(カンノンゾウ) 1989年 長野県 円仁が山に行くと光る幹があり、大きな木があったので三体仏像を彫った。ところが三体目を彫っている途中で熱を持ち、血が流れ出した。ただごとではないと思い途中で彫るのを止め、かんなくずには法華経を書いて1つ処に集めて埋めた。彫りかけの未完成の観音像は、岩屋堂を造って祀ったという。
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(ヒカルヤマ) 1989年 長野県 円仁という僧侶が伝教大師とともに上野に行く途中で、山が光るのを見た。そこで帰りに山に霊木を探すために立ち寄った。
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ヒカリモノ,レイボク,レイム,ダルマ 1935年 群馬県 碓氷川が氾濫した時、夜中に光り物があった。翌朝見ると古木で、えもいわれぬ芳香のある霊木なので、観音様がひきよせられたのだろうと少林山の観音堂に納めた。数十年後に一了居士なるものが霊夢を見て登山し、一刀三礼の敬虔振りで霊木から達磨の座禅像を彫り上げた。その当時また碓氷川に流れよった古木があり、この古木にあった大きな穴は丁度達磨像の龕に丁度よかったという。それらの話を聞き伝えた人々の参詣が盛況を呈し、ついに寺を開いたのが少林山達磨寺である。
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ヒカワミョウジン,ジュウイチメンカンノン 1974年 東京都 天暦年中に近江国甲賀郡の連林という僧が、東国修行の為に氷川へ来た。その日の夢に白髪の老人が現れて、地中に長年埋もれているので掘り出して安置してくれれば、この地の守護神となると告げた。そこで近辺を探してみると、ある場所が金色に輝いており、掘ってみれば十一面観音像があった。そこで社を建てて祀ったという。治暦2年の関八州の日照りでは、この社に雨を祈るとたちまち大雨となった。
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ジゾウボサツ,セイメンコンゴウ 1983年 愛媛県 柿の木部落に地蔵菩薩を信じる兄と青面金剛を信じる弟がいた。弘法大師がやってきて兄弟に感心し、それぞれ仏像を刻んだ。後世、松が鼻に地蔵堂を、松尾坂麓に青面金剛の堂を作った。乱世で失ったが、その後北宇和群広見町深田の庄屋河野勘兵衛通行が松が鼻で石を枕に寝ていると夢地蔵菩薩が現れ、掘り出して供養すれば婦人のお産を安泰にする、と告げたので掘り出して祀った。これが現在の子安地蔵である。その後再び夢のお告げと二匹の猿の導きで松尾坂の青面金剛も掘り出し、お堂を造り祀った。これが現在の庚申堂である。
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ブツゾウ,ユメ 1941年 朝鮮 黄海道信川郡の九月山の中腹にある寺には、銅の仏像があった。ある夜僧は仏像が盗まれ山頂で溶かされる夢を見た。起きてすぐ仏殿に行くと、そこには大蛇がいて仏像は無くなっていた。急いで山頂にいくと仏像を溶かしているところであり、僧は飛びかかって仏像を取り返した。寺に戻ったが大蛇はおらず、仏像は股の所が溶かされていた。この仏像は今も安置されていて、股には土が塗られている。
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クルソンザン,ヒカリ,カンノンサマ 1975年 山口県 九州の信心深い人が、毎晩山に光が見えるので来てみた。すると木が立っており、その傍から観音様が現れて祀ってくれと言うので祀りはじめたという。
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センジュカンノン 1929年 東京都 嵯峨天皇の頃、弘法大師が山籠の為山口村貯水池辺りを通過の際、樹の下に休んでいる白髪の老人にあった。「我はこの山の主で行基菩薩が感得して造り出した千手観音だが、風雨にさらされているので堂を造りたまえ」と述べ、その霊感をうけて大師は樹林の中に千手観音をみつけると、草堂を造った。(山口観音縁起)
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ウツワノタタリ,コヅカ 1982年 鎌倉真言宗の僧・円空は怪しき加持祈祷を行って、柏木成子町の町人が目の上に痰病ができて両目が腫れたのを治した。これは家の中にある器の祟りで、これを掘り出して清浄な地に埋め変えると病気が治ると円空が言ったことによる。実際家の下から小柄が発掘されたので、円空が持ち帰って鍛冶を行うと両目は少しずつ見えてきたという。
