スギノキ 2002年 香川県 昔、二ノ坂神社には二丈ほどの杉の木があった。これを伐って売ったところ、触った人には祟りがあったという。
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ウナリマツ,オオオトコ,カイヒ 1990年 千葉県 「唸り松」といわれる木が声を発するというので、ある男が確かめに行ったが何もなかった。家に帰ろうとすると大男がついてきたので彼を倒した。家へ着くと怪火が起きたが退治した。それから木が唸らなくなったという。
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イナリサマ,ヒノタマ 1993年 岩手県 ある人がいなりさまを放って置いたら、火の玉が飛んだ。熱心なお爺さんが譲ってもらって信仰していたら、お爺さんと息子の間でいなりさまのことでいざこざが起き、いなりさまは他の家に移された。するとその息子は行方不明になり、翌日山越えの所で錯乱しているのが見つかった。医者にかかっても祈祷師にかかっても治らなかった。いなりさまの祟り。
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オオスギサン,タヌキ 1978年 愛媛県 荒神様の裏の大杉が勝手に燃え出した。消そうとしても消えず、三日後の夕方そうっと消えてしまった。荒神様に移っては大変と大杉を切ろうとしたが、なかなか切れずようやく半分ほど切ったら次の日にはもう切り口がわからなくなっていた。狸の仕業だろうということで切るのをやめた。
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オオスギ,キノセイ 1982年 新潟県 昔、村はずれに直径4、5丈もあろうかと思われる大杉があった。この杉を伐りはじめると木の中から泣くようなうなるような怒るような声がしてきて、さらに伐り口から滝のような赤い血が出たので若者たちは逃げ帰った。翌日木は元通りになっている。これが繰り返されたので、人数を3倍にして三日三晩かけて木の下に火をたいて、伐りくずをドンドン燃やし、ようやく伐り倒すことができた。大杉が元通りになったのは、夜中に他の木の精が見舞いに来てその伐りくずを杉につけるからだという。
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ロウショウ 1936年 兵庫県 武庫川堤のところにある二股の老樟は、伐ると大火が起き、伐った人には祟りがあるという。武庫川改修の時にこの木を伐ろうとした人夫は、鋸が折れ、その後1週間発熱した。
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モリキ,タタリ 1984年 長野県 森に稲荷があり、その森の所有者が半分の土地を売って開墾した。その材木を使って蚕室を作ったが、上手くいかず売り払ってしまった。それを買った人も火事にあった。これらは社樹の祟りだろうと言われた。
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オオタキサン 1966年 鳥取県 大滝さんの杉の木に火がついたとき、滝の水が渦になり、巻き上がって火を消した。
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コイチロウガミ 1949年 大分県 旧豊岡町の小一郎森近くに住む石工が火事に遭った。火元もなく相当な風だったのに類焼もない。不思議に思い占ってもらうと、石工が森の石を取りつづけるので、森の神が火事を起こしたのだという。神楽を奉納する約束で楠を伐ったがその約束を守らず、火事に遭った者もいる。
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カイビ 1934年 京都府 神社の燈明に火を入れる事が仕事の老婆がいたが、強欲な別の老婆によって謀殺された。ところが、その悪業が明らかとなり、老婆は処刑された。その後、神社の燈明に火を灯して回る怪火がしばしば目撃され、じょうが火の伝説として巷間に噂された。
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ムジナ,チョウチン 1974年 茨城県 大きな杉の木があり、暗くなった頃にその上に赤い提灯のような火がついた。それは見ているとすぐに消えてしまったが、これを人はむじなの提灯と呼んでいた。
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ボウレイノタタリ 1991年 盆の迎え日に祖霊を迎えにいかないでいると、たたりで火事になった。けんかをしているところにこっそり祖霊が帰ってきて、腹を立てて蛇に変身して尻尾で囲炉裏の火を払い、くずに中に入れたのだという。
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オコゾウビ 1980年 長野県 和尚が小僧に丑三つ時に祠の蝋燭の火をつける役目を言いつけた。ある時、風が強くて提灯の火が消えたので小僧が戻ると、和尚は怖くて逃げ帰ったと思い込み、懲らしめるために杉の木に縛り付けた。翌朝、小僧が死んでいたので、和尚は埋めて隠した。次の夜、和尚が火をつけに行くと、杉の木が明るくなった。それから毎晩、このお小僧火が見えたという。
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オンリョウ 1980年 青森県 猿松という男が人妻に通い、訴えられて火あぶりにされた。その怨霊が病気や狂気などの祟りになって何年も続けて出た。
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オカゲドシ,オフダ 1916年 静岡県 御蔭年には不思議なことが起こった。不思議の始まりは酒屋が行燈を何かの拍子に焼いたとき「火之用心」という文字だけ焼け残った。それから火の騒ぎがいくつかあり、町中総出で神仏に参詣した。門前並木の大木の松が音もなく倒れた。そのうち御札が降ったという家が出てきて、祠を作って御札を祀り、祭礼のようにして騒いだ。
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コクソンノカミノタタリ 1991年 高知県 目黒の方から山の木を伐りにきた人が、山で黒い大きな蛇を見たが、その後、山が火事になって焼け、木を伐った人は病気になった。黒尊様の御神体をみても大丈夫だが、御神体の宿る山の木を伐ったために祟りが生じたのだろうと思われる。
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テング 1956年 滋賀県 天狗の松と呼ばれている木を切ったら、一週間も床についた。やっと治ったと思ったら気抜けして、普通人にもどれなかった。天狗が祟ったのだといわれている。
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サトリ 1960年 福島県 昔爺様が山小屋で火に当たっていると、得体の知れない化け物がやって来た。爺さんの心の中を見透かすさとりの化け物だった。柴を折ったときにはねて化け物に当たると化け物はおびえたという。
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カイビ,タヌキ 1921年 徳島県 明治5・6年頃ある男の家で家中のものが次々と燃える怪異が続いた。消そうとすると次々別のものに燃え移るのだが、消えた後は燻っても焦げてもいない。3~4カ月すると自然にやんだが、男が狸を遣って楽しんでいたので狸を怒らせたのだといわれた。ほどなく一家は衰滅したという。
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アラガミサン 1981年 広島県 以前合祀があった時、荒神の杉のもり木を切って家の材にしたところ、父親が病気になり裃を着た太夫のような姿を幻覚で見た。占ったら荒神が祟っていることがわかったので、杉を返して植えたら病気は治った。
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