キツネ 1977年 丹波国で、ある百姓の屋敷の裏の岩屋に狐が人に化けて住んでいた。膏薬を作って生計を立てており、総髪で50歳程に見えるが、300年前のことでもよく知っていたので村人の助けとなった。ある時藤の森から使いが来て向こうで暮らさなければならないといって去った。
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キツネ 1999年 宮崎県 船引の男が、坂本という所で、狐がサルカクの葉を松葉で繋いで被ってきれいな娘や坊主に化けるのを見た。ついて行ったら化かされた。
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キツネ 1933年 鳥取県 おこん狐という狐がよく人を化かした。ある男が川の中で網泥を一生懸命かぶっている狐をみつけたが、その狐が立派な女に化けて馬に乗せてくれという。馬に乗せて連れて帰り、火であぶったので、狐は正体を現した。人を化かさず、ここにすまないことを約束して許してやった。数年後、伊賀の山辺で娘に化けたおこん狐に会った人があるという。
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キツネ 1971年 岐阜県 あるお爺さんが町へ行った帰りに山道で狐に化かされた。侍が出てきてポンと足を上げ「あっちへ行け」と言うと、すくんで座り込んでしまった。村人が山の中で座り込んでいるお爺さんを見つけたが、なにも憶えていなかったと言う。
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シノダノキツネ 1966年 山形県 昔あるところに一人暮らしの男がいた。嫁を欲しいと思ってはいたがあきらめていた。信太の狐と呼ばれていた大狐がその心中を察して、男の元を女に化けて訪れ嫁となった。子供も産まれたが、ある日狐の姿で子供を抱いて寝ているところを見られた。子供に情のある狐は事情を話し、昼間は子供に乳を飲ませに来ると約束して、信太の森に帰っていった。
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キツネノヨメトリ 2001年 青森県 酉九兵衛が一人娘のお松を誰かに嫁にやりたいと言っていたところ、狐が嫁に欲しいといってきた。翌日の夜に、狐が人間に化けてやって来てお松を連れて行ったが、朝になって道路端に寝ていたお松を村の人が連れて帰ってきた。化かされていたと知った酉九兵衛が村人に教えてもらった呪文を唱えると、それから狐は来なくなった。
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キツネ 1999年 宮崎県 松叶のある百姓が日暮れ、田んぼのあぜ塗りに行った帰りに、狐がサルカクの葉を被ってきれいな娘に化けるのを見た。そのままみていたら、化かされて、下原まで連れまわされてしまった。
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キツネ 1943年 山梨県 善右衛門が毎日町に炭を売りに行く。帰り道に狐が出、孫への土産をいつも食べてしまうので、ある夜孫に化けた狐を騙して連れ帰り、釜茹でにするぞと脅したところ正体を現して謝罪するので放してやった。翌朝、狐が「あな恐しやの善ねんぼう」どなっていた。
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キツネ 1960年 福島県 ある男が、狐がきれいな娘に化け、小鳥を赤ん坊に見せかけて爺さん婆さんをだましているのを見つけ、訴えたが受け入れられず、通りすがりの和尚の計らいで頭を剃ることで許してもらったが、実際には狐に毛を抜かれ、辺りの景色も一変していた。
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キツネ 1987年 長野県 昔,長門町(現長和市)と丸子町の境,鳥羽山に尻尾の先が白い狐が棲んでおり,よく人を化かした。あるとき,仙石原の方から子供達が大勢やってくると,犬たちが揃って吠え始めた。するとその中の一人が今やってきた道をまっしぐらに駆け出し,四つんばいになって山の中へ走りこんでいった。村人が一晩中探したがその子は見つからず,翌朝,村から10数メートルも離れた隣村の山中で発見された。子供は疲れていたが元気で,着物には白と茶色の狐の毛がびっしりつき,地面には生物の血が転々と落ちていた。狐の毛も沢山散っていた。以後件の狐を見たものはいない。
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オオガオノオンナ,タヌキ 1933年 長野県 ある晩、一人の侍が畳一畳もある大きな顔の女に出会った。慌てて逃げてから知り合いに話し掛けると、その男も同じ顔だった。狐に化かされたのである。