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センジュカンノン 1983年 大阪府 法海上人がいた頃に、どこからともなく客僧が来た。上人に仕え一夏の間香水をとり、九旬過ぎて去ろうとした時その賃を乞うたが、上人が与えなかったので、波の上に立ち、我はふだらく山の主なりと告げ、千手観音の姿となって飛び去った。上人は千手の像をつくり安置した。その霊験はあらたかという。
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エンクウ,ジュウイチメンカンノン 1980年 岐阜県 円空が長く滞在したことがあり、ひどい雨が降った。それで円空が十一面観音を彫って祈願した。するとすぐに雨が止んで、川の水も引いたという。
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(カキノキノモジ) 1977年 滋賀県 比叡の横川のある小坊主が僧坊の前にある柿の木を切って、薪にしようと割ったところ、中が黒っぽいので、師の僧に見せると、「南無阿弥陀仏」という文字であった。
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クハウメウ,ダイモンジ,コウボウ 1983年 京都府 浄土寺の阿弥陀像があるとき光明を放っていたのを、弘法大師が発見し、未来にこの光明を残し生極楽の縁としようと、光明を大の一字に加持して、方10丈の筆画を峰に残した。その跡に木を積み、火をつけると筆勢鮮やかに天に輝き、青雲に金色の文字を出現させたかのようであったという。
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カイイ,エンクウ,ヤマビコ 1935年 岐阜県 飛騨高山の山彦人形の添え書きに、円空上人が元禄年間に乗鞍岳に登山し、頂上に近い大丹生ヶ池の怪異を霊峰魔王岳に封じようとし、千体の仏像と山彦(山の神)とを刻み、山頂に置いたり池沼の底に沈めて悪魔退散の祈願をした、とある。
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レイオン,レイコウ,セイジン 1929年 東京都 聖武天皇の頃、行基菩薩が遊行で際現村山貯水池近くに至った時、樹林の間から千手陀羅尼(経文)を唱える声が聞こえた。菩薩は樹に掛け霊音を感じつつ経文を唱え、夜四度目を繰り返した時異香が四方に薫り霊光輝き千手千眼の聖人が現じなされた。菩薩は感極まってその後千手の尊像を造った。(山口観世音縁起)
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ウシ 1988年 奈良県 旅の僧が中峰山の神波多神社に泊まり、壁に1頭の牛を描いて立ち去った。その牛が抜け出して稲を食べるので、僧を追い掛けて伊賀上野から連れ戻し、松の木を描き加えて綱で繋いで貰った。この僧は狩野法眼元信だったという。
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オコゾウビ 1980年 長野県 和尚が小僧に丑三つ時に祠の蝋燭の火をつける役目を言いつけた。ある時、風が強くて提灯の火が消えたので小僧が戻ると、和尚は怖くて逃げ帰ったと思い込み、懲らしめるために杉の木に縛り付けた。翌朝、小僧が死んでいたので、和尚は埋めて隠した。次の夜、和尚が火をつけに行くと、杉の木が明るくなった。それから毎晩、このお小僧火が見えたという。
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コウボウダイシ,ブツゾウ 1936年 島根県 弘法大師の手刻の仏像は、大水にあってもある家に止まって動かなかったので、その家のものが寺をおこして祀った。仏像の膝から下を切り落としたものは病気になって、膝から下が腐って死んだ。
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ソウノカセキ 1919年 沖縄県 昔、粟国島に降り立った一人の僧が、洞窟の中に三体の仏の姿をした石を見つけた。この洞窟で死亡した僧の首が一瞬の内に化石化してしまい、いまでも残っている。
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ニチレンショウニン,ヒチメンミョウジン 1989年 山梨県 日蓮上人は説教石に上がり、9年間身延山で修行をしていた。たくさんの人が集まってきたら、大層美しいお姫さんが側で座っている。それをみた荒武者みたいな人たちが、生臭坊主だといったので、日蓮上人が、姿を現してみなさいといって、蓮の葉の池にあった水をたらしてやったら煙が出てきて大きな蛇になりとぐろを巻き、また煙が出てきて消えた。日蓮上人は、「あれは七面明神といって、20里先の山のお池に住むものだ」といったので、みんなびっくりした。
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