オトヒメ 1941年 愛媛県 昔、炭を売る人はある日、買い手が見つからなかった炭を海に投げて龍宮にあげたが、夜乙姫がお礼として妻にしてくれるように頼みに来た。それを知った庄屋は乙姫を自分のものにしようとして、夫に幾つかの難題を出すが、毎回乙姫がそれをといてくれて、やがて庄屋が死に、炭売りは新しい庄屋となったという。
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ウツクシイオンナ,ユメマクラ,イトナガドノ 1947年 鹿児島県 昔、金持ちの男が良い妻が欲しいと神に願を立てたら夢に女が現れ長い糸を付けた針を置いていった。目覚めてもその針はあった。播磨の糸長殿を訪ねよという事だと考えそこに行き、風呂焚きとして雇われた。やがてその家の娘と結婚した。
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モノグサタロウ,キツネニョウボウ 1949年 山形県 物ぐさ太郎が妻に先立たれて百姓をする中、田植えの際に雇った早乙女の一人に三四人前の働きをする者がいた。この女が妻となり一人の男の子が生まれた。この子が三歳のとき、妻の素性が狐とわかり、何れかへ立ち去った。物ぐさ太郎は、幼児をかかえ、その世話をしながら農業に励んだ。家は次第に富み栄え、その狐の子は八十歳あまりまで生きながらえ、その子孫も栄えて大百姓となって繁昌した。
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ヘビノヨメ,サンシュノホウモツ 2001年 青森県 昔、ある百姓が、自分の娘を嫁にやると蛇に約束し、末娘が嫁に行くことになった。娘は蛇に連れて行かれる道中で、老人から3種の宝をもらった。老人の教え通り、蛇の穴に2つの宝を投げ入れ、汚いおばあさんに見えるおばかあを身につけて、蛇を退治した。その姿のまま長者の家で庭掃きとして働くことになり、長者はそのおばあさんが美しい娘だと気づき、結婚した。
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ヤキカブジンシロウ,エメコヅチ,エメコブクロ,メドツ 2001年 青森県 蕪焼き甚四郎のもとに長者の娘が嫁入りしたが、甚四郎の家には何もなく、米を炊こうとしても米がなかった。嫁は何かを売ってこさせてお金を作ろうとしたが、何度物を持たせてやっても、甚四郎は金も作らず米も買わずにただ帰ってきてしまった。3度目には、金は作ったものの、甚四郎は、ある日、子供たちが鷹を折檻しているのを見てそれをを買い取った。すると、その鷹がめどつ(河童)に襲いかかったが、これを放してやると、えめこづち、えめこぶくろという宝物をくれた。甚四郎とその妻は、その槌を振って大きな家を建てたり、米倉を出したりした。
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ウンサダメ 1981年 沖縄県 昔、男が一夜の宿を頼んだ家で西の家と東の家に生まれる子供に運を付けに行くという話をしているのを聞いた。やがてそのふたりは夫婦になったが、男が女を追い出してしまった。男はもともと物乞いの運しか持っていなかった。裕福になる運をもった女を追い出してしまったことで男は物乞いになってしまった。女はやがて炭焼きの男と再婚し、裕福になった。
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テナシムスメ 2001年 青森県 昔、大阪の辺りに大金持ちがあったが、ここに来た後妻は娘を憎く思い、父が留守の間に家来たちに殺すように命じた。家来たちは娘を良く思っていたから殺すのに忍びなく、その両手を切って捨てるに留めた。娘が泣きながら京都の許婚のもとまで行ったところ、可哀想に思ったその若主人が、娘を妻とした。
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ヘビ 1983年 秋田県 炭焼渡世の男がある夕方家に帰ると美しい女が待っていた。二人は契りを結び子供も出来たがある日妻がいなくなった。妻の正体は播磨の鏡ケ池の蛇で、印の品として子供に目玉を残した。
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ヘビ 1971年 長野県 大蛇が寺の石段にいて参詣ができない。娘を嫁にやる約束をして退いてもらい、3人の娘に話をすると末娘が嫁ぐという。祝言の後、末娘は千本の針で蛇を退治したが蛇の執念に取り付かれる。その後老婆に助けられて大きな家の跡取息子に見初められ、運が開けた。
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〔センビキイシ,チビキイシ〕 1956年 宮城県 多賀国府があったころ、この里に住む女に通う男があった。近くに大石があり他所へ運んで砕かれることとなったが、男はその大石の精であった。運ばれていく前夜、男は女に別れを告げ「明日は何百人で引いても動かぬが、あなたになら引かれよう」という。はたして動かない石を「わたしがひく」と女が申し出る。気狂いに引かせるのも面白いと女に引かせると軽々と動く。女は国府から褒美をもらって幸せになる。これを千引石といい、志引観音堂の丘の下の田に残る。
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タマツヒメ,タマヨリヒメ 1928年 福岡県 玉津姫(もしくは玉依姫)は身分の高い姫であったが、顔に痣があったので、なかなか縁がなかった。悲嘆の思いを込めて縁の神様と呼ばれた三輪大明神に7日7夜の時詣りをした。満願の夜、社殿で伏していると神さびだ声が聞こえてきて、夫は三重の炭焼き小五郎で、夫婦になると大長者になるといわれた。朝起きると、姫は信託のとおりにした。
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イシガントウ 2001年 中国 山東省 ある日泰山に住む石敢當という若者が薪を売るために町に出かけると、毎晩王の邸宅に妖怪が現れて娘を苦しめており、退治した者には財産の半分と娘を礼に与えるという告示を見かけた。そこで石敢當は宝剣を手に取り「泰山の石敢當これにあり」と叫んで妖怪を追い払い、娘と結婚した。しかし、妖怪は別の村に現れて悪事を働くようになった。村人たちは石敢當に助けを求めたが、そのたびに妖怪はまた別の村に逃げていき捕まえることができなかった。そこで石敢當の妻は、妖怪を追い払うために石敢當の名を書いた石碑を村の入り口や壁の傍に建てるよう提案し、すぐに村々に知らせた。そのためどの村にも「泰山石敢當」の石碑がたっているという。
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ヘビムコイリ,マショウノコダネ 2001年 青森県 弟子が皆逃げ出してしまうような鍛冶屋のもとにある若者がやって来た。鍛冶屋は、逃げられまいとして、一人前になったら娘の婿にしてやると言って弟子にしたが、その働きぶりが余りにも良いので、次第にただ者ではないと思うようになった。そこで、若者が暇をもらって帰るときに跡をつけていくと、山中の岩窟へと入っていった。中の会話を聞いていると、子胤は置いてきたと言う若者の声に、別の声が、子胤は八皿酒を飲むことで堕ろされてしまうだろうと言っていた。そこで、鍛冶屋は帰って娘に八皿酒を飲ませた。
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カニ,ダイジャ 1990年 石川県 笠原の藤太が田んぼを作った。そこへある若者がきて、この田んぼにどうやって水を入れるのかと聞いた。藤太が弱って一夜のうちに水を入れてくれたら娘を嫁にやってもいいというと、その晩に大雨が降って田んぼに水が入った。男の正体は大蛇で、家を七回り半巻いてしめあげてきたが、娘が残り飯をやってかわいがっていた蟹が切断した。切られた蛇をカラスがくわえていき、それが落ちたところは池になった。
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キツネ 1949年 福島県 一人の男が田圃を耕していると、きれいな女性が来て腹が痛いといって泊り込み、ついに夫婦となった。三人の女の子が出来た。あるとき、油断をして白い尻尾を見られて、悲しんで山に逃げ帰った。夫が小さい子を連れて乳を貰いに山にいき、家に帰るように懇願した。しかし、家には帰れないが、稲と鉏を田圃に置いておけば手伝いをしてあげようといった。そのとおりにすると、苗の植付けは終わっており、秋にはよく実って、男は金持ちになった。
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ハクジャノセイ 1976年 山形県 おみよという女が塩井に嫁にきた。その女は機織っている者だったが、山に薪拾いに登ると白蛇がとぐろを巻いていた。その晩おみよは父親に会うが、今からすぐ山に行かねばならないという。良い男が自分を迎えに来ているという。ノリキに占ってもらうとその男は白蛇の精であった。おみよが機織っている部屋に行くと、横には蛇がぶら下がっているものだったという。
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イッスンボウシ,オニ 1932年 岡山県 寒い晩に一寸法師が宿を借りた家の娘を姦計を用いて嫁にする。そのあと、娘と泊まった山奥の古寺で鬼から宝槌をまきあげ、大金持ちになったり、普通の大きさの男になって幸せに暮らしたという。
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アネコ 1966年 山形県 天竺の大王菩薩の娘てるての姫が笛吹きの名人に惚れて嫁いだ。男は殿様から次々と難題をふりかけられ、できねば妻を貰うと脅されたが、姫は造作も無く解決し、終には逆に蜂で殿様を懲らしめ、二人は睦まじく暮らしたという。
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ダイジャ,ウシイシ 1935年 群馬県 奥上州の為政者がある宴席で美しい侍女に見とれ、寵愛した。ただこの侍女は昼には姿が見えず、夜だけ見えた。その訳を聞くと、自分は庄田の者だが、結婚してくれれば昼も侍ることができるという。そこで華燭の典が行われ、数年後に男児が生まれた。この侍女は庄田の沼に住む大蛇の化身で、その輿入れの際に乗ってきた輿は石になり牛石と呼ばれた。その男児は顔が長く、身体に鱗があったという。
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ヤキカブジンシロウ,エメコヅチ,エメコブクロ,メドツ 2001年 青森県 蕪焼き甚四郎のもとに長者の娘が嫁入りしたが、甚四郎の家には何もなく、米を炊こうとしても米がなかった。嫁は何かを売ってこさせてお金を作ろうとしたが、何度者を持たせてやっても、甚四郎は金も作らず米も買わすにただ帰ってきてしまった。
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