともに堂内で踊り歩き、院主は寝られず病気になった。そこで同門の僧が見舞いに来て、どくろを庭で踏みつぶしたところ、祟りはなくなったという。
類似事例 |
|
キツネ 1991年 静岡県 ある寺の住職が檀家に接待されて帰る夜道、提灯が倒れて火が消えた。灯なしに歩くと何度も同じ道に出る。民家で火を求めたが誰も出て来てくれない。あきらめて歩き出すと狐の姿が見えた。さらに歩かされて寺に帰ると衣も脱げ、お土産もなかった。昼間戻ってみると、提灯には爪痕がついていた。とりやめていた寺の豊川稲荷のお祭りを再開したら、そういうことはなくなった。
類似事例 |
|
テング 1919年 京都府 小僧を使いに出したら帰ってこない。翌日送り届けられて戻ってきた小僧に話を聞くと、使いの途中で急に傘が重くなり、思わず落とすと傘が勝手に転がり出し、懸命についていったのだという。天狗のしわざにちがいないという。
類似事例 |
|
アミダノカケジク 1995年 宮城県 山の上集落の近江家は、旅の僧をもてなして阿弥陀様の書かれた掛軸をもらった。あるとき、近江家に普請に入った大工の棟領が、掛軸を盗んで逃げた。家を出た途端大雨が降り出し、狐狸が邪魔をした。雷が鳴り、橋が流れそうになる。命からがら家に帰ったが、掛軸はピカピカと光っていた。翌朝、棟梁はポックリ死んでしまった。掛軸は古道具屋に売り払われたが、今度は大きなネズミが出て道具屋が眠れない。祈祷師に拝んでもらうと元の家に返せという。こうして掛軸は返ってきた。
類似事例 |
|
キシン 1980年 京都府 淀屋喜兵衛という人は発狂してしまったが、ある時に「江戸のどこどこで火事があった」と言ったところ、後に火事があったとの書状が来た。これは鬼神がついたものかと、人々は驚いたという。発狂して無心になれば、このような霊通があるものなのだろう。
類似事例 |
|
ボウレイ 1980年 神奈川県 お盆に舟で荷物を運んでいると、突然、櫓が動かせなくなる。何とか荷物を送り届けて和尚に話をすると、運んでいた荷物の中にありがたい経文があり、それに海にいる亡霊が付いたのだろうと言う。
類似事例 |
|
ダイニチニョライ 1988年 愛知県 天文年間、勅願寺御嶽山光明寺では、兵火を避けて本尊である大日如来を池に埋めた。明暦年間、これを知った長尾村の大島四郎兵衛久成が大日如来を発掘して持ち去る途中、西浦の村人が村の守り本尊だから返せと言って追ってきて奪い合いになった。ところが、西浦の村人が持ち帰ろうとすると、持ち上げることも動かすことも出来ない。長尾の村人が持ち上げると軽々と運べたので、西浦の村人は諦めて帰った。そこで長尾村の大日堂に運び入れて守り本尊にしたという。
類似事例 |
|
ナベシマヤシキキイ,カイイ 1978年 東京都 江戸の山下御門の正面にある肥前佐賀屋敷の鬼門隅の長屋では、昔から毎日僧衆が来て護摩を焚いている。昔大奇怪があったためだという。今も折々、太守が在府中には怪異があるという。小雨など降る物寂しい夜に、庭で火柱が立ったり、器物が踊り動いたり、家鳴りがしたりする。太守が帰国すると、屋敷の者たちは安眠できる事を喜ぶ。
類似事例 |
|
ユウレイ,ボウレイ 1974年 福井県 若狭国常神村である日、寺の和尚の許に幽霊が現れ、死んだ船頭の主人が遺した銀子を主人の家に返して欲しいと頼んで消えた。翌日櫃が流れ着き、中に往来切手などと共に銀子が入っていたので、船頭の舎兄に返した。
類似事例 |
|
カヤカケスギ 1976年 愛媛県 ある日観念寺の鉄井和尚が小僧に、「天竺に大火事がおきているので、裏山に水をかけてくれ」と言った。2,3日後和尚は、「水をまいてくれたお陰で火事がやんだ。お礼に品物を送るので高須の浜へ取りに来い」と小僧に言った。浜では箱が流れ寄ってきた。帰りにその箱を開けると、蚊帳が舞い上がった。その蚊帳は瑞巌寺の大杉にかかっていた。
類似事例 |
|
ドウキョウ 1988年 福岡県 銅鏡を作る際、他の人が作ると光らないのに、長州から来た人がすると光った。その人たちは長光と名乗り、銅鏡や「おまがり様」を奉納する家になった。
類似事例 |
|
(セイガンジノニョライ),ゴゾウロップ 1980年 京都府 元禄の頃に、誓願寺の和尚が夢に本尊の如来が出てきて、病気であることを告げる。周りの人間も同じ夢を見たので、仏像を確かめると体内に木製の五臓六腑が納められていて、それを釣っていた釘が折れていた。人々はそれを奇異の事として、人口に膾炙したという。
類似事例 |
|
イナリ 1979年 鳥取県 揖屋村の百姓が、城内の新太郎稲荷と隔番に江戸にお供しているが、社が壊れたので楸田長屋の稲荷と同居しているという白頭の老翁から金幣と榊を受けたと洞泉寺の和尚に語った。洞泉寺から郡奉行へと報告したが、郡奉行は稲荷を流行させるための妄言であると取り上げなかった。
類似事例 |
|
ユウレイ 1988年 長野県 幽霊は生前の怨みをはらすため、或いは生きている者への恋しさからに出るものであるという。その姿は行燈を背負ったものなのだそうだ。それが現れる場所はお寺である。
類似事例 |
|
バンバアイシ 1960年 神奈川県 昔、ある信心者の夢枕に神が立ち「一の釜西方を流れる相模川の深いところにいる。自分の体は石で夫石は川下の江ノ島にいる。上流から訪ねてきたが、水が少なく下流に行けないから八幡宮まで連れて行って欲しい」と告げた。夢から醒めて一の釜に行くと、川底に老婆のような形の石があったため社の境内に移した。その後日照りが続いた時また夢枕に立ち、「自分を一の釜に入れると雨を降らしてやる」と告げたのでそうすると雨が降った。その後石はしばらく放置されたが、川下の人が井戸端の敷石として使った。しかし、一家中の人が病気になったため、行者の進言で八幡宮へと返された。
類似事例 |
|
アミダサマ 1985年 愛媛県 高助の寺の阿弥陀様を修繕の男がすりかえ、本浦の寺に納めようとしたら歩けなくなったので元に返した。
類似事例 |
|