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キツネ 1981年 東京都 7・80年前、頭が変な息子が狐に化かされた。振袖姿に化けた狐に、息子はついていった。山に入り、狐は息子を裸にして、息子の「宝物」をいじくって逃げた。裸で歩き回っているのを樵が見つけて助け、着物を着せて家まで送っていったという。
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キツネ 1976年 鳥取県 鳥取城下の侍の家に、在原業平のような美男が来て女中と関係して子供を産む。その男が狐だったという。
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タヌキ 1992年 奈良県 狸がきれいな着物を着た娘さんに化けて出てきた。男の人がついていったら、寂しい所に連れて行かれた。そして男の人は険しい崖を上って帰ってきたという。
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オトンキツネ 1935年 鳥取県 昔因幡国立見峠の古狐は里人を騙して頭をつるつる坊主にするというので恐れられていた。村の若い者がある日退治することとなり、2人で立見峠に出かけると黄金色の古狐がぶらぶら歩いていたが、やがて若い女に化けた。そして道端の石地蔵を抱き上げ川の水草をつけると赤子となった。それをおんぶして歩き出したので、後をつけると女は一軒の老夫婦を起こし、その子を抱かせた。老夫婦は孫だといって喜んでいたので、見てきた話を聞かせたが信じないので湯に赤子を投げ込んだが、赤子は死んでしまった。年寄り夫婦が怒っているところへ和尚が通りかかり、2人を剃髪して弟子とした。2人は一心に礼拝して木魚を鳴らした。夜が明けて村の人達が立見峠にくると、2人の若者が草野原に座り、竹櫛に馬糞を貫いたものを打ち振って騒いでいた。おとん狐のしわざである。
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キツネ 1984年 山梨県 母(1873年生)から聴いた話。境川のマエダ集落の人が甲府への行き帰りによく狐に騙された。あるお爺さんが狐の好物を持っていたら子供に化け出たので、馬にしっかり縛って捕えた。村人が集まって、正体を見せた古狐を殺そうかと相談していたら修行の坊さんが通りかかり、命ばかりは助けてやれと言うので助けてやった。捕まったのは雌狐で、坊さんはその番いの雄狐が化けてきたものだった。以来、その狐は人は騙さず、稲作の害になる鳥などを食べて村を助けるようになったので、狐川稲荷として祀った。
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キツネ 1970年 福島県 麹屋のおとっつあまが山で狐にあい、おれは白河の石地蔵だといって、袋をかぶって狐からは石地蔵に見えるように化けた。麹屋は狐をおいらんに化けさせて吉原へ入れた。狐は飲んだり食ったりしたため、お客様の所で狐になって寝ていた。狐は殺されそうになって逃げて来た。そして、白河の石地蔵のところへ来て、おれをばかにしてといってゆすぐったが、あまりゆすぐったから石地蔵様の下になって死んでしまった。そして、人をばかにする狐がいなくなった。
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(ウコン),(サコン) 1980年 山形県 米沢地方には右近と左近という、千年の齢を経た老狐がいる。ある日上杉家中の者が江戸から帰る途中の山間に来たところ、右近と左近がこの者を誑かそうと化けて現れる。しかし化け方が不完全だったために、その者に斬り殺されてしまった。
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キツネ 1941年 新潟県 狐は孫杓子で何にでも化けることができる。ある時、娘に化けて出たおさん(狐)に会い、その後和尚に化けて出てきて、小僧をだました。小僧が稲荷様の格好をすると、和尚に化けたおさんは言われたとおり孫杓子を持って来たので、それを小僧が折った。
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キツネ 1971年 岐阜県 ある人が桑摘みに行って道に迷い、仕方なく道端で藤を切ってまた桑摘みをしていた。そういうときは狐は足もとにいて化かしているという。
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