キツネツキ 1982年 新潟県 大正時代に村にキツネツキの男がいた。祭ってあるイナリサマを粗末にしてからだという。目がすわって顔色が悪く、いうことがおかしく、狂人のようだった。また、身軽でどこへでもとび歩き、やたらと外へ逃げ出す。力があって重いものをらくらくと持ち上げたりした。法印さまからオハライをしてもらって、いぶり出しのナンバンイブシをして煙を送り、キツネオトシをした。
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ボウレイ,アヤカシ,ミョウナヒト 1992年 広島県 夕方4時を過ぎると親が子供を、「あやかしが出て惑わす」といって入らせなかった。陶晴賢の亡霊などだろう。友達の一人が17,8歳の頃惑わされて弥山へと行かされた。皆で探したが見つからず、翌朝弥山の本堂から本人が電話をかけてきた。本人が言うには、夕べ妙な人が来て「来い、来い、来い」と言うためついて行くと、その妙な人が岩の下に寝始めて、すぐ傍の道に火を持った行列が通った。夜が明けると弥山にいることに気がつき、山頂まで登った。
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テング 1975年 高知県 ユウジンサンという神様が生きていたとき、石鎚山に行った。飯を食って後から来た友達がすぐに追いついてきたのでどうしたのかと聞くと、テングに乗ってきたと言った。
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テング 1937年 石川県 ある若者が山で行方不明になった。親がはつきよおく人(易者)に見てもらうと「鼻が高い人が連れて行った。今も生きている。」と言われた。その後も懸命に探したが、21日目に、山中の池に浮かんでいるのが見つかった。
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ワカガエリノミズ 1934年 栃木県 昔、「もう1度子供のように若くなって見たいな」といっていたお爺さんが山で行方不明になり、お婆さんが村の人たちと探すと、お爺さんの着物にくるまった男の赤ん坊がいた。お爺さんが欲深く若返りの水を飲みすぎて赤ん坊になってしまったのだった。
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テング,オンリョウ 1976年 愛媛県 松山の御幸寺山で、5月6日の田植時のころに夜12時を過ぎて山道を歩いていると、物音や気配がしたのちに大きな黒いモノの上に白いモノが翻っているものに会う。その正体を確かめようとした者は、腰痛と高熱が7日7夜続いた。古老によると、昔ミキヂサンの頂上に登った豪族の息子が天狗の怒りにふれ蹴り落とされた、その怨霊という。
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アカシャグマ 1934年 徳島県 徳島のあかしゃぐまという妖怪の話を聞いた。これはしゃぐまを被った髪形をした赤い子どもの話である。
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ムジナ 1982年 宮城県 1941年のこと。話者が、顔見知りが山に登っていくのを見た。その人はそのまま行方不明になり、夜の9時ごろ、センダイ浜の崖から傷だらけになって帰ってきた。傷からは血が出ておらず、そのひとは一週間ほど意識不明だった。ムジナに血を吸われていたらしい。
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テングサマ 1989年 長野県 話者のおばが子供の頃、鬼面山のてんぐにさらわれたことがあるという。家の裏のかやの木のそばにいると、てんぐが来い来いと言うのでついて行った。すると鬼面山の頂上にいたという。しばらくてんぐと話をしていると、家へ帰してくれたという。
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オボダキユウレイ 1953年 福島県 昔、テアキ町に毎晩オボダキ幽霊が出た。散らし髪の女で、通行人に赤ん坊を抱いてくれと頼む。ある武士が快く抱いてやると「赤子のため髪を梳かせなかった」と言って姿を消し、暫く後、見違えるほど綺麗になって現れた。その後この武士はとんとん拍子に出世した。
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オトウカ 1982年 群馬県 1945~49年頃のこと。おばあさんがご祝儀の帰り、茶臼山のオトウカに山に引き込まれ、魚を取られて一晩中山の中を歩かされた。川を渡っているつもりで「おおふけえ、おおふけえ」と歩いていた。蛇の目傘をさしたきれいな娘に会ったのであいさつをしたが、娘は返事をしなかった。この娘がオトウカで、そこから化かされた。オトウカは返事をしないという。
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タヌキ 1991年 愛媛県 60年前、話者が20歳のときのこと。化け物が出るというタカノコ坂で眠ってしまって、起きて、見えていた道をまっすぐいったが着かない。峠まで行って宿毛港の軍艦が見えて、やっと間違えたと気づいた。こういうのを狸に化かされたという人もいるのだろう。
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カミ,ユメ,イタコ 1997年 青森県 イタコの話者(1929年生)は、6,7歳の頃から夢で神様にいろいろ教えてもらった。真っ白い十二単のような衣裳で髪が膝よりも長い女の人が馬で迎えに来て、竜宮や四国の金毘羅様のような所に連れて行ってくれて、拝み方を教えてくれた。
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カミカクシ 1960年 神奈川県 何年も病気で寝ていた人が神隠しにあい、二週間ほどしてから武州高尾山の裏から人力車で送られて帰ってきた。その後気がおかしくなった。
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キョダイナカイジン 1926年 東京都 ある男が2人の巨大な怪人に出会った。1人は目が物凄く、1人は富士山より大きかった。その男は病みついて、その後死んだ。
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テングサマ,スイテングウ 1975年 新潟県 爺さんが寝ているとテング様に連れ出されて山を歩かされた。そしてテング様の背に手が届いたらカナガメのありかを教えるといわれたが、手が届かなかった。体は強くなり、歩いたところには無数の足跡があった。
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トンネル,ジサツ,アカイハナ 1972年 鹿児島県 昭和3年の秋、ある青年が青年倶楽部の合宿所の前の畑で見たこともない一本の赤い花を見てこれに誘われて取りに行き、その帰り道いつの間にか汀野墓(ナギノンハカ)の安山喜作の墓に来ていた。それからというもの汀野墓には水仙やまんしゃげの花が咲くようになった。この青年は6年後に毘沙門のトンネルで自殺し、青年団が彼の遺体を引き取りに行って帰った夜明けの3時ごろ、団員の一人が畑に灯りがともり見たこともない赤い花が一本咲いているのを見た。しかしほかの団員が見てみたところ、花ではなく人間の胴体から下がはっきりと浮き出し胸から上は灯を持った片手が見えるだけで頭もない人が歩いてきて、灯りと共に消えた。それからこの畑の境界上には水仙やグラジオラス、タンポポの花が咲くようになった。
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テングサマ,(ヤマニデルヨウカイ) 1989年 長野県 山にはテングサマが出るという。
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テングサマ,(ヤマニデルヨウカイ) 1989年 長野県 山にはテングサマが出るという。
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カミサマ,キ 1995年 鹿児島県 15才のとき、山へ栗を採りに行った。村にしかない木が山にあったので珍しくて引き抜いた。これが神様が居る木であったらしい。それから14日間熱を出して意識不明の状態に陥った。いろいろ手を尽くしたけれども全快はしなかった。だが、すばたけ祭りの時、ネーシババの所へ行ったら治った。引き抜いた木は、半年を過ぎても枯れなかったという。
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