ダイニュウドウ 1932年 大阪府 新築した大阪城の天守閣の鯱の尻のあたりから黒い煙が立ち昇り、大入道の形になるという怪異が生じた。昔、夏の陣の直後も黒い煙が昇り、秀頼と淀殿の祟りだといわれたことがある。実は昼は羽虫が集まり、夜は蝙蝠が集まっていたのだという。
類似事例 |
|
センニンヅカ,(センシシャノタタリ) 1989年 長野県 織田信長が攻めてきたとき、城主・上沼左近は千人塚で戦死した。戦で出た死者や武器などを埋め、千人塚にした。ここに草刈りに行って刀・鍔や鏃を拾うと瘧になるという。
類似事例 |
|
ブンブオウ,カ 1988年 奈良県 昔、文武王という人の生血を吸うのが大好きな王様がいて、みな困ったので、王子と家来が図って生駒山の岩屋に閉じ込めた。30日してあけてみると、文武王は幾万という蚊と化していた。それで大和には蚊が多い。
類似事例 |
|
ムシャノオモカゲ 1932年 島根県 城主が川神という所まで逃げてきた時、味方の兵の反逆によって毒刃に倒れた。しかし城主は無念の形相物凄く、歯を食いしばり、はったと睨んで立ちながら死んだ。その様を見て逆臣は驚いて死んでしまった。今でもそこを通ると闇の中に武者の俤が見られるという。
類似事例 |
|
ネズミニコロサレタハナシ 1956年 宮城県 享保の頃(1716~1736),仙台城下での話。享保5(1720)年4月新妻胤信より採集。伊藤氏の家来の六兵衛が鼠の妖災によって病に臥し,危篤になった。ある夜亥の刻頃,伊藤氏の義兄新妻胤信が様子を見に行くと,六兵衛は毎夜安眠できずすっかり疲労していると嘆いた。胤信が慰めていると,何処からともなく大小の鼠が6,70匹ばかり現れ,寝床の辺を這い回る。六兵衛がいくら追い払っても効果がなく,家人が来てようやく追い払った。六兵衛の話では,毎夜このような状態で医師も祈祷も効かず殆ど寝られないという事であった。間もなくして六兵衛は死んでしまった。鼠の祟りか何か,その辺の事情は不明である。
類似事例 |
|
カ 1932年 奈良県 昔、人間の生き血を好んで吸う天皇がいた。そこで皇太子は天皇を生駒山の岩屋に閉じ込めた。半月後皇太子が岩屋の戸をあけると、幾万とも知れない蚊が飛び出してきた。そのため大和には蚊が多いのである。
類似事例 |
|
コショウノキ 1980年 西国のある武士が、主君と共に狩りにいったところ、他の藩士は霧に包まれて居場所が分からなくなったのに、その武士の周囲だけは全く霧がかからなかった。主君は大いに怪しんで、そのわけを聞いたところ、もしかしたら数年来服している、胡椒の気によって霧があけるのかも、と答えたという。
類似事例 |
|
オキクムシ 1952年 三重県 桑名市九華公園の近くにあった侍屋敷にいつも髪を島田に結っているお菊という女中がいた。殿の寵愛を受けていたため奥方にいじめられ、恨んで死んだが、その後お菊によく似た髪形の虫が出た。
類似事例 |
|
ムシ 1980年 新潟県 糸魚川城下で、40歳ほどの漁師の首が太くなり、次第に腫れ上がって全身が発熱する病にかかった。妻がその傷口を掻いたところ、中から蟲があふれ出してきた。もしこの蟲が病人の身体に付いたら、たちまち皮肉の間に入ってみえなくなるという。形は虱のようだったが、それから病は平癒したという。
類似事例 |
|
マツモリジョウ 1956年 宮城県 一名を鴻ノ館という。伊達政宗が国分盛重をこの城に攻めたとき、入沢乙から水を運んでいるのを村の一老人から聞き、水の手を絶ったが、城方で水を流して馬を洗うのが見え、不審に思っていると鳥が(水にみせかけた米に)群がり集まったため計略がばれた。その日は正月三日で、政宗方の門松が折れたので、家老が不吉の前兆であるから城攻めを見合わせて欲しいというと、政宗は松が折れたのは松森が落ちる吉兆だとして一気に攻めおとす。水の手を教えた老人は祟りをうけて死んだ。
類似事例 |
|
イヌボウノレイ 1974年 愛媛県 三木寺城主の犬坊が戦で死に、その亡霊が馬に乗って現れた。それを見ると病気になるという。殿様の使者が来て立ち去るように怒鳴ると、白紙のようなものが東に飛び去り、その後そういうこともなくなった。
類似事例 |
|
(クロケブリ) 1980年 享保の頃、土や木から黒い煙が立ち上がったことがあった。それは春の、南風が吹く日である。
類似事例 |
|
タマムシ 1923年 滋賀県 犬山城主中川勘右衛門の叔父清蔵主の墓の上にたつ大榎には、天虫が多くいる。彼の亡魂であると噂されている。
類似事例 |
|
オンリョウ,センサイ,チョウ 1933年 大阪府 ある薬種商の女房は、主人と下女が不義の仲となったのを悟り、恨みを残したまま病没した。主人は下女を後妻としたが、縁側で食事をすると決まって二匹の蝶が現れる。ある日、また蝶が現れたので奇異な事と、ふと庭を見遣ると、先妻の霊が立っていた。
類似事例 |
|
ネコマ 1980年 岡山県 美作国の山城には、よくねこま(猫)が集まる。櫓から黒い煙が立つというので、櫓に寄ってみても火が焚かれた様子もない。これはねこまの仕業である。年に2度猫狩りをすると、4~5尺(約130センチ)ほどの猫を50匹も捕まえることが出来るという。
類似事例 |
|
ホイホイヒ 1998年 奈良県 松永弾正に攻め殺された十市遠忠の怨恨が残ってホイホイ火になった。城に向かってホイホイと叫ぶと、ジャンジャンとうなりをたてて飛んでくるという。これを見たものは二・三日熱を出すという。
類似事例 |
|
クロクモ,カイブツ 1935年 岐阜県 300年程前、庵主の尼の葬式の時西の空に掌くらいの雲が現れ、次第に広がり尼の棺桶を覆った。雲の中から何とも知れないものが棺桶を抱えて空へ行ってしまった。あちこち探したが、木の枝に掛かった尼の白衣の袖しか見つからなかった。
類似事例 |
|
ヘビ,ダイジャ 1936年 鳥取県 五百年程前、若桜の城に矢部山城守がいた時、根安橋の上の淵に大蛇が住んでいて、道行く人を騒がせた。それが殿様の耳に入り、その家来の武士が退治しようと淵に出かけた。幾日も待ったが現れず、「もしいるのなら姿を見たい」と言うと、小さな蛇が現れた。この蛇に切りつけると、淵はにわかに湧き立ち、水は朱にそまり、大蛇があばれた。死体は長さ十四間もあった。
類似事例 |
|
ネズミ 1981年 東京都 堀大和守が鍛冶橋御門内に居た時に、家中の者の家の神棚の升の中に、毎日鼠が南鐐を1片入れに来るのが14・5日続いたという。その夫婦は珍しい事と喜んだが、そのお金を使ったところ、翌日からは鼠はこなくなったという。
類似事例 |
|
キンノクラ 1983年 岩手県 梁ヶ沢の堀で武将が戦ったときに、金の鞍が堀に落ちた。この鞍の夢を見たものは、もう余命が何日もないという。
類似事例 |
|