リュウグウ 1982年 群馬県 斎藤氏の先祖の阿感坊が、竜宮様へ藤蔓切りに行き、川に落とした鉈を追いかけて竜宮に着いた。竜宮に3日いて、瑪瑙は宮子神社に、観音様は竜宮様へ、玉手箱は斎藤家に持って行けといわれて、3品を貰って帰って来たら、3年経っていた。口止めされていたが跡部の殿様から責められて喋り、3日後に死んだ。殿様は気の毒に思い、コウガン寺(現在廃寺)の殿様の墓の前に葬った。
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リュウグウ 1982年 群馬県 追貝の浮島の観音様の滝壷は竜宮まで続いていると言われた。膳椀が必要なとき、この渕に手紙を流して頼むと貸してくれた。あるとき1人前返し忘れたので、慌てて返したがもう受取って貰えず、以来貸してもくれなくなった。その膳は星野家に伝わる。
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ヘビニョウボウ 1968年 愛媛県 大晦日に、男が幸木の売れ残りを海中に捨てた。後、娘が訪ねてきたので夫婦になった。子供が生まれ、島原の殿様が妻を乳母に差し出せと言う。妻は竜宮から来た者だと告げて男に玉を渡し、子供に与えるよう言って去る。玉を殿様に取り上げられ、海岸を歩いていると女が竜宮界の3つの玉だという血筋の玉をくれるが、それも取り上げられる。男が村を去ると、島原城下は崩れたという。
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セリザワノサラヤシキ 1956年 宮城県 昔,芹沢という者が武芸の腕によって禄とこの土地を賜った。それから三代後の当主の時の話。ある正月,同家の女中が主人秘蔵の錦手の皿十枚を箱に納める際,一枚を落とし毀してしまった。しばらく隠していたが遂に露見し,一刀のもとに斬り殺された。その後毎夜のように同家の水屋に女中が現れ,「一枚,二枚,三枚・・・九枚・・・おお・・・」と恨めしげに訴える。主人は自らの仕打を悔い,女中の霊を慰めるために石地蔵を刻み,自分の山の頂に建てた。また不吉の刀を地中に埋め,小祠を建てて祀ってやった。以後女中の声も聞こえなくなったという。今でもこの山を地蔵山と呼ぶ。なお旧芹沢家には別人が住んでいるが,その後は何の変事も起こらないという。
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(オキクノタタリ) 1982年 群馬県 小幡の殿様が妙義で見初めた菊という女を侍女にし、寵愛したので他の侍女や奥方から恨みを買い、お菊が殿様に差し上げる御飯に針を入れられた。殿様は怒ってお菊を責め、お菊は宝積寺の山門まで逃げてかくまってくれと言ったが、寺は門を開けなかった。お菊は追手につかまり、蛇とムカデの入った樽に入れられ、宝積寺の池に投げ込まれて死んだ。お菊の母が「お菊が無実なら芽が出ろ」と池のほとりに炒りゴマをまいたら、芽が出た。お菊の祟りで宝積寺の山門は何度建てても焼けてしまう。
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リュウグウブチ,ビジン 1962年 山梨県 桂川が迂回するところの杵岩の下が淵になっている。昔、ここの百姓が杵岩の上で木を切っていてあやまって斧を淵に落としてしまい、淵に飛び込んで拾おうとすると、淵の底から美人が現れて竜宮に連れて行き、1年あまりも楽しく過ごした。いとまごいをすると、斧の代わりに黄金の玉をくれた。淵から出て家へ帰ると宝珠は忽ちなめらかな丸石となった。よって、宝珠石と名付けて悉聖寺観音堂に納めたが、何者かに盗まれて今はない。
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カンノンサマ 1981年 神奈川県 大塔宮護良親王が首を切られる前、村人に観音様を預けて、難波で祀ってほしいと言ったが、観音様は酒匂に帰りたいと言うので、観音様と縁のある南蔵寺へお連れすることになった。
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タクセン,ショウカンノン 1935年 宮城県 給分というところの観音堂に安置されている正観音は、安倍貞任の守り本尊だったそうだが、前九年の役の時に北上川に流し、其れが川に3年、海に3年漂流していたが、田尻島に着いた時に島人はその異様な姿に恐れて再び押し流した。その後、給分に漂着したが誰も気づかなかったので、ある漁師に託宣を下して自身の位置を知らせ、いま祀られたという。祭日には決まって東風が吹くという。
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コウミョウイシ,アミダサマ,ヒノタマ 1990年 長野県 あみだが原には光明石がある。塩六という人が雨飾山から阿弥陀を背負って光明石まで飛んだとき、阿弥陀様の足跡が石についたという。この阿弥陀様はムラの中央のお堂にあったが、明治23年の火事の時に火の玉になって雨飾山へ帰ったともいう。
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アミダサマ,ヒノタマ 1990年 長野県 塩六が背負ってきた阿弥陀様はムラの中央のお堂にあったが、明治23年の火事の時に火の玉になって雨飾山へ帰ったともいう。
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ハナサキイシ,ヤマトタケルノミコト,アクゼイ,アクレイ 1935年 群馬県 日本武尊が奥上州にやって来たとき、山に悪勢という魔神が住み、朝廷に背き人民を困らせていたので成敗した。神通力で戦いながらも敗れた悪勢は、山に包囲されて焼け死んだ。その娘は清純な処女だったが、武尊の軍勢に阻まれ自殺した。彼女の従者は哭き死んで、その亡魂が石となり、花が咲いたという。それでこの石を花咲石といった。悪勢らの悪霊は祟りをなしたが、石神として祭ると止んだという。
