ヨナキイシ 1976年 福島県 赤ん坊の夜泣きに悩まされる人たちが赤ん坊をおぶってきて、夜泣石の足跡にはめて踏ませる。そうすれば夜泣きがなおり、丈夫に育つといわれる。
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ヤコ 1975年 群馬県 昔上毛にあったとき、友人と山へキノコ狩りに行くと、狐が一条の枯れ芦をまさぐって柿の葉をこの芦に貫いているのをみた。またその芦を輪っかにして、うなじにかつぐようにすると忽ち見えなくなった。そして友人は帰り際に美人を見たが、それを先の狐と見抜き、礫を投げて化けの皮をはいだ。その美女は驚いて元の狐の姿に戻り、近くの山へと逃げ帰っていった。
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キツネ 1975年 物の妖なる事、狐にまさるものはない。だが物は異類をよろこばない。老狐が美女になることはあっても、人の妻となって子を生む事はない。
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キツネ,ヤカン,マヨハシドリ,イガタウメ,タウメゴゼン 1975年 三重県 狐は野干、まよはし鳥、伊賀専などと呼ばれ、伊賀では白狐を専御前と呼んでいる。
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ヤカン 1975年 岐阜県 美濃国に住む男が美人の女を嫁にしたいと思っていたところ、野原に女が居た。男は女を妻とし、一人の男の子を産んだ。そのあと家で飼っていた犬が12月15日に子を生んだ。この子犬は少し大人びており、女をみては吠えるという。ある時、米をとぐ女達に飯を与えようと唐臼の小屋に入ったら、この犬が女を食おうとしたため、女は恐れて野干になり屋根に登ったという。この狐と男の子供が安倍晴明といわれている。
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セイメイ,カライ,キツネ 1975年 晴明の母は化来の人といわれている。またしのだの森の狐ともいう。
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フウジン,カマヘダチ 1975年 千葉県・茨城県・山梨県 下総や甲斐のあたりは、窓や障子に暦を貼り付けており、そうすると人を傷つける風が入らないという。ここでは風神が太刀を持っているといわれ、カマヘダチと言われている。
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(キラレタキズ) 1975年 上方のある家の下婢は、庭の間で理由なく倒れた。まわりが抱え助けたら正気に戻ったが、頬に刀で切られたような疵がついていた。
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〔ヨウカクフウ〕,イチモクレン,カマイタチ 1975年 京都府 壬戌の年の7月晦日に上京した際、今出川あたりで暴風が起き、建物を壊したという。これは羊角風とよばれるものである。北国では一目連と名付けられ、また別の風でカマイタチと言われるものがある。この筋に当たると裂けたような傷がつく。早く治さないと死んでしまうという。
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ヨウカイ,コイ 1975年 京都府 恋塚は永井直清が高槻を領する日に碑を建てたが、もとは鯉塚である。中古大きな池があり、その池には巨大な鯉が棲んでいた。この鯉は妖怪となり、土人はこれを殺してこの地に埋めたという。源渡の妻の塚は、この南、壇の上の恋塚寺にある。
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シャリ 1975年 東京都 小石川邸持弓の同心に長蔵という者がいた。彼の母はかつて俊祥院夫人が食べる饅頭を下賜されたが、食べずに大事に保存しておいた。そして数日後に見てみると、紅白の小石数粒に変わっていた。饅頭の外皮は白になり、中心は赤に変わっていた。それを舎利と伝えていたという。
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リュウジン 1975年 滋賀県 勢多橋の下は竜宮の城門といわれており、水の深さを知るものはいなかった。橋を掛け直す時、水底から柱を立てる穴のついた大石が浮き出てきた。人々は竜神のしわざと思ったという。
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スズキ,クマノノカミ 1975年 戦国の世、鈴木氏の人が戦に敗れ、戦場を落ちていったとき、川に阻まれて渡る事ができなかった。すると大きな鱸が川から出て来てきた。それは熊野の神が示したものと信じ、川に飛び込んだところ、誰一人流されずに渡る事ができたという。その後、姓を鱸に変えた。
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チョクセンワカシュウ 1975年 勅撰の和歌集は二十一代集で終わっているが、これは勅撰の度毎に国に大きな兵乱や災害が起きたからだという。
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(ドチュウノシュッサン) 1975年 広島県 芸州宮島の光明寺の上達上人は、亡き母の墓から生まれ、墓の中から子供の声が聞こえてくるのを知った人が掘り出し、日々飴を与えて成人したという。その頭は白かったという。
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(ドチュウノシュッサン),ユウレイ 1975年 常陸小山庄の民の妻は死んで土中で子供を産み、母の幽霊が餅を与えて育てたという事がある。その子は生まれながらに白髪だったという。
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(ブッショウ) 1975年 山形県 羽州米沢で日照りがあった時、一寺の僧侶が集まって高嶺に登って仏典を大声で唱えた。すると数日で大雨が降った。
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カカンフ 1974年 火浣布という布が汚れた時、その布を火に入れて焼くと、垢はことごとく焼け落ちるが、布はまったく無傷だという。
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キツネ,ヒョウイ 1974年 京都府 京都の光徳寺という村住んでいた尊い行者が、小鳥をかごに入れて楽しんでいた。しかしその鳥をねらって悪い狐が捕っていったので、行者は狐に食止めの呪いをかけたところ、狐は徐々に弱りだし、ある岡で死んだ。その狐を六右衛門という者が岡の松の下に死体を埋めた夜、彼の妻に何かが憑依し、自分が眠るところに汚らわしいものを埋めるなと警告する。六右衛門が狐の死骸を取り出すと憑依は治まったという。
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アヤシノモノ 1974年 和歌山県 紀ノ川を下ったところに白髪畑という山があり、そこにあやしのものが出て、人をとりくらう。
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ズキョウ 1974年 京都府 静安が近江国の比良山で誦経をしていた声が、宮中で聞こえたという。
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