キツネ,ゴロウウエモンノババ 1979年 山形県 五郎右ェ門という家の2代前の主人が暗くなってからの帰り道に5、6人の者がちょうちんをつけてやってくるのに出会った。その人達の顔を見ると、先頭のものは五郎右ェ門の婆であった。「どこへ行くのか」と聞くと、「五郎右ェ門の婆が死んだので茶昆買いに行く」という。「五郎右ェ門の婆とはおまえではないか」と問うと、「俺は死んだんだ」と答えた。きつねに化かされたものだったという。
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オバアサンノレイコン 1993年 福島県 昭和62年2月、病気をしていたはずの隣のお婆さんが歩いていた。声をかける間もなく、人影は家の方に歩いていった。3日後におばあさんは亡くなった。おばあさんの霊魂が家に帰るところをみたのかもしれない。
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タマヨビ 1948年 和歌山県 元文年間にある70歳くらいの男が急病になった。家族が魂呼びをしたところ、蘇って病気も治ったが、言葉や態度がおかしく、妻子のことも覚えていなかった。考えてみると、同じころに山奥で死んだ木地屋の名前が同じだったので、入れ替わって入ってしまったのだろうということになった。それから10年くらい生きていたといわれている。
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クダギツネ 1984年 山梨県 年寄りのおばあさんと仲がよかった男衆がいたが、途中で縁切れになって、おばあさんは拝んで狐をたけた(憑かせた)ため、その男の人は不如意になってしまった。そしてまた次に目をつけられた人がいて、その人が病んで死ぬ時分に、どこそこの家へ行って驚かしてきたなどということがあった。実際その家の2階がガタガタしたというようなことが明治34・5年にあった。
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ババノカオ 1941年 秋田県 婆様の死体に触れた手で爺様が自分の顔に触れると、婆様の顔がくっついた。村を追われ、旅に出るが、その後、ふとしたことから婆様の顔が離れ、爺様は逃げ出した。
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センゾノタタリ 1995年 福島県 亭主が蒸発した嫁と孫を不憫に思った老夫婦が、祈祷師に先祖の霊が祟っていると言われた場所を探し当てたとして訪ねて来た。お経を上げて先祖を供養すると、2日程のちに亭主が帰ってきたとの知らせがあった。
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カモコノスイジンノタタリ 1984年 新潟県 昔、加茂村に武右衛門という者がおり、物好きで新奇なことを好んで、新田作りなどをした。ある年のことムラの者と連れ立ち、相川からの帰り道すがら長江川の近くまで来ると、釜屋村に住むという見なれぬ女と道連れとなる。武右衛門はやがてその女に手を引かれて水の上を浮かれたような調子で歩き続けてやがて見えなくなる。翌朝、湖水をくまなくさがしてみると、死体が現れてきたので、村人たちは加茂湖の水神の祟りであろうとおそれおののいた。
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シシャ 1975年 香川県 香川県の何某が善光寺へ参詣すると見覚えある男が歩いていた。今ごろその人がここにいるはず無いと思いながら村に帰るとその男は亡くなっていた。
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ユウレイ 1995年 愛知県 母と2人暮らしだった勘五郎という少年が田の水を盗んでいたのが噂になった。やがて勘五郎は殺され、母親は死んで幽霊になり、毎晩川端に出るようになった。
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ナママブリ 1981年 鹿児島県 夜中に帰宅する叔父と私の2人が、叔父の家の門口で女の人の姿を見た。その女の人をはさむように2人で歩いていったが、途中で見えなくなった。それからしばらく忘れていたが、五日ほどして叔父の妻が死んだ。あの女はマブリだったのだ。
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(アッキ),メイカイ 1982年 宝永5年5月5日、堺町のある人の後妻が急死した。暫くして息を吹き返したので如何したのだと聞いたところ、夢現の状態でいたところなんとなく恐ろしい悪鬼が3人やってきて荒野へ連れて行かれた。そこに老人が現れ悪鬼を追い払ってくれたので何者かと尋ねたところ、ここは冥界だから娑婆へ帰れと袖から黒粉を出して口に入れられたところでよみがえったと語った。
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イキリョウ,ウラミ 1974年 ある人の妻が病気の為その母が巫女に口寄せさせたところ生霊が現れ、約束を破り他の女と結婚したので取り殺すと語った。生霊の素性を問い詰めたら生霊は答えに困り離れた。
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ヒトダマ 1989年 岐阜県 大正末年、夜道を歩いていて人魂を見た。テニスボールくらいの大きさで、ローソクの焔のようにぼぅーっとしたものが20センチほどの尾をなびかせてふわふわ漂っていた。温かみのある、くちなし色をしていた。翌日その家の人が亡くなった。
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ユウレイ 1933年 鹿児島県 爺が病死してから数日後の夜、8時頃に祭壇で物音がした。同時に婦人は動けなくなり、爺の幽霊が見えた。同時刻に門前にいた2人が母屋から浜の方へ走り抜ける白衣の小坊主の姿を見た。
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ロクブ 1916年 大阪府 ある夜、一夜の宿を求めた六部が会った。ところが翌日家を出る姿を見たものはおらず、六部はそのまま消えてしまった。その後、その家は急に金持ちになったが、そのうち一家は今、一人お迎えを待っている一人の老婆を除いて死に絶えた。
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ヒトダマ 1972年 岐阜県 人は死ぬと旅に出るといわれていて、死の一週間前には人魂がその家から出るという。村人のほとんどが人魂を見たことがあるという。
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ボーコーノオドリ,ヒトメニュウドウ 1948年 新潟県 下男が毎晩連れ出されるので、後をつけた婆さんは、海に半分足をつけて一人踊る下男を見た。周りで踊る多くの人には足がなかった。何とか下男を救おうと熊野に願掛けをすると、下男に憑いた亡霊は離れて助かった。熊野さんが大入道になって助けてくれたのだという。
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バケモノ 1953年 新潟県 死人のつげとは2人でするようにと言われていた。ある晩提灯を持たずにいくと、途中で女に会った。振り返るとその姿はすでになく、恐ろしくて急ぎ足で帰った。女の着物は縞模様で、雪駄を履いていたという。
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オンナ,キツネ 1967年 茨城県 お稲荷さんの通る道は決まっているが人間はわからない。相撲の強い男が山道を歩いていると狐が女に化けて出た。捕まえようと思い、踊り始めると女は姿を消し、再び出てこちらが踊ると消えた。後に男は熱が出てうなされる。稲荷の御使いの邪魔をした祟りだと言われた。
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ユウコン,ヨウカイ,ボウレイ 1974年 慶長年中のこと、ある人の妻が看病の甲斐なく死んでしまった。以来夫恋しさに現われるようになった。彼の友人たちが、彼の寝床へ女が入っていくのを見たが、寝床に入ると女はいなかった。翌日問いただすと、ある人は妻が現れることを語り、10日後に死んだ。
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