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オコリ,ヒョウタンイシ 1984年 長野県 大酒飲みの主人に怒ったお神さんは、主人の酒をくむ瓢箪を割ってしまった。主人はそれがきっかけで、死んでしまう。その瓢箪は夜毎お酒が飲みたいと泣いた。お神さんが寺に瓢箪を納めると泣かなくなった。その石を踏むと、「おこり」にかかるという。
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ウマ,テンセイ 1931年 埼玉県 土御門院のころ、吾妻左衛門藤原是好という長者がいた。そこに諸国行脚の法師が泊ったとき、法師は悪心を起こし夜具を盗もうとした。逃げようとすると馬に噛みつかれ、其馬が人語で「私はここの主の叔父であった。盗みをすると馬になって苦労するからやめておけ」というようなことを言って次の日に死んだ。法師が左衛門にその話をすると左衛門は驚き、叔父の為に葬式を出し、墓の側に草庵を立てて法師を庵主にしたという。
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ナガレボトケ 1952年 佐賀県 若い女の「流れ仏」を拾ったが、自家近くに埋めて祀らず、浜の納屋近くに捨ててしまった。ところが病気になり、法印様に見てもらうと、「流れ仏が祀ってもらいたがっている」という。そこで石の恵比寿さんを自宅に祀ると病気も良くなり、漁もうまくいくようになった。
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アオイヒノタマ 1989年 長野県 ある家にお玉という女中がいたが、その家の秘宝の皿を割ってしまい、主人に叱られて淵に身を投げて死んだ。それ以来、淵から青い火の玉が2つ現れ、1つはその家に、もう1つは天竜川の川下にゆらりゆらりと飛んでいく。見た人もいる。
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カンノンサマ 1989年 長野県 久下家の先祖・久下甚九郎は主人のせらだ正頼という人から観音さま・阿弥陀さま・薬師さまの三尊を背負って逃げるようにいわれた。逃げる最中、賊に追いつかれて鉄砲で撃たれたが、弾が背中に背負った観音様の箱あたりに来るとぽろぽろと落ちた。おかげで甚九郎は逃げ延びた。
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ジングウコウゴウ,スミヨシダイミョウジン,リュウグウ 1974年 福岡県 神功皇后が三韓征伐に向かう際、筑前国香椎において住吉大明神が翁姿で現れて、異国征伐には竜宮の干珠満珠を借りればよいと進言する。神功皇后が借り方を聞いたところ、翁は磯鹿島の安曇磯良という者を召し出し、竜宮に行かせればよいという。そして磯良は細男の舞を好むので、それを舞えば自らやってくるという。皇后は誰が舞えば良いか尋ねると、翁は供奉の者に楽を演奏させて、翁は立って舞った。すると磯良が舞人の姿で亀に乗ってやってきて、翁と共に舞った。皇后は妹の豊姫を磯良に伴わせて竜宮へ行かせて、かの2顆を借り、三韓を降伏した。
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カンノンサマ 1983年 山梨県 Aさんの「うちの守り神さん」である観音様は、馬頭観音と石である。もとは一対で林にあったが、明治20年ごろの水害で1つが流されて、残っていたものを持ってかえってきた。世襲ではなく観音様が夢枕に立ったので、占うようになった。オウカガイでは、「観音様おしえて下さい」と問うと、良ければ石が持ち上がり、悪ければ持ち上がらない。
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エイゾンホウイン 1956年 宮城県 栄存法印は高僧として衆人の帰依が篤かったが,笹町家当主新左衛門頼重が嫉んで讒訴を行い,寺領を悪田とすり替え,住民に神域を掠めさせた。遂に江ノ島に流罪された法印は,笹町家一味及び石巻湊町に対し呪詛の修法を勤行したので,湊町にはしばしば大火が起こった。但し法印を庇護してきた高橋某家のみは災いを免れた。3年後の天和元(1681)年二月,法印は「口に鰹節を挟み,湊町を望む地に身を逆さまに埋めよ」という遺言を残して死ぬが,島民がこれを守らなかったところ関係者が病気となり,島に不漁や凶事が重なったため,改めて遺言通りに埋葬し供養を行った。埋葬場所は現 栄存神社。一方,笹町家では法印の呪いによって当主頼重がしばしば栄存の幽鬼に襲われ,自分の肢を斬ったり息子彦三郎安頼や妻女を斬殺したりした上,発狂した。九族も死に絶えた。享保頃(1716~36),法印の赦免を請い,霊を牧山に移して長禅寺に栄存神社として祀った。今でも旧2月6日の命日を御縁日として祭を行う。
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キョボクノセイ,マショウ 1935年 大分県 孝徳天皇の白雉年間に草壁春里という長者がいた。広大な邸宅でこの世の浄土のような生活をしていた。長者は権勢に任せて串川の上流にある千条の枝を持つ栢の霊木を切り倒した。その巨木の霊に祟られたのか、一家ことごとく魔性のためとられていった。筑後の国草野の庄に草野太郎衛門という弓の名人がいて、狩の道すがら残された長者の末娘、玉姫に会い、事の仔細を聞いて妖怪退治の決心をした。魔性に1矢を放つと雷鳴とともに空はかき曇り大豪雨になって小川は忽ち氾濫した。
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