テンニョ 1977年 奈良県 天武天皇が、出家しようと、吉野川のほとりにある滝宮というところに行った。ある夜、琴をかなでていると、山に白い雲がたなびき、天女とおぼしき乙女が、琴の音に合わせて舞った。天皇は、「おとめ子が乙女さびしもからたまを袂にまきておとめさびしも」と詠んだ。この天女を見たのは天皇のみだったという。
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コトノネ 1961年 山梨県 琴川の辺にひとりの美女がすんで、琴をひいていた。ある年の夏、長雨が続いて水かさが増し、裏山が崩れて美女は家もろとも押し流され行方不明になった。その後、川から幽かに琴の音が聞かれ、琴川といういようになった。
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ダイジャ 1923年 京都府 ぼろぼろの着物を身につけ子供を抱いた女が家々の前に立ち、笛の音や琴の音をきいているといううわさが流れた。添田斎宮という立琴を弾く男は、それを聞いて昔契った大蛇のことを思い出し、方丈に相談した。それでほっとした斎宮は帰宅して思わず立琴をひいてしまい、女とともに行方不明になった。
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シンニョ,センニョ 1976年 奈良県 神武天皇が吉野川に行幸した折、琴を弾いたところ、神女が空から下りてきて「おとめどもをとめさびすもから玉をたもとにまかしをとめさびすも」と5度歌い、5度袖を翻した。5人の仙女の歌のふしがそれぞれ異なっていたので、五節と名付けた。
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シリョウ 1933年 京都府 藤原忠通の愛した遺品の琴が、誰もいないのに夜な夜な鳴った。これは忠通の霊が琴にこもっているからだという。
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シンリョウ 1977年 竜は気をふいて雲を生じさせ、その雲に乗って飛ぶ。
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アヤシノクモ 1936年 島根県 雲が淵は雲井城の飲料水である。ここの山にはあやしの雲があり、毎年下女を連れ去るが、外敵が攻め寄せてきたときには雲が城を包んでくれる。ある年、城主が雲を退治してしまったので、敵に攻められて滅んでしまったという。
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テンニョ 1929年 京都府 8人の天女が比治山の頂上にある沼で水浴びをするのをみて、男が羽衣を1枚持ち帰った。その持ち主の天女は男の妻となるが、羽衣のありかを知って丹波へ去り、その地を天女谷と呼んだ。
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テンニョ 1936年 静岡県 三保松原には天女の羽衣伝説がある。
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テンニョ,ハゴロモ 1967年 福島県 葉山権現の傍に大池で、ある暑い日のこと数人の天女が水浴びしていると、1人の漁夫が通りかかった。天女は驚き昇天したが、1人の天女が気付かず水浴びを続けたので、漁夫は羽衣を見つけ、家宝にしようと持ち帰り、庭先に埋めた。天女は昇天することができず、漁夫が羽衣を持っていることを知り、卑しい女に化けて男の家に行き、とうとう夫婦となり1人の子をもうけた。この子が3才の時、庭先から羽衣を見つけ、母にそれをつげたところ、天女は喜びすぐに昇天した。残された子は非常に仏好きで、4才のとき落髪し、後には高僧になった。
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テンニョノハゴロモ 1933年 鳥取県 天女が地上に降りたとき、羽衣を農夫にとられた。天女は天上の記憶を無くし、人間になって農夫と結婚した。二人の子供もできたが、ふとしたことから羽衣を着た途端天上の記憶が戻り、天に戻ってしまった。それが、羽衣石山の名前の由来である。
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テンニョ 1929年 岩手県 昔、沼のほとりで天女が水浴びしているところを見た男は、近くに掛けてあった羽衣を盗んだ。天女は泣いて男の跡を追い、沼のほとりの小屋で蓮糸で曼荼羅を織った。天女はやがて天に帰れるようになったが、天女が毎日機を織っていたので綾織という村の名になった。
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カマナリ 1975年 夕飯を炊いている時に、突然釜が鳴り出した。その音は鐘が鳴るようで、調和して音楽を奏でるように聞こえ、琴を弾くのにも似て、3回鳴った。1鳴は喫茶10服ほどの時間で、聞く人の心身を和ませ楽しませた。
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ヘビ 1983年 栃木県 昔、すがという娘が城内に住む琴姫様に使えていた。琴姫は悪家老のたくらみを暴くための密書をすがに届けるように命じた。けれどもすがは待ち伏せていた侍に斬られた。侍は密書を入れた文箱を取ろうとしたが、烏蛇に化したすがに咬み殺された。しかし結局密書は奪われてしまった。それから琴姫様には烏蛇に守られるようになったので、蛇姫様と呼ばれた。
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テンニョ 1930年 岩手県 百姓の若者が夏の日に川辺で3人の天女が水浴びしているところを目撃し、一人の天女の羽衣を隠したためにこの天女は天に帰れなくなった。天女はそのまま若者の女房となったが、女房を眺めてばかりで仕事をしなくなったので絵姿を描いて持たせた。その後、女房は殿様の御殿に連れて行かれるが、桃売りに化けた若者は殿様と入れ替わり、天女と御殿に住むことになった。
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テンニンニョウボウ 1973年 香川県 あるところに男とその息子がいた。ある日父親が海に行ったところ、木に羽衣が掛かっていたので盗んで帰って箪笥の奥にしまった。息子がそれを見ていた。羽衣をなくした天人を男は家に連れてきて女房にしてしまった。女房が天に帰りたいと泣いているのを息子が見て、羽衣の在りかを教えてしまったので、女房は羽衣をまとって天に帰ってしまった。
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テンニョヅカ 1956年 宮城県 津の宮の社家、作兵衛の四代前の先祖某が竹島に天女の群が舞っているのを見つけ、逃げ遅れた天女を家に連れ帰った。天女は豆柿を少し食べただけで6,7日して死に、連れていた子犬も死ぬ。葬ったところを天女塚といい、子犬の墓を狗塚という。
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テンニョ,スガタノイケ 1983年 静岡県 駿河国三保で魚釣りを生業とする男が,降った天女と3年の間夫婦となった。離別して天女が天に帰った後、男があまりに悲しんだので、天女は名残に舞を舞った。その姿が池に映ったので、その池を姿の池と名づけたという。
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テンニョ, 1929年 京都府 比治山の頂上に真名井がある。この井戸に天女8人が来て水浴びをした。老夫婦がこの様子を覗き見して天女の衣装を隠した。衣装を取られた天女は天に帰れず、老夫婦の請うままに娘となり、共に暮らした。天女は良い酒を造り、家は富んだ。
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キツネ 1981年 和歌山県 炭焼きの人が山で、瓦を割るようなカキーンという高い音が向かいの山からしてくるので不思議に思っていってみると、こんどは自分がもといた山からその音がしてきた。狐の仕業。
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テング 1959年 鹿児島県 ある人は、山ン神講を行なう5月16日に山に入ったら、笛や太鼓の音がして、それにつられて進むと、天狗が舞っていたのを見たという。
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