ムジナ,チョウチン 1974年 茨城県 大きな杉の木があり、暗くなった頃にその上に赤い提灯のような火がついた。それは見ているとすぐに消えてしまったが、これを人はむじなの提灯と呼んでいた。
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ヒノタマ,ムジナダマ 1981年 茨城県 竹薮から大きな火の玉が飛んで来た。急に周囲が明るくなり、火の玉は赤黄色でその周りは青みがかっていた。波打って飛び、上に行くと光は広がった。近くの人はむじな玉だと言う。
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バンバ 1965年 山形県 暗くなって大風が吹き、生暖かい風が吹いてきて山鳴りがした。ひとつまなぐが現れ、鉄砲で撃つと提灯の明かりのようなものがぶらさがり、白髪の婆んばが糸車をくるんくるんと廻していたのでこれも撃った。血の跡を辿った先の穴に火を付けると煙は虻になった。
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ムジナ,チョウチン 1974年 茨城県 大きなもみの木の下では、よくむじなが提灯を灯す。低いところに出て、徐々に上がっていった。赤い光でぼんやりとしていた。むじなが息をすると光るものがむじなの提灯だろう。
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キツネ,チョウチン 1972年 長崎県 親戚に重病人が出たので、医者を頼んだ。川の所まで迎えに行ったところ、川向こうで提灯の火が見えた。明かりの前で「来てくれてありがとう」と言ってそこで別れた。後で聞いたところ、医者はそこには居らず、考えてみると提灯には紋が付いていなかったという。
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ムジナ,チョウチン 1974年 茨城県 むじなが提灯をつけるのはよく見るが、いずれも木の間に現れるので高くはない。その色は提灯のようだが、いずれも光はぼんやりしていた。
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ヒヒ 1976年 新潟県 延宝か天和のはじめ、ある山家の老人が山から帰ってこなかったので、その妻がいぶかしがり、人に頼んで山を捜索してもらった。すると山奥に老人の笠とわらじが落ちていたので、それを怪しみ、村で山狩りをした。ところがなにもなかったので下山しようとすると、風が藪を吹くような音がしたので振り返ったところ、赤熊を被って目が星のように光る獣が襲ってきた。大力の若者が鎌で眉間に切りかかったが、若者を谷へ投げ落とした。残った者は逃げ帰り、越後公へ訴えた。そこで江戸より軍師を呼び、山狩りを行わせた。獣が現われたので、それを鉄砲で仕留めた。
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カミサマ,チョウチン,ケンムン 2001年 鹿児島県 桜島が噴火した時、面縄に行った帰りに小雨が降って薄暗くなった。井之川の左手に畳二つ分くらいのオキ火のような真っ赤な火が燃えていた。母にその旨を伝えたら「ものを言うな」と言われた。またクナダという所に青い提灯があった。その旨をまた母に言うと、「ものを言わない」といった。近くの店に入って安心すると、店の奥さんはその火は神様で、ものなど言うと後から追いかけてくると言った。そのころあちこちに提灯がぶら下がっていたという。これはケンムンといい、そのよだれが火のように見えると言う。
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オオカミ 1974年 栃木県 馬方をしていた人が夜、赤岩を通ると赤い火の玉が出たので、それでタバコに火をつけようとしたら、唸られた。狼の目の光だったという。
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テングノチョウチン 1951年 埼玉県 ある人が夜中に女の子を連れてネノ山に登ったとき、真っ暗だったので「天狗さん提灯をつけてくれ」というと、周りに次々と灯がついて真昼のように明るくなった。別の人が見た天狗の提灯は、一つだけ青白く光っていた。
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タヌキ 1987年 徳島県 火事になった養子の親の家に行くため、狸がよく出るという山を歩いていた。他に狐や山犬(おおかみ)もいた。提灯のローソクは狸があっという間に取ってしまう。獣が寄らぬようにお堂で火をたいていると、狸がだましにやって来る。近所の女の人に似た声が聞こえ、笑い声もした。道を進もうとすると、杖が滑ってなかなか進まない。
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ムジナ,チョウチン 1974年 茨城県 お諏訪様の欅の上辺りに、大きな提灯が下がっていて、これは、むじなのいたずらだと言われた。春先のことだった。
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ヤビ,テンビ,ヒノタマ 1985年 和歌山県 矢火は赤色である。赤色の天火は異常の知らせではない。青い尾を引いて川を渡って飛んで来る火の玉があると、村に死人が出たという。実際に火の玉を飛んで行くのを見て、それから数時間してから村に死人が出たという。
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アオサギ 1980年 ある人の庭の木に、夜に入ってひかり物がたたずんでいた。その人が鉄砲で撃ったところ、それは鵁鶄(あおさぎ)だったという。
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ムジナ 1977年 福島県 枯松を取りに猿山に行くと、穴があったので入ろうと思ったら提灯の火が消えた。穴の中にムジナがいたという。
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キツネ 1938年 長野県 祭礼の帰りにおじいさんと2人で提灯をつけて歩いていると、橋のところで提灯をばりばりひっかくような気がするが、おじいさんが気のせいだというのでそのまま行くと、火が消え、草薮の中にいた。音が聞えたのでおばあさん(音を聞いた人)が犬年だったからだ。
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ムジナノボンボリ 1974年 茨城県 むじなが提灯をつけたりお月様に化けるのは夏が多い。土手に上がっていると、明るい月があるのに、提灯のようなぼんやりした月がでた。出てから数分でだんだん消えていった。ムジナノボンボリと言われていた。
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〔カイカ〕 1968年 愛媛県 60年ほど前、ある峠の8合目あたりに、提灯の灯りが見えた。しかし、麓から提灯を持って登った人の火と、峠の火が途中で出会うのが下からは見えるが、本人には見えなかった。占ってもらうと、村人の先祖の悪霊が悪事を働いていることが分かったので祈願するとその怪異はなくなったという。
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ムジナ,キツネ 1990年 秋田県 3月の夜中、鍋沢の山中に提灯の火があった。おかしいなと気づいたら消えた。狐か狢のしわざだろう。
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キツネ 1973年 三重県 狐が川向こうの山道で火を灯すという。山に行ってはぐれてしまった老婆が見た。そのとき、回りは崖ばかりだったのだが下を見ると池があり、それを目当てに下りてきた。木に登ると在所が見えたので帰ることができた。道で会った人に訪ねると、小岐須だった。その時、老婆は白いシャツを着ていたのに「赤いシャツだ」と言われたという。これは狐に化かされたのではないかという。